Facebookページ
Twitter
Youtube

ニュース

HAWK 11 スペシャルトークショー「HAWK 11の魅力は尽きない」


11月26日(土) Hondaウエルカムプラザ青山にて 
企画:ホンダモーターサイクルジャパン

 HAWK 11は、今年3月に開催された大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたロードスポーツモデルです。4月の正式発表で発売日が9月29日とアナウンスされました。これまで、Hondaのホームページ上ではさまざまなスペシャルコンテンツでHAWK 11の魅力が紹介されました。今回はユーザーを代表するカタチで下川原リサさんと、実際に開発に携わった開発責任者代行の吉田昌弘さんがゲスト出演。司会は、ホンダモーターサイクルジャパンの山中佐都紀(さつき)さん。山中さんは、自ら手を挙げて司会役に立候補されたとのことで、とても熱い3名によるトークステージになりました。

 下川原さんがHAWK 11を初めて見たのは東京モーターサイクルショー。

「なんて格好いいバイクなんだ」と一目ぼれ。テレビ番組「MOTORISE」のプロデューサーに、「何時になるか分かりませんが、報道試乗会の案内が来ましたら、私を試乗ライダーに選んでください」と懇願したエピソードを明かしてくれました。

左から、山中さん、下川原さん、吉田さん。
これが、大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたHAWK 11。東京、名古屋のショーでも大きな注目を集めました。


 そして、報道試乗会で下川原さんは念願の試乗ライダーに抜擢されました。

「とにかくドキドキしっぱなしでした。見て、触って、またがって、乗ってみて、まるで恋をしているようでした」

 目を細めて聞いていた吉田さんは、「このバイクは、ターゲットユーザーを40代から50代のベテランライダーをイメージしていました。休日の午前中に例えば埼玉県の朝霞から秩父までの半日ツーリングで思いっきり楽しむような。若い女性にこんなに気に入ってもらえるとは思ってもみなかったので嬉しいですね」

 下川原さんのHAWK 11が納車されたのは10月の事。

「私にとってHAWK 11とは、憧れの女性ライダーが格好良く乗りこなしているバイクなんです。それに少しでも近づいていきたい。街中を走っていると特に女性から声を掛けられることが多くなりました。カッコいいバイクですねと」

こちらが報道試乗会で満悦な表情の下川原さん。
奥多摩ツーリングで撮影した愛車自慢の映像を見ながら、HAWK 11の誕生の背景や心憎いまでの造り込みに話が進みました。


 HAWK 11の開発は、研究所メンバーの提案がきっかけでした。アドベンチャーモデルのアフリカツインのエンジンでワインディングを楽しめるオンロードスポーツモデルを造りたいという、ちょっと不可能と思えるけど想像するとワクワクするものでした。

 吉田さん達の開発チームは、アーキテクチャーシリーズプロジェクトという手法を活用することになります。既存の車体を活用しながら全く違うカテゴリーの派生機種を造り上げる事。もちろん、市場性や設定台数も考慮した価格設定も重要です。

 吉田さんから苦労した話はあまり出ませんでしたが、車体構成を見ますと大変な苦労と試行錯誤があったに違いありません。開発チームのベクトルが明確であり、そして最後までブレなかったことがHAWK 11の完成につながったことは疑いようがありません。

「ロケットカウルは、あくまでも一体成型のFRPにこだわりました。少量生産も可能です。仮にABS樹脂で造ると6分割くらいになってしまい、継ぎ目が見えてしまうのです」と、吉田さんが開発チームのこだわりを説明してくれました。

 下川原さんは、カウルの表面はもとより内側のFRPならではの手作り感もお気に入り。そしてバックミラーは、カウルステーから曲線を描くステーで成立させたアイデア勝負でした。バーエンドミラーの案やカウルに取り付ける案などもありましたが、ロケットカウルをより美しく見せながら、しかも後方視界が良好な欲張ったHAWK 11ならではのバックミラーが完成しました。使い勝手の良さには、下川原さんも二重丸でした。

 オーナーとなった下川原さんと造り手の吉田さんの会話は、走り味に移りました。

 270度クランク採用の直列2気筒エンジンは、開発チームの狙い通りに低回転から高回転まで鼓動感を味わいながら楽しめる特性に仕上げることができました。

 車体は、あのアフリカツインのフレームをベースにしたとは思えない低く構えたカフェレーサースタイルを実現しています。

 下川原さんは、「見た目よりもリラックスできるポジションなので、買い物で近所をくるっと回る程度でも扱いやすいし、長い距離を走っても疲れない」と、普段使いでも億劫にならない点が大のお気に入りのようです。

オーナーとなった下川原さんと造り手の吉田さんのトーク。
創った吉田さん、買った下川原さん、売った山中さんの3名。


 Hondaの基本理念に”三つの喜び”があります。「買う喜び」「売る喜び」「創る喜び」ですが、今回のトークショーに出演した3名は、まさしく三つの喜びを体現した人たちでした。この組み合わせのトークショーはとても希少です。開発者が直に語るトークショーは、ネット上では得られない世界観を共有できました。

 HAWK 11は、思い切ったスタイリングですから、好き嫌いが分かれるバイクだと思います。私にとっては遠い存在でしたが、今回のトークショーのために来場した二輪ファンと一緒に聞いていますと、いつの間にかHAWK 11に興味を持つライダーになっていました。

(レポート 高山正之)







2022/12/05掲載