全日本モトクロス選手権 開幕戦
全日本モトクロスが開幕、九州は初夏を思わす陽気で開幕にふさわしい絶好のレース日和となりました。HSR九州は、阿蘇山系特有の火山灰由来の黒土のコースですが、開幕に合わせて山砂を大量に搬入しメンテナンスされました。
昨年のチャンピオン山本鯨が引退し、王者不在のIA1クラスは、ヤマハファクトリーの富田俊樹(#2)がホールショット。2番手のカワサキファクトリーチーム能塚智寛(#3)とトップを入れ替えながら激しいバトルとなり、能塚がトップに立つも転倒し6番手に後退。2番手にヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#4)、3番手には昨年のIA2クラスチャンピオンでIA1クラスにスイッチした大城魁之輔(#22)。大城は前日の予選では一時はトップに立つなどIA1クラスの初レースとは思えない積極的な走りでアピール。富田、渡辺、大城の3台は少しつづ間隔をあけて周回。3人の距離は次第に離れ、富田がリードを広げて優勝! 2位渡辺、3位に大城。
ヒート2で好スタートを決めたのはカワサキに乗る内田篤基(#25)。IA1クラス初挑戦の内田は後続を引き離すも、能塚が追い上げ5周目に内田をパス、続いて富田も内田をパスして2番手に。さらに後方には小方誠(#5)と大倉由揮(#23)。トップ争いはヒート1同様に富田と能塚の戦いになったが、冨田が前に出ると一気に差を広げ、開幕両ヒートを制覇。能塚は2位。3位争いは小方と大倉、渡辺となったが、小方を狙っていた大倉が遅れ、小方、渡辺、大倉の順でチェッカー!
IA2クラスには、昨年の最終戦SUGOでスポット参戦したオーストラリア出身のジェイ・ウィルソン(#16)が今季はフル参戦。タイトル獲得に加え、ヤマハ若手ライダーの育成という重要な任務をもって参戦。今回のIA2クラスは3ヒート制が導入され、通常30分+1周のレースが、半分の15分+1周の3レースで戦われ、3ヒートともに1周目でウィルソンがトップに立ち開幕3連勝をかざりました。
ヒート1、ホールショットの小川孝平(#17)ですが1ラップ目にウィルソン(#16)がトップに。追いかける小川ですが、ウィルソンが逃げ切り、若手の中島漱也(#5)が最後には小川に迫る走りを見せ3位に。
ヒート2、小川の好スタートが光ったが、1ラップを終えてトップで戻ってきたのはウィルソン。その後2番手の小川はミスしてウィルソンと離れてしまう。後方に柳瀬大河(#10)、中島の若手同士の争い。最終ラップに柳瀬が転倒して中島が2位に滑り込んだ。
ヒート3は福村鎌(れん)(#18)がいいスタートを切ったが、すぐにウィルソンがトップに。中島が追従したものの6周目に小川が中島を抜き、鈴村英喜(えいき)(#9)が加わって3台の2番手争いに。小川、中島が順位をまもってゴール。
IA2クラスは、3連勝したウィルソンのほか、2位小川、3位中島と、全ヒート同じ顔ぶれの表彰台となりました。
レディスクラスはチャンピオン川井真央(まなか)(#1)とチームメイトの小野彩葉(いろは)(#4)が、1周目から順位を入れ替えながらの激しいトップ争いを展開。2周め中盤に川井が転倒し8番手まで下がってしまい、小野は3周目以降リードを拡大。2番手久保まな(#3)、3番手は楠本菜月(#5)と単独走行。15分+1周のレース、小野は後続に10秒以上のアドバンテージを築き、悲願の初優勝! 2位久保、3位楠本の順にチェッカー受け、川井は2度の転倒により11位まで順位を下げますが猛烈な追い上げて4位でゴール。
(撮影・レポート:楠堂亜希)