唯一無二の3気筒2Q
125ccベースでスタートしたカワサキの2Qだが、ロータリーディスクバルブの250cc新エンジンを開発し、250A1に搭載し本格的に2Q戦線に参入した。250A1は、レーサーに匹敵するといわれた快速で、特に海外で高い評価を受けた。その後、1969年に登場したマッハⅢの好評を受けて3気筒エンジンは350、750とシリーズ化されたのだが、世界初となる空冷250ccの3気筒エンジンの開発は難航、シリーズ最後の1972年に欧州と国内で発売された。以後マイナーチェンジを繰り返しつつ、750、500が消えた後も1980年代初頭まで独特のサウンドと白煙をなびかせ走り続けた。
Kawasaki 250SS(S1)
世界初の空冷2ストローク250cc3気筒エンジンを搭載した250SSは、シリーズ最後に登場。国内では1972年2月から発売を開始した。車体の基本構成は兄貴分の350と共通。「うしろまで気を配った」とのキャッチコピーのとおり、極小のリアフェンダーや、左右非対称のマフラーなどスポーティさを演出して斬新であった。欧州向け輸出仕様にはロングリアフェンダー、フラットバーハンドル仕様も存在する。
Kawasaki 250SS(S1A)
S1よりもパワーが若干落とされ、タンクやリアフェンダー形状なども変更されたS1Aは、北米にも輸出を開始した。このS1Aは輸出仕様のみで、国内では発売されなかった。
Kawasaki 250SS(S1B)
400へのモデルチェンジに合わせ250も400SS系ベースに変更。各部剛性がアップしたが、オイルショックによるガソリンの高騰や公害問題もあって最高出力はダウン。グラフィックは400と共通化されたが、車体色は250専用のキャンディグリーンのみ。
Kawasaki KH250(B1)
フロントブレーキは油圧ディスクになり、タンクキャップもキー付になるなどアップグレードして、SSからKHへとモデルチェンジ。車体の基本構成はSS時代と同様400と共通だが、エンジンはヘッド、フィン、クランクケース形状などが異なり、シートはモールが付かないなど400との細かい差別化も行われた。価格は270000円に。北米向けにはフロントドラムブレーキ仕様の廉価版KH250(A5)も存在する。
Kawasaki KH250(B3)
マスターシリンダのキャップがネジ止めになるなど細部を変更。車体色はキャンディライムグリーン、キャンディコバルトブルーとなり、久々に2色ラインアップが復活した。価格は1万円アップし280000円に。
Kawasaki KH250(B4)
長らく400と共通グラフィックであったが、このB4は250専用の新グラフィックを採用。タンクのカワサキロゴも小文字に変更された。車体色はキャンディライムグリーン、キャンディパーシモンレッドの2色で、輸出仕様はクラシックホワイトも存在した。価格は280000円。
Kawasaki KH250(B5)
KH250の最終型は、再び400と共通のライムグリーン1色のみに。クランクケースカバーに入ったカワサキロゴは小文字になり、シートのベース部分にもライムグリーンのラインが追加された。KHシリーズではKH250が最終型まで主に欧州向けに輸出された。価格は283000円にアップ。
[青春の2Q その5 SUZUKI空冷編-1|その6 Kawasaki空冷編-2|その7YAMAHA 水冷編-1]