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長島哲太曰く「バイク人生は、意外とあっという間です。気を抜かず、一戦一戦を大切にしてほしい」

 MiniGP第2戦が埼玉県・桶川スポーツランドで開催された。決勝前日は強い雨が降り続いたが、決勝当日は曇り空に。午前中に予選が行われ、レース1のグリッドを決める予選1回目では、#2吉村錬太朗が41秒765を記録しポールポジション(PP)を獲得。続く予選2回目(レース2のグリッドを決定するアタック)では、#7吉原寅之介のマシンにトラブルが発生。残り5分でコース復帰し、2番手タイムを記録。トップタイムは再び吉村が記録し、唯一の41秒台をマークしてダブルPPを手にした。

■RACE 1
 15周で争われたレース1。スタート直前、#13若松 汐のマシンにトラブルが発生し、スタートディレイとなる。仕切り直しのスタートで、2列目から抜群のスタートダッシュを決めてホールショットを奪ったのは#7吉原。#2吉村、#3田中楓人、#10市川速人が続き、トップ集団を形成する。

 トップを走る#7吉原と#2吉村が激しいバトルを展開し、二人はペースを上げていく。3番手争いは#3田中と#10市川、さらに#5蘇 勇太が追いつき三つ巴に。この争いの中で#3田中がファステストラップを記録し、トップ争いにも迫る。

 最終ラップ、3コーナーで#7吉原が#2吉村のインを突いてトップに浮上。しかし4コーナーでは両者が並び、最終コーナーの立ち上がりでもサイド・バイ・サイドでゴールラインへ。わずか0.011秒差で#7吉原が勝利。#2吉村は惜しくも2位、#3田中が3位となった。


■RACE 2
 18周で争われたレース2は、#2吉村がホールショットを奪う。#3田中が3コーナーでインを突くが、クロスラインで再び吉村が首位をキープ。その直後を#7吉原がぴたりとマークする。トップ争いは#2吉村と#3田中の2人に絞られ、吉村がさらにペースを上げて田中との差を広げる。

 しかし7周目、7コーナーで吉村がアウトに膨らんだ隙を突いて#3田中がトップへ。14周目の3コーナーでは、吉村が再び仕掛けるもクロスラインで順位は変わらず。そこへ#7吉原が追いつき、トップ争いは3台となる。
 1コーナーで#3田中が膨らんだ隙を突き、#2吉村が再びトップに。ファイナルラップ突入直後、再び1コーナーでの攻防があったが、吉村が首位を死守。途中、転倒車によるイエローフラッグが振られたため追い越し禁止となり、順位は変わらずフィニッシュ。吉村が初優勝を飾り、2位に#3田中、3位に#7吉原が入った。


■コメント
レース1=優勝・レース2=3位 #07吉原寅之介
「優勝できたのは、家族やチーム代表の尾野監督、トラブルをすぐに直してくれたメカニックの方々、アドバイザーの皆さん、そして応援してくれた皆様のおかげです。ありがとうございました。レース2では序盤にタイヤと体力を使いすぎてしまい、後半に勝負できず苦しかったです。次の筑波では、なるべく多くのポイントを獲れるように頑張ります」

レース1=2位・レース2=優勝 #02吉村錬太朗
「両レースでポールを取れたので、ダブルウィンを目指していたんですけど、レース1はギリギリで勝てずとても悔しかったです。レース2では、序盤はリードしていたんですが、8コーナーでミスしてバイクが大きく暴れて2番手に落ちました。でも、それを挽回できて良かったです。トップ争いができて、ライバルの走りを見ることができたのは収穫でした」

レース1=3位・レース2=2位 #03田中楓人
「レース1は市川選手を抜いて巻き返せたけど、トップ2に追いついた時には終盤で、勝負できずに悔しかったです。レース2は吉村選手の8コーナーでのミスで前に出られたんですが、僕も1コーナーでミスしてしまって……。最後も1コーナーで勝負したけど、インにつきすぎてフロントが厳しくなって、ステップも当たって……。追いつくことはできたけど、抜くところまではいけず、悔しいレースでした」

 レース後、アドバイザー陣からは「レベルの高いレースだった」との評価があった。リザルトを見ると、タイム差が非常に小さく、誰が勝ってもおかしくない熱戦であったことが分かる。

 長島哲太アドバイザー
「昨年ワールドシリーズを見に行った印象からすると、正直まだまだ足りない部分が多いです。ラップタイムもそうですが、レース展開も含めて。バトル自体はすごく面白かったけれど、もっと駆け引きやペースの上げ方、予選での一発タイムも含め、ヨーロッパのライダーは“自分たちがベスト”と思ったあたりからさらに上げてきます。ファイナルでは『こんなに速くなるのか?』というくらい成長してくる。今の成長速度では、正直まだまだ厳しい部分がある。

聞いたアドバイスをどう実践するかが非常に重要です。『速くなりたいから、その方法を知りたい』という意識で聞かないと、すぐに頭打ちになります。普段の練習から、何をすべきかをしっかり考えて取り組んでほしい。

現状グランプリではピレリタイヤに変わって、走りがかなり変わってきています。バイクを扱う技術がより必要になっていますし、スピードも上がっている。もっと、バイクを“おもちゃのように”自在に扱えるスキルを身につけてほしい。攻めて、攻めて、攻めている状態でバイクがどう挙動するのかを理解し、それにどう対応することを真剣に考えないと、ヨーロッパとの距離は広がる一方です。

後悔が残らないように、自分で“やりきった”と思えるようにレースに臨んでください。バイク人生は、意外とあっという間です。気を抜かず、一戦一戦を大切にしてほしい」

 次戦(第3戦)は6月29日、筑波サーキットコース1000で開催予定。

MiniGP
https://www.minigp.jp/
https://www.youtube.com/watch?v=mGxn_yGE0h4(YouTube)

(文・佐藤洋美、写真:赤松 孝)







2025/06/16掲載