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バイクシェアをするアプリ『レッツラゴー』がスタート

バイクのシェアリングサービスのマッチングをより簡単にできるという『Let’s・ラ・Go(レッツラゴー)』というアプリのサービスが始まっている。「自分のバイクを貸す? そんなのありえない」と最初から拒絶するライダーも多いだろうが、実はこのアプリ、他の見方をすれば我々にメリットがある今までにない新たなサービスとなるかもしれない。

普及拡大するか? そのカギを握るのは……?

『レッツラゴー』は「個人間バイクシェア」というバイクのシェアリングサービスのためのアプリである。このバイクシェアは、他のさまざまなシェアリングサービスと同じように、自分の所有バイクの“使用していない時間”を活用して希望者に貸したり、気になっているバイクを見つけて借りて乗ったりする、いわゆるシェアをするためのマッチングアプリ。ガレージで眠っているバイクの活用と、乗りたいと思っていたもののその機会もないまま絶版車となり入手不可能となってしまったバイクをつかの間楽しむことができるチャンスができるということになる。

 レッツラゴーの具体的な概要としては、バイクを貸す側は車両登録をし、借りたい側は車種や貸し出しの地域を確認し、乗りたいバイクを見つけたら、アプリのチャット機能で登録者と連絡を取り合い、使用期間、車両の引き取り場所と返還場所などの詳細を詰めていくことになる。貸出期間や金額は当事者同士で決めるというのも特徴の一つ。

 それで合意したら、クレジット決済で費用を前払いして準備完了となる。この利用の契約が成立した時点でレッツラゴーのアプリ利用料金が発生するが、それ以外の登録料も月額使用料も無料。両者で決めた貸出金額からレッツラゴーアプリの手数料を差し引いた金額が貸し出しを行った登録者の取り分となる。

 アプリ利用者は個人情報の登録が必須。また。このアプリでは独自の掛け捨てタイプのバイク保険(対人対物賠償無制限、人身傷害補償3000万円、搭乗者傷害特約500万円など充実の補償)が自動的に付与されるので、シェア中のバイクは、オーナーが入れているバイク保険は使用しないこととなる。登録するバイクは12か月点検が必須となっており、車両状態もある程度は担保される。

個人間だけでなく? バイクショップにとってもメリットがある?

 レッツラゴーは、個人間のシェアリングサービスのマッチングだけではなく、バイクショップの車両もシェアができる。個人のバイク登録はひとり2台までだが、バイクショップの場合1ショップ6台まで登録が可能。レッツラゴーでは現在全国約1700拠点のオートバイ協同組合連合会(AJ)の店舗をはじめとする登録店舗でのバイクの貸し出しも可能となっている。

 試乗車を用意することのあるバイクショップにとっては、試乗車は契約に結びつかなければ利益を生まない車両となっているだろうが、これをシェアバイクに登録をすれば、試乗以上の走行体験をしたいユーザーに有料で貸し出しができるのはもちろん、試乗とは異なる『乗ってみたい』を叶える手段としての利用もできそうだ。最初から個人情報が登録されており、価格設定も当事者同士で決められるので、通常の試乗にも使用できるシステムとなる。さらにユーザーが気に入れば中古車としての販売もできる、というメリットがある。借りる側にとっては、ショップの雰囲気もわかり、そのやり取りを通じて新たなつながりが持てる可能性もあり、ショップとしては貸し出しだけではなく、新たな顧客との接点としても利用ができるのではないか、という。

 個人での貸し出しはもちろんだが、他のメリットにも目を向けると、このサービスもアリなのかもしれない。ちなみにバイクのシェアだけでなく、掲示板内でメッセージのやり取りをして、一緒にツーリングに行こうと誘い合ったり、イベントの声がけなど、ライダーのコミュニティを楽しむこともできる。

 ライフステージの変化などでバイクを所有すること自体が厳しくなってしまうこともあるだろう。手放してしまうと二度と乗れなくなってしまう恐れもある。バイクを処分せずに何とか維持していくためにお小遣い稼ぎ的に使うのもアリだ。逆に手放してバイクを降りてしまった人にとっては、バイク自体がすごく高騰している昨今、中途半端な気持ちではライダー復帰も難しい。リターンするための第一歩として使用するのもありだろう。このバイクのミスマッチを解消できるのこのアプリ、今後大きく化ける可能性もありそうだ。

Let’s・ラ・Go(レッツラゴー) 
https://letsrago.jp/

(文・青山義明)







2025/05/21掲載