Facebookページ
Twitter
Youtube

THE444

青春のエアクールドセレナーデ THE444・空冷編 Vol.2 YAMAHA・SUZUKI
THE444・空冷編 Vol.2 YAMAHA・SUZUKI

ヤマハらしいスリム、コンパクトな444

1980年6月 XJ400(4G0)
XJ400 クリスタルシルバー 
XJ400 クリスタルシルバー 

ヨンフォアが生産中止となった後、カワサキZ400FXの独壇場であった444戦線に、ヤマハが満を持して送り込んだのがヤマハ初の444となるXJ400であった。新設計4気筒エンジンはDOHC2バルブ。背面ジェネレータの採用によりエンジン幅は2気筒並みと言われる424.5mmとスリムになった。さらに乾燥重量も2気筒並で、大きさや、重ささえもウリになっていたFXとは対照的に軽量、スリム、コンパクトを信条としたヤマハらしい444となった。後発モデルだけに、フロントダブルディスクブレーキ、燃料計、電圧計も付いたメーターなどFXを凌ぐ装備とスペックで、1980年6月に発売が開始されると、翌年は2万台弱が登録されベストセラーを獲得した。
 1981年には燃費が向上したYICS付きのニューエンジンを搭載。外観上の変更はディスクブレーキにスリットが入った程度であった。このニューエンジンを搭載した4本出しマフラー仕様のXJ400Dもラインアップに加わった。以降は水冷エンジンのXJ400Zにスイッチするが、ネイキッドブームの1991年には新設計の空冷4気筒エンジンを搭載した新世代の空冷444となるディバージョンが再び登場。1993年にはスポーツマインドを前面に押し出したXJR400シリーズへと進化し、ヤマハ空冷444は2000年代まで足跡を残していく。

XJ400 ニューヤマハブラック
XJ400 ニューヤマハブラック
XJ400 ブリリアンレッド
XJ400 ブリリアンレッド
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程):398cc(51×48.8㎜)●最高出力:45ps/10000rpm●最大トルク:3.5㎏-m/8000rpm●圧縮比:9.5●変速機:6速リターン●全長×全幅×全高:2060×760×1130㎜●軸距離:1405㎜●乾燥重量:176㎏●燃料タンク容量:16L●タイヤ前・後:3.00S19-4PR・110/90-18 61S ●車体色:ブリリアンレッド、ニューヤマハブラック、クリスタルシルバー ●発売当時価格:410000円

YICSエンジンを搭載

1981年4月 XJ400(5M8)

混合気をスワール(渦巻き)状にして燃焼効率を向上させるYICS(YAMAHA・INDUCTION・CONTROL・SYSTEM)を新たに追加装備したニューエンジンとなり、燃費が42km/Lから52km/Lへと大幅に向上したほか、ブレーキディスクにスリットが入った。グラフィックに変更はないが、車体色はレッドが廃止となってニューヤマハブラックとクリスタルシルバーの2色に。燃費以外の主要諸元に変更はないが、価格は21000円アップの432000円に。

XJ400 ニューヤマハブラック
XJ400 ニューヤマハブラック
XJ400 クリスタルシルバー
XJ400 クリスタルシルバー

重厚なイメージの4本出しマフラー

1981年5月 XJ400D(5M9) 

YICSを追加した2型をベースに、4本出しマフラー、ブラックエンジンで登場したバリエーションモデル。エア併用のフロントフォークや、ダンパー調整付きリアサス、角型バックミラーやグラフィックもスタンダードモデルと異なるD専用の装備。同エンジンを搭載したアメリカンモデルのXJ400スペシャルもラインアップされた。

XJ400D クリスタルシルバー
XJ400D クリスタルシルバー
XJ400D ニューヤマハブラック
XJ400D ニューヤマハブラック
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程):398cc(51×48.8㎜)●最高出力:45ps/10000rpm●最大トルク:3.5㎏-m/8000rpm●圧縮比:9.5●変速機:6速リターン●全長×全幅×全高:2060×760×1130㎜●軸距離:1405㎜●乾燥重量:180㎏●燃料タンク容量:16L●タイヤ前・後:3.00S19-4PR・110/90-18 61S ●車体色:クリスタルシルバー、ニューヤマハブラック ●発売当時価格:452000円

特別色のYSP仕様

1982年6月  XJ400DLimited Version(5M8)・XJ400 YSP Limited Version(5M9)

XJ400とXJ400Dをベースにマルチカラーと呼ばれた専用色を施したYSP店限定車を発売。XJ400はホワイト×マキシムレッドのみ(447000円)、XJ400Dにはホワイト×マキシムレッドとホワイト×ニューミッドナイトブルー2色(467000円)が用意された。装備、諸元等に変更はない。

XJ400D YSP Limited Version ホワイト×マキシムレッド
XJ400D YSP Limited Version ホワイト×マキシムレッド
XJ400D YSP Limited Version ホワイト×ニューミッドナイトブルー
XJ400D YSP Limited Version ホワイト×ニューミッドナイトブルー
THE444・空冷編 Vol.2 YAMAHA・SUZUKI

444初の4バルブエンジン登場

1981年4月 GSX400F

まずは1980年、当時の西ドイツで開催されたケルンショーでプロトタイプが発表された。プロトタイプはスポークホイール、4into1マフラー、ダブルで装着したANDFというスタイルであった。
 翌年4月、444としては国内4メーカー最後の登場となったGSX400Fは、星形キャストホイール、2本出しマフラー、シングルのANDFなどプロトタイプとは異なる装備で誕生したが、先行した2気筒のGSX400Eとは異なる、曲線主体の流れるようなスタイリングはほぼ継承されていた。最高出力は先発のXJと同じ45馬力ながら、2つのスワールを起こし理想的な燃焼状態を生み出すTSCC(TWIN・SWIRL・COMBUSTION・CHAMBER)を採用し、444としては初の4バルブエンジンで登場し、軽量なXJより1kg軽い重量に、その後大流行するアンチノーズダイブシステムのANDFやトリプルディスクなどの豪華装備で注目のニューモデルとなった。
 しかし10月の東京モーターショーでCBX400Fが発表されると注目が集まり、やや影の薄いモデルとなってしまった。商品力アップのため1982年3月年にはANDFやホーンをダブルで装着した2型となり、カラーリングもツートーンでレーシー気分を演出したが、CBX旋風に太刀打ちすることは適わなかった。

GSX400F スターダストシルバーメタリック
GSX400F スターダストシルバーメタリック
GSX400F パールブラック
GSX400F パールブラック
GSX400F マーブルピュアーレッド
GSX400F マーブルピュアーレッド
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):398cc(53×45.2㎜)●最高出力:45ps/10000rpm●最大トルク:3.5㎏-m/8500rpm●圧縮比:10.5●変速機:6速リターン●全長×全幅×全高:2105×750×1140㎜●軸距離:1415㎜●乾燥重量:175㎏●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:3.25S19-4PR・3.75S18-4PR ●車体色:スターダストシルバーメタリック、マーブルピュアーレッド、パールブラック ●発売当時価格:430000円

ANDFをダブルに増設

1982年3月 GSX400FⅡ 

ANDFやホーンをダブルに増設。車体色もブルー×ホワイトツートンとレッド×ホワイトツートンの2色に。主要諸元に変更はないが価格は18000円アップの443000円に。

GSX400FⅡ ブルー×ホワイトツートン
GSX400FⅡ ブルー×ホワイトツートン
GSX400FⅡ レッド×ホワイトツートン
GSX400FⅡ レッド×ホワイトツートン

スペシャルバージョンで有終の美を飾る

1982年6月 GSX400FSインパルス

留まるところを知らないCBXの人気に、一矢報いるべく6月23日に投入されたバリエーションモデルがGSX400FSインパルス。外装変更や装備の追加だけではなく、わざわざストロークを01.mmアップして399.8cc化し、大径キャブレター、4into1の集合マフラーなどにより3馬力アップも果たしている。また、角型断面スイングアームやジュラルミンパーツにより軽量化も行われており、シングルシート風シートや、リモコン操作によって左右同時に減衰力調整が可能なRCDFリアショックなども採用され、スズキ空冷444の有終の美を飾った。

GSX400FSインパルス スペースブラック×キャンディージプシーレッド
GSX400FSインパルス スペースブラック×キャンディージプシーレッド
GSX400FSインパルス マーブルカナディアンブルー×パールシャイニーホワイト
GSX400FSインパルス マーブルカナディアンブルー×パールシャイニーホワイト
GSX400FSインパルス キャンディーパールレッド×パールシャイニーホワイト
GSX400FSインパルス キャンディーパールレッド×パールシャイニーホワイト
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(53×45.3㎜)●最高出力:48ps/10500rpm●最大トルク:3.5㎏-m/8500rpm●圧縮比:10.7●変速機:6速リターン●全長×全幅×全高:2105×725×1130㎜●軸距離:1415㎜●乾燥重量:171㎏●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:3.25S19-4PR・3.75S18-4PR ●車体色:スペースブラック×キャンディージプシーレッド、マーブルカナディアンブルー×パールシャイニーホワイト、キャンディーパールレッド×パールシャイニーホワイト ●発売当時価格:493000円

[THE444・空冷編その1 HONDA編 |その2 YAMAHA・SUZUKI編 |その3 Kawasaki編]

2016/08/02掲載