444のトップバッター登場
1972年6月 CB350FOUR
750、500に続き4気筒エンジンCB-FOURシリーズの第3弾は、コンパクトな350で登場した。10000回転までスムーズに回るハイメカニズムな最小の4気筒車は、大きな話題になったものの、免許区分が大型と小型の2区分の時代でもあり、インパクトのありすぎたナナハンの影に隠れてしまい、また500との価格差も1万円弱で、「静」をイメージした大人しめなデザインも影響してか、海外での営業面で苦戦を強いられてしまった。
●エンジン︰空冷4ストローク4気筒SOHC2バルブ ●総排気量︰347cc ●内径×行程︰47×50mm ●最高出力︰34PS/9500rpm ●最大トルク︰2.79kg-m/8000rpm ●変速機︰5段リターン ●全長×全幅×全高︰2070×780×1090mm ●軸距離︰1355mm ●燃料タンク容量︰12ℓ ●車両重量︰184kg ●タイヤ前・後︰3.00-18 4PR・3.50-18 4PR ●車体色:カスタムシルバーメタリック、フレークマタドールレッド、キャンディバッカスオリーブグリーン ●発売当時価格︰265000円
時代に翻弄された悲劇の名車
1974年12月 CB400FOUR
CB350FOURのテコ入れとして、ボアアップにより排気量を408ccまで拡大してパワーアップし、カフェスタイルへと外装を一新し誕生したのがご存じ通称ヨンフォア。流れるようなスタイリングは今日でも人気が高い。408ccで誕生したものの、1975年10月に免許区分が改正されたため、中型対応として、急遽ストロークダウンにより398ccとしたCB400FOUR-Ⅰ(コンチハンドル)とCB400FOUR-Ⅱ(セミアップハンドル)の2タイプが1976年3月に追加された。中型クラスでは唯一の4気筒車であり人気は高かったものの、部品点数の多い4気筒車で、なおかつ国内専用の398ccと、主に輸出用408ccの2本立ての生産ではコスト増は免れず、作れば作るほど赤字とさえ言われ、惜しむ声は多かったもののわずか2年ほどで2気筒のホークシリーズへとバトンを渡した。
●エンジン︰空冷4ストローク4気筒SOHC2バルブ ●総排気量︰408cc ●内径×行程︰51×50mm ●最高出力︰37PS/8500rpm ●最大トルク︰3.2kg-m/7500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰2050×705×1040mm ●軸距離︰1355mm ●燃料タンク容量︰14ℓ ●乾燥重量︰170kg ●タイヤ前・後︰3.00S18・3.50S18 ●車体色:ライトルビーレッド、パラキートイエロー ●発売当時価格︰327000円
●エンジン︰空冷4ストローク4気筒SOHC2バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰51×48.8mm ●最高出力︰36PS/8500rpm ●最大トルク︰3.1kg-m/7500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰2050×780×1080mm ●軸距離︰1355mm ●燃料タンク容量︰14ℓ ●乾燥重量︰170kg ●タイヤ前・後︰3.00S18・3.50S18 ●車体色:ライトルビーレッド、パラキートイエロー ●発売当時価格︰327000円 ※諸元はCB400FOUR-Ⅱ
仕切り直しの第二世代は満塁ホームラン
1981年11月 CBX400F
ヨンフォア亡き後、沈黙を守り続けたホンダが1981年の東京モーターショーで発表したニューモデルがCBX400Fだった。コンパクトにまとめられたボディに、クラス最強の4気筒エンジンを搭載。インボードディスク、TRAC、プロリンク、オイルクーラー(当時はオイルリザーバータンクと呼ばれていた)など最新の装備を満載し満を持しての登場で、発表と同時に予約が殺到する大ヒット作となった。1982年にパールホワイト×キャンディブルーが追加されている。今日でもヨンフォアに負けない高い人気を誇り、新車当時よりも高価な価格で中古車が流通しているのはご存じの通り。
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:48ps/11000rpm●最大トルク:3.4㎏-m/9000rpm●圧縮比:9.8●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2060×720×1080㎜●軸距離:1380㎜●乾燥重量:173㎏●燃料タンク容量:17L●タイヤ前・後:3.60H18-4PR・4.10H18-4PR 車体色:パールホワイト×キャンディレッド、モンツァレッド 発売当時価格︰485000(モンツァレッドは470000)円
初のカウル付きバイク誕生
1982年7月 CBX400F INTEGRA
CBX400Fに認可されたばかりのカウル(当時フェアリングと呼ばれた)を取り付けたインテグラ。ただの後付けカウル車と思われそうだが、ハンドル角度によって制御されるオートウインカーキャンセラーも初めて装備されていた。
CBX400F INTEGRA パールホワイト×キャンディレッド
CBX400F INTEGRA パールホワイト×キャンディブルー
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:48ps/11000rpm●最大トルク:3.4㎏-m/9000rpm●圧縮比:9.8●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2060×720×1275㎜●軸距離:1380㎜●乾燥重量:180㎏●燃料タンク容量:17L●タイヤ前・後:3.60H18-4PR・4.10H18-4PR●車体色:パールホワイト×キャンディレッド、パールホワイト×キャンディブルー 発売当時価格︰549000円
人気により復刻
1984年9月 CBX400F
後継モデルであるCBR400Fが発売されても、CBX400Fの人気は衰えることがなく、1984年9月にカラーリングを変更して復活販売された。主要諸元、価格に変更はない。
CBX400F ブラック×キャンディアラモアナレッド
CBX400F キャンディアラモアナレッド×パールシェルホワイトー
可変バルブエンジンでフルモデルチェンジ
1983年12月 CBR400F
CBXで大ヒットを飛ばしたホンダであったが、激動の1980年代はライバル勢も次々にニューモデルを投入、今からは考えられないあっという間のフルモデルチェンジ、新車ラッシュであった。400クラスもすでに水冷エンジン時代へ突入していたのだが、水冷はV4にまかせ、あえて空冷のまま1983年にCBXのフルモデルチェンジ版CBRが誕生した。レース人気の高まりを反映してF3レーサーを意識したようなレーシーなスタイリングで、フレームはスチールながら角型となった。エンジンはCBXをベースとしながらも、低回転域では2バルブ、高回転域では4バルブに変化する可変バルブシステムREVを搭載、58馬力へとパワーアップしながら、日常的な街乗りでの乗りやすさも兼ね備えていた。
カウル付を追加
1984年5月 CBR400F ENDURANCE
F3レーサーをイメージさせるデザインのCBRに、カウルが装着されたエンデュランスが加わった。カウル付きの第一作となったCBX400Fインテグラは後付感が否めなかったが、こちらは最初からカウル付きでデザインされていたようにしっくりと似合っていた。F-3とロゴの入ったアンダーカウル付きもラインアップされている。
CBR400F ENDURANCE シャスタホワイト
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:58ps/12300rpm●最大トルク:3.6㎏-m/11000rpm●圧縮比:9.6●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2035×720×1200㎜●軸距離:1390㎜●乾燥重量:183㎏●燃料タンク容量:18L●タイヤ前・後:100/90-16 54H・110/90-18 61H ●車体色:ブラック、シャスタホワイト ●発売当時価格︰598000円
CBR400Fエンデュランス特別仕様車(F-3) スターライトシルバーメタリック
CBR400Fエンデュランス特別仕様車(F-3) ファイティングレッド
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:58ps/12300rpm●最大トルク:3.6㎏-m/11000rpm●圧縮比:9.6●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2035×720×1200㎜●軸距離:1390㎜●乾燥重量:183㎏●燃料タンク容量:18L●タイヤ前・後:100/90-16 54H・110/90-18 61H ●車体色:スターライトシルバーメタリック、ファイティングレッド ●発売当時価格︰615000円
集合管などでマイナーチェンジ
1985年8月 CBR400F
3本タイプのニューキャストホイール、4into1の集合マフラーなどを装着してマイナーチェンジしながらも、価格は据え置き。
CBR400F シャスタホワイト×タンザナイトブルー
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:58ps/12300rpm●最大トルク:3.6㎏-m/11000rpm●圧縮比:9.6●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2035×720×1200㎜●軸距離:1390㎜●乾燥重量:183㎏●燃料タンク容量:18L●タイヤ前・後:100/90-16 54H・110/90-18 61H ●車体色:ブラック×モンツァレッド、シャスタホワイト×タンザナイトブルー ●発売当時価格︰539000円
エンデュランスも設定
1985年8月 CBR400F ENDURANCE
1985年モデルでもエンデュランスは設定されたが、フルカウルモデル(F-3)に代わり、シングルシート、ゼッケン付きリアカウル、直管拡散排気システム採用の集合管などを採用したよりレーシーなスタイリングのフォーミュラー3が登場した。
CBR400F ENDURANCE シャスタホワイト×タンザナイトブルー
CBR400F ENDURANCE ブラック×モンツァレッド
●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:58ps/12300rpm●最大トルク:3.6㎏-m/11000rpm●圧縮比:9.6●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2035×720×1200㎜●軸距離:1390㎜●乾燥重量:181㎏●燃料タンク容量:18L●タイヤ前・後:100/90-16 54H・110/90-18 61H ●車体色:ブラック×モンツァレッド、シャスタホワイト×タンザナイトブルー ●発売当時価格︰598000円
●エンジン型式:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):399cc(55×42㎜)●最高出力:58ps/12300rpm●最大トルク:3.6㎏-m/11000rpm●圧縮比:9.6●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2045×700×1200㎜●軸距離:1390㎜●乾燥重量:178㎏●燃料タンク容量:18L●タイヤ前・後:100/90-16 54H・110/90-18 61H ●車体色:シャスタホワイト×アリューシャンブルー ●発売当時価格︰615000円
[THE444・空冷編その1 HONDA編|THE444・空冷編その2 YAMAHA/SUZUKI編]