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荒川・鈴木巣立つ、プロライダーに育てるモトバムの2025年参戦体制

 
 全日本ロードレース選手権に参戦するモトバムレーシング(ホンダ)が「感謝の集い」を行い、来季の体制も発表した。

 ST1000クラスは今季ランキング9位の伊藤元治と同15位の松川泰宏が継続参戦。ST600クラスは同9位の青田魁、桜井賢一が参戦、新たにJ-GP3クラスに参戦していた徳田翔が加わることが発表された。

 レース関係者やライダーの悲報が続いた今シーズンだったことから会は黙祷で始まった。岡部信之監督の支援、応援に対しての感謝の言葉に続き、松川は「最終戦の転倒でケガをしてしまいチームに迷惑をかけてしまいました。現状、まだ、ケガは治ってはいませんが、シーズン開幕に向けて準備していきたい」と語った。伊藤は「初めてのST1000の挑戦で悩みながら成長出来た1年でした。来季も、皆さんと一緒に戦う気持ちで頑張りたい」と誓った。

 青田は「最低限の目標だったシングルゼッケンとなれ来季は赤ゼッケンで参戦します。オフシ-ズンを大事に過ごしたい」と抱負を述べた。桜井は「いろいろとありましたが、岡部監督と相談して参戦を決めました。日々トレーニングをして準備します。また、若手ふたりがいますので、育成にも力を注ぎたい」と語った。徳田は「チームを移籍して、初めてのチーム、初めてのST600なので応援よろしくお願いします」と挨拶した。

 ST1000ランク5位の荒川晃大、ST600ランク4位の鈴木光来は他チームに移籍する。モトバムを卒業するふたりの思い出の映像が流された。

 荒川は「一番の思い出は、ST600のチャンピオンを獲得できたこと。そして、そこから、ST1000に参戦できたことです。ST1000をやるのが難しいというところから、支援して下さる方がいて、モトバムのバッグアップで挑戦することが出来たことが嬉しく印象に残っています。10歳くらいからモトバムのお客さんだったので愛着がとても強いです。いつかは卒業の時が来るとは思っていましたが、やはり、とてもさみしいです。ですが、その時が来たのでモトバム出身の荒川としてしっかり活躍して恩返しがしたい」と語った。

 鈴木は「チームに入った1年目は人見知りでコミュニケーションがうまくできなかったのが、2年目には話せるようになり距離を縮めることが出来ました。お風呂もごはんも一緒、ライダーとは寝る時も一緒で本当の家族のような温かいチームで走ることが出来たことに感謝しています。印象に残るのは3位でしたがもてぎで表彰台に上がった時のこと、こんなに皆が喜んでくれるのだと嬉しかった。他のチームにいってもモトバムの名に恥じぬように長く走り続けられるライダーになりたい。モトバムで学んだことを忘れずに頑張ります」と誓った。

 岡部監督は「プロライダーに育てるのがモトバムなので、ふたりとも速くなってくれたと思います。本当は光来にもチャンピオンになってから卒業してほしかったが、移籍のタイミングもあり今年となりました。晃大はチャンピオンになり、表に出ることが多くなったことで、話をすることがとても上手になった。別人のようです。その点では、光来は、もうすこし頑張って自分の言葉で伝えられるようになってほしい。二人とも、大きく成長してくれ、真面目でスタッフを大事に考えてくれ、支援してくれる方々にも、いつも感謝を忘れない。その姿勢は移籍した後も変わらずにいてほしい」とエールを送った。

 岡部監督は「皆さんの支えで活動ができている。これからも変わらずに応援をしていただきたい」と述べた。来季は新体制となったモトバムの戦いが始まる。

(取材・文:佐藤洋美、写真:赤松 孝)







2024/12/10掲載