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世界一の負けず嫌いの男“フジガス”が語った電動トライアルマシンの世界!

藤波貴久選手、電動トライアルデビュー直前インタビュー
 10月11日(金)、ホンダ青山ビルにて藤波貴久選手と、電動トライアルマシンの開発責任者斉藤晶夫さん(本田技研工業)に、デビュー直前インタビューをする機会に恵まれました。

 藤波選手は、10月13日(日)に和歌山県で開催される全日本トライアル選手権第6戦にHonda初の競技用トライアルマシン「RTL ELECTRIC」をデビューさせます。

 電動トライアルマシンのポテンシャルと今後の動向について聞くことができました。


初めて触れたのは今年の5月でした

Q.藤波さんが初めてRTL ELECTRIC触れたのはいつ頃ですか

藤波:今年の5月に、朝霞(本田技研工業、HRCが所在)で初めて実車を見ました。その時は、実際に走行はできませんでしたが、パワー感があるのは実感できました。

藤波貴久選手(左)と開発責任者の斉藤晶夫さん。

Q.実際にトライアル走行ができたのはいつ、何処ですか

藤波:今年の6月後半に関西方面で乗り込みました。ファーストインプレッションとしては、パワー感はエンジン車以上でしたが、コントロール性能では、まだまだ4ストロークのワークスマシンには及ばなかった。乗り込める時間がたりなかったのも要因ですが。その後に何回かテストする度に、ポテンシャルも高まっていきました。

Q.電動トライアルマシンを開発をスタートしたのはいつ頃ですか

斉藤:詳しい時期は回答できませんが、数年前ですね。当時は、HRCのワークスマシンの燃料系の仕事をしていましたが、自分から手を挙げて開発に関わりました。


現時点のポテンシャルはワークスマシンの80%くらい

  

Q.現在の開発進捗状況は

藤波:エンジン車と違って、出力特性のセッティングはパソコンのマッピング調整でできますから、臨機応変に対応できます。自分がライダーとして上手く説明できるかが、重要になってきます。斉藤さんは、最近まで日本のトップカテゴリーの国際A級スーパークラスのライダーでしたから、意思疎通は上手くいっていると思います。

全日本大会のマインダーを務めるカルロス・バルネダさん。カルロスさんは、トニー・ボウ選手のマインダーを務めている凄い人です。

Q.現時点でエンジン車と比べると、どこまで近づいたのでしょう

藤波:自分が乗っていたワークスマシン「Montesa COTA 4RT」と比べると、80%、または70%くらいですね。ただ、100%を超える部分もあります。ゼロからのスタートの速さは抜群です。これからどんどん乗り込めば、その差は少なくなるはずです。

Q.開発チームが目指す目標は

斉藤:まだまだノウハウの蓄積が足りませんが、藤波さんという最高のテストライダーに恵まれていますから、HRCのワークスマシンを超えるのが目標です。そして、世界チャンピオンのボウ選手から「ぜひ乗ってみたい」と言われるように仕上げていきたい。


ゼッケン27は、初心を忘れないチャレンジの証


Q.今回、27番のゼッケンですが、どんな意味があるのですか

藤波:国際B級から国際A級に昇格した時のゼッケンが27。そして世界選手権に初挑戦した年も27番でした。今回は、21年ぶりに全日本選手権に出場しますから、初心と挑戦する姿勢を表しているんです。

Q.和歌山大会の次の菅生大会(10月27日開催)にも出場するわけですね

斉藤:そうです。そして、和歌山と菅生の結果次第では、最終戦のCity Trial Japan(11月3日 大阪市)にも出場できますから、ベストコンディションで臨みたいと思います。これからも、Hondaの電動トライアルの取組について応援をよろしくお願いします。

藤波貴久選手とRTL ELECTRIC。
2016年の全日本トライアル選手権で圧巻の走りを見せた斉藤晶夫選手。


 今シーズンの全日本トライアル選手権は、4ストローク、2ストローク、そして電動の3種類のパワーユニットで競われています。それぞれの特徴を間近に見られる貴重なシーズンですから、ぜひ大会現地でその魅力を堪能してください。

こちらはMFJの全日本トライアルのサイトです。
https://www.mfj.or.jp/motosports/trial/

 二人の話を聞いていると、これからの電動トライアルマシンの進展がとても楽しみです。コスト面での大きな課題がありますが、将来は、ワークスマシンだけでなく子供たちが手軽に操作できる電動トライアル車への夢も膨らむようです。

(レポート:高山正之)

2024/10/11掲載