全日本ロードレース選手権第2戦はモビリティリゾートもてぎで開催。開幕戦は四輪との併催でJSBクラスのみでしたが、第2戦は全クラスのレースが開催されました。ウィークは一度も雨に降られることなく、日曜は25℃を越える初夏の日和で昨年より150%増の13,000人がサーキットを訪れました。
■JSB1000クラス
JSB1000クラスは土日にわたり両日決勝が行われました。
土曜日の午前に40分間の計時予選が行われ、ヤマハファクトリーの#1中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がレコードブレイクの1分46秒447をマークしポールポジション。ドゥカティファクトリーマシンを駆る#3水野 涼(DUCATI Team KAGAYAMA)も1分46秒692で昨年のレコードタイムを更新します。またセカンドベストタイムは1,46.866の中須賀に対して1,46.777と水野が上回り、レース2は最高峰クラスでドゥカティが初のポールポジションを獲得。
土曜の午後に行われたレース1は15ラップ。スタート直前にトラブルでピットインした#32野左根航太(Astemo HondaDream SI Racing)が4番手から飛び出しホールショットを奪うが2ラップ目に入ったストレートで水野がトップに。中須賀も2番手に上がると水野の背後につけ、それに#2岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)が加わり後続を大きく引き離して3台でのトップ争いになります。レース終盤、中須賀が水野をパスするとラストスパート。水野も中須賀についていきますが仕掛けるまでには至らず中須賀が逃げ切って優勝。3位には岡本。「もてぎで過去イチ、ハイレベルなレースだった」と中須賀。
日曜に行われたレース2。朝から晴天で午後の気温は上昇、路面温度も上昇していきました。レースはスタート直後の転倒により中断。仕切り直しの20ラップでは中須賀がホールショットから岡本、野左根、#30長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、水野、#6津田拓也(utoRace Ube Racing Team)の順で1周目。ヤマハファクトリーの2台があたまひとつ抜け出して逃げの体勢でラップを重ねます。岡本は序盤中須賀より速いタイムで追いかけますが、中須賀はスキをみせず昨日のレースよりもハイペースで周回。長島、野左根を攻略して3番手に上がった水野ですが、前の2台に追いつくことができず次第に単独走行に。長島がポジションダウンし、津田が野左根に迫り4番手争いを展開。中須賀と2番手の岡本の差はひらいていき、20ラップのレースは中須賀が制し今季3勝目を挙げました。
中須賀克行選手のコメント
「レース2は赤旗で集中力を保つのが厳しかったのですが、赤旗後はスタートが決まれば最初から前に出て自分のペースで走ろうという作戦でした。今日は路面温度も上がり、どれくらいのペースを刻めるかわからなかったのですけどある程度いいペースでも走れましたし、岡本選手もいいペースで、我慢比べのレースになると思っていた。ホントに心理戦だったので、そのなかで最後まで走りきれて良かった。周りのレベルが上がってきていて、自分自身もプレッシャーを感じていたし、もてぎのペースもあがって優勝に対する価値も上がると思います。プレッシャーも感じていたが、そんな中での優勝は嬉しい」
岡本裕生選手のコメント
「正直、自分のなかでは昨日と同じレースになってしまったなと。昨日までは付いていくのが精一杯で、今日は自分が勝負できるポイントを作れなかったことがひとつ、最終的に残り5ラップで徐々に差が開いてしまった。中須賀選手のレース強さというものを少しでもはやく吸収して身につけて、最後まで勝負できるようなレースをしなければいけない」
水野涼選手のコメント
「昨日のレース展開とは大きく違うレースになり、ただただ悔しい。決して今日のレースが今年の流れというわけではない。今回起きた状況をしっかり分析して、SUGOでは優勝争いをしたいと思う」
■ST1000クラス
チャンピオンの#1渡辺一馬(AstemoHondaDreamSIRacing)がテスト中の怪我により欠場。#10國井勇輝(DG Team HARC-PRO.)がレースウィークのセッション全てでトップタイムをマーク。スタートで飛び出したのは#30作本輝介(Astemo HondaDream SI Racing)、やや失敗した國井が6番手から猛追。2ラップ目のS字コーナーで#3國峰琢磨を(TOHO Racing)、そして続くV字コーナーで作本をパスするとトップに立ちます。作本は食らいついていきますが國井のペースには追いつけず単独2位。その後方では國峰と#9岩戸亮介(Kawasaki Plaza Racing Team)の3番手争い。ラスト2ラップで岩戸が國峰を抜いて自身2度目の3位表彰台を獲得。
■ST600クラス
昨年のチャンピオン#1阿部恵斗(squadr atigre tairapromoto)がポールポジションからのスタート。一度も前を譲ることなく独走優勝。
■J‐GP3クラス
アジアタレントカップに参戦中の#32荻原羚大(りょうた、WJ-Factory+F2)がスポット参戦。コースレコードでポールポジションを獲得する。萩原、#4木内尚汰(Team Plusone)を先頭に、#3若松 怜(JAPAN POST docomo business TP)、#1尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)らが順位を入れ替えながら激しいトップ争いを繰り広げるが、若松が木内を制してチェッカー。
(文・写真:楠堂亜希)