ペースセッター──BMWモトラッドはGSの立ち位置をそのように認識している。ゲレンデ/シュトラッセ、すなわちオフロードとオンロードを意味するドイツ語の頭文字をとってGSと名付けられたバイクが最初に市場に送り込まれたのは1980年のことだった。R80G/Sから始まったその歴史は5世代目へと引き継がれ、43年目に新たなスタートを切ることになったのだ。
前回フルモデルチェンジを受けたのが2013年だから、それからちょうど10年。先代は伝統の水平対向2気筒の水冷化や、吸排気レイアウトをサイドドラフトからダウンドラフトへと革新的な変化があった。また乾式単板クラッチから湿式多板となり、エンジン全長の短縮や、ステアリングヘッド部に近い場所にエアクリーナーボックスを搭載し、ライダーが跨がる位置の近くに燃料タンクをレイアウトしたことで、運動性が格段に向上した。吸気レイアウトの変更でライダーの足元も広々としてみせた。
モデル中期にあたる2018年のマイナーチェンジでは、排気量アップと同時に可変バルブリフト&タイミングを導入。これによりトルクを一気に太らせ、ドライバビリティを今まで以上に引き上げたことで、人気を不動のものに押し上げた。
2022年の販売データ(出典Infobike 04/2023)では、世界のツーリング・エンデューロマーケットで昨年のマーケットシェアは、実にR1250GSとR1250GSアドベンチャーの2モデルで全体の60%を奪取。残る40%をドゥカティ、ハーレーダビッドソン、KTM、トライアンフ、その他がひしめくという状況だという。すごいのは昨年でこのシェアであり、モデルライフ10シーズン目でこの強さなのである。またカタログスペックを見ると、みんな大好きな最高出力比較では、ムルティストラーダV4Sの170馬力を筆頭に、KTM1290スーパーアドベンチャーシリーズが160馬力、ハーレーダビッドソンのパンアメリカは150馬力、トライアンフタイガー1200が148馬力と、対するR1250GSの136馬力を大きく凌駕している。
しかし、これがトルク値となるとR1250GSが143N・m、KTMが139N・m、トライアンフが130N・m、ハーレーダビッドソンが128N・m、ドゥカティは125N・mと大きく逆転。そのエンジンの全域トルクフルなところも大きな魅力なのだ。
同時に、100年にわたって続くシャフトドライブがもたらす日常メンテナンス時間を事実上ゼロにする部分、またGSが持つハンドリング、乗り味が多くのライダーに支持され続けたのはライバル車に乗るとよく分かる。
これらの持ち味はR1300GSにもそのまま引き継がれた。スペックレースでは145馬力まで最高出力を上げたが、現状そこでは最下位キープ。しかし最大トルクは149N.mとライバル達にさらに水をあけた。
排気量アップ、さらに小型化。エンジン単体で3.9㎏の軽量化。
R1300GSのハイライトは多い。その中の一つが新型のエンジンだ。2013年に登場しR1200→R1250と進化した水冷第一世代のボクサーエンジンから引き継いだのは水平対向2気筒というレイアウト程度。新しいGSの開発がスタートした2018年当時、アドベンチャーバイクが大型化、重量が増加するトレンドと決別し、軽く小型にしたかった、というポイントがある。本国仕様のR1250GSとR1300GSでは車重が12㎏軽くなり237㎏となっている。
工場オプションの多くを装備した日本仕様とは異なるが、素のGS同士で比較するとそれだけ軽くなったということ。もちろん、エンジンも例外ではい。単体で3.9㎏、ドライブトレーン全体で6.5㎏の軽量化を達成している。これにはリチウムイオンバッテリーの採用で減じた2.5㎏も含まれる。
大きな変化はミッションをクランクシャフト下に収め、完全にケース内に収まったこと。R1250ユニットではクラッチを湿式多板としてそのクラッチパックをエンジン前部に置き、そこからエンジンケース後部左側に接続するミッションへと駆動を伝えていた。そのミッションをクランク下に収めることで、ケースが短縮化されている。エンジンケースが短くなり、従来型ではケース右側後部にあったスターターモーターはエンジン上部に設置。そのモーターのサイズも小ぶりになった。
新型のボア×ストロークは106.5mm×73mm。これは1250ユニットと比較して4mmボアが広く3mmストロークは短くなった。先代同様バルブリフト+バルブタイミングが可変するシフトカムを吸気側に備える。圧縮比は12.5:1から13.3:1へと上昇。拡大したボア径に対応して吸気バルブはφ44mm、排気バルブはφ35.6mmと、R1250ユニットよりも吸気側で4mm、排気側で1.6mm拡大されている。
これにより最高出力は107kW(145HP)/7750rpm、最大トルクは149N・m/6500rpmへ。1250ユニットより7kW、6N・mを上昇させた。このエンジンは、3600rpmから7800rpmまでの広い範囲で130N・m以上を生み出す。先代同様ドライバビリティ重視、どこから開けても丁寧に面取りされた扱いやすいトルクが出てくるのだろう。
もう一つのトピックを説明しよう。クランクシャフトとピストンを結ぶコンロッドがつながるクランクシャフトの大端部が前後するため、シリンダー位置も前後するのが慣わしだった。BMWの場合、右シリンダーが手前になっていた。新作エンジンでは、従来ライダー側にあったカムチェーンのラインを右シリンダーは前輪側、左シリンダーはこれまで通りライダー側と互い違いにしたことで、そもそもある左右差分をカムチェーンの幅だけライダー側からシリンダー前側に移設。これによりライダー側のスペースを左シリンダーと同等にまで拡大しているのだ。カムシャフト側のカムスプロケットも従来モデルが一枚の大きなスプロケットからリダクションギアを介して吸排気カムを駆動するレイアウトを、カムシャフトそれぞれにスプロケットを持つスタイルに変更。ヘッドカバー内のコンパクト化、カム周りの全長短縮にも貢献。当然、グラム単位の軽量化を積み重ねた設計陣にとっても、運動性を考えても重心から遠い外側から重さを減らしたことは大きなポイントだったはず。
エンジンの前後長を短縮した結果、R1250GSよりも30mmスイングアームが延長に成功。これによりシャーシレイアウトにおける前輪分担荷重を増やすことにも成功した。また駆動系ではユニバーサルジョイントを大型化したシャフト周りを使うことで、サスペンションがストロークした時にユニバーサルジョイントに掛かるストレスを低減。さらなる耐久性、信頼性向上も図っている。
鋼板メインフレームとアルミダイキャストサブフレーム。
小型軽量化というテーマに添って車体構成の骨格となるフレームにも新しいアプローチが取られている。先代ではパイプでトラス状に組まれたメインフレームと別体サブフレームという構成だった。R1300GSでは車体の小型化、軽量化というコンセプトに基づきフレーム周りも小型で高剛性な造りが選択された。
ステアリングヘッド部から左右に延びるビームと角張ったCの字形状のボックスセクションを組み合わせたもので、パイプフレームよりも幅もタイトかつ頑強に見える。そのCの字型の部分にサブフレームは、アルミダイキャスト製になったリアサブフレームは左右二分割したものをブリッジプレートで締結し、メインフレームに装着している。フレームボディは外観意匠としても機能していて、サイドカバーなどを持たない。
鋼板を溶接して組み立てたフレームは楕円パイプ状で幅が狭くそれでいて内幅を摂ることで搭載するパーツの収納性、積載性も高そうだ。メインフレームは燃料タンクなどの重量物を低く搭載することにも役立っている。新型ではその燃料タンクもアルミ製で軽量に。リアフレームそのものもエンジンの小型化とも相まってスイングアームピボットも前進したため、最近のスポーツネイキッドのように後端が前よりになり、ライダーをより前よりに乗せるスタイルになっている。
前後ともEVOになった
テレレバー、パラレバーサスペンション。
前後のサスペンションもR1300GSのハイライトの一つ。まずはフロント回り。1994年から継続採用されるAアームを持ったテレレバーサスペンションを踏襲しつつ、新型ではより剛性を上げ作動性に拘った造りになった。
EVOパラレバーと呼ばれるそれは、φ45mmと従来よりもかなり太いインナーチューブを採用すると同時に、通常のテレスコピックサスのようにインナーチューブのアッパー部分をフォークブラケットで固定する形になった。フレーム剛性を上げたこと、締結剛性を上げ運動性を高める目的を同時に果たすことができたのだ。
本来、Aアームが描くストローク軌道は通常のテレスコサスのような伸縮するスライドの動きに加え、テレレバーでは縮むとAアームの支点の関係で前輪がわずかに前方に移動する動きとなる。これまではインナーチューブ上部にボールジョイントを入れその動きを吸収するように動機させていたが、新型フレームではステアリングヘッド部でその動きを吸収させている。これは過去にHP2スポーツやR1200Sなどで採用されていたが、EVOテレレバーとなったR1300GSでは、左右に長いハンドルバーがサスペンションストローク時に同位相で動かないようフォークブラケットとハンドルクランプを分離させ、その双方をUの字型の薄いプレートで結び、サスペンションが大きくストロークしてもハンドルバーはこれまで通り動かないという方法を取り入れている。そのハンドルブラケットそのものは、フレームのヘッド部分上部に旋回するように装着されているため、フォーク周りとは完全に分離しているのだ。
EVOパラレバーと進化したリアサスペンション周りも、ファイナルケースの小型化など軽量化を含めて最適化された設計になっている。
乗ったら3秒で解る進化。
いろいろな解説を受け頭デッカちになった状態でR1300GSに対峙する朝がきた。ノーズ部分に移動したDRLとその中心にある小粒なヘッドライト。R1250GS系の時代が10年続いたこともあり、まだ目にスッとは馴染まない。
しかし、跨がるとそこから始まるR1300GSワールドに引き込まれた。まず、そのノーズの低さが圧倒的。従来同様の数少ないパーツの一つ、6.5インチTFTモニター以外存在感が少ない新型は、ハンドルバーの向こうにすぐ路面が見える印象だ。比べたら、R1250GSのクチバシのようなノーズで一番幅の狭い先端部分がR1300GSではタンク側の一番太い場所と同じほどの幅だ。しかも先端部分の手前には両サイドをギュっと絞ったエリアがあり、その部分もライダー目線から見ると路面を見せるように工夫されているのがよく分かる。
19リットルと1リッターだけ容量が減った燃料タンク周りの印象もそうだ。ライダー側から燃料給油口のあるトップ部分まで傾斜がきつく存在感のあったR1250とは異なりトップから裾野までなだらかに繋げているのが解る。だからこそ、シートからタンク部のピークへと続けるまるでオフ車のシート前端部のようなソフトパッドを張ったディテールにしているのだろう。
それにしても軽快な取り回し感はどうだろう。12㎏軽くなったこともそうだろうが、重たいものが中心にしっかり集まっている印象だ。サイドスタンドから起こす力はF850GSよりも軽さ感は上だ。これも水平対向エンジンの全高の低さやテレレバーサスが持つ特徴もあるではないだろうか。
ちなみに今回のR1300GSのハイライトでもあるアダプティブ・ビークル・ハイト・コントロールを搭載しているモデルだと、停止時に30mmほどシート高が下がる。車体が細身で足着き感が向上したR1300GSでは850mmのレギュラー状態でもふくらはぎなどに余計なボディタッチがないため、足着き感はR1250GS以上だが、30mm下がったときの安心感は抜群だった。この装備によっていわゆるローダウン仕様はなくなる。シート高を20mm下げるローシートもオプションで用意されるので、アドベンチャーバイクにおける足着き問題の多くを解決するソリューションといえるだろう。
ショーワ製のサスの中に仕込んだ油圧ジャッキで車高を下げ、走り出すとサスペンションがストロークした時の動きで油圧ジャッキを作動させ車高を上げるタイプとは異なり、R1300GSが採用したザックス製のそれは、ショックユニットは電子制御でこの動きを油圧で操作する。下がる、上がるの動きは乗っている限りライダーが察知できないほどナチュラル。日本仕様ではツーリング仕様に装備される。
始動音はF850GS系のスターターモーターのようなキュキュキュンという音でエンジンは始動する。R1250GSが始動時にバァウンとひと吠えするが、それもなく乾いた印象の排気音だ。R1250GSよりも少し操作力が重たくなった印象のクラッチを繋ぐと車体はふっと動き出す。思ったよりもR1250GSよりも圧倒的な部分を感じなかった。調べてみると一次減速比が少しハイギアードになっている。そのためかもしれない。
ギア比は1~4速までがR1250GSと同じレシオ。5、6速はハイギアード化されている。ファイナルレシオやタイヤサイズに変化はない。最初はオヤっと思ったがすぐに馴れた部分だ。それよりも試乗会場から一般道に出るために低速で左右に切り替えしながら方向を変えたときだ。ハンドリングが軽い。一体感そのままにまるで17インチを前輪に履いたスポーツネイキッドに乗っているような動きにまず驚く。
この軽快感はアスファルトでどこまでもライダーを楽しませた。50km/h程度で走り市街地でも一体感があるのにものすごく軽快さがある。だからといってキョロョキョロしないし上質な乗り味。なんだこれ!
市街地を出て速度が上がる。郊外では90km/h制限になるその道を走る。アップダウンがあり朝露で少し路面は黒く湿っている部分もある。試乗車が履くメッツラー・ツアランスネクスト2は気温13度、グラデーションのように湿った路面を気にせずに走れるのが嬉しい。
スポーツブレーキキャリパーを装備する試乗車。そのタッチと制動力はカチっとしたスポーツバイク的な走りにピッタリだ。カツンとではなくしっかり制動力とサスペンションの動きがチューニングされているが、角を丸めた美味しい制動力が魅力だ。軽快なハンドリング、制動力がカッチリしたブレーキ。これだけでもバイクのキャラが進化したのが解る。
午前中はそのままワインディングや一部高速道路を使って150㎞ほどを走った。ワインディングでは正確なライン選択ができる。それこそ山岳路で走る片側車線を10㎝刻みでセンターラインよりにもアウト側にも選べる印象で、ライダーからの道の見え方がいつもより1.5倍程度も広く見える。だから自信を持ってアプローチができるのだ。それなりのペースで走り続けたし、この日はスペインに渡った翌日だ。時差ぼけで感覚に鋭さはないそれにも関わらず楽しめたのだ。
その新鮮な驚きは午後も続いた。ランチ後の走行セッションは時差ぼけで意のまま感がぐっと減少するのがいつものこと。日本時間で言えば午後9時から走り始め午前1時までエネルギッシュなライディングが続く。距離は午前と同じく150㎞だ。疲れるとどこかでターンインのタイミングがずれたり、アクセルワークがラフになって思わずドンツキを出してしまったりとリズムが崩れることも珍しくない。それがR1300GSでは一切なかったのだ。
高速道路では小ぶりになったウインドスクリーンの効果をちょっと心配したが、プロテクション効果はしっかりあり、後方からのドラッグも少ない。快適さは充分に確保されている。
スペインで走らせた試乗車はオプションの電動スクリーンが装備されていた。標準仕様はダイヤル式からレバー式へとなった。以前は好みの場所でダイヤルを停めることができたが、新型のそれは、標準位置と上げた状態の2ポジション。レバーが左にあるため走行中も操作しやすいのが特徴だ。ちなみに聞いてみたら電動と手動の重量差は750グラム程度だとのこと。日本仕様ではツーリング仕様と、スタンダードの黒(ブラック・ストーム・メタリック)を選べば電動スクリーンが装備されている。
そしてACCだ。前後にミリ波レーダーを装備し、前方衝突警報や後方接近警告もしてくれる。軽くだが減速もしてくれる。ACC使用時も設定速度からの減速や再加速もこなしてくれる。他車で採用されたものと同等の機能を持つ。その加速、減速などの味付けはスムーズ。BMW流というか、GS流にしっかりとマップが描かれているようだ。
ここまでオンロードで高い満足度があるとすると、ひょっとしてダート性能を引き算したのだろうか。そんな想いで大満足のまま初日のオンロードセッションを終えた。
オフロードでも正確なハンドリングが活きる。
いや、剛性アップは走りのアップに直結していた。
スペインのマラガ、コスタデルソル空港から20分ほど移動したホテルがベースとなった今回の試乗テスト。オフロードテストはエンデューロパークアンダルシアというBMWのライダートレーニングも行われる場所を中心に往復する途中にあるダート路を使った行われた。
エンデューロパーク内はアップダウン、サンド、ロッキーロードなどオフロードを学ぶのに相応しい道がコンパクトに散りばめられている。早速撮影セッションに入ったのだが、その時に感じたのはオンロード同様、接地感があり、正確にラインを選択できること。日本で言えばGSスポーツという仕様に近いモデルだが、サスペンションストロークはフロント190mm、リア200mmというスタンダードと同じ仕様だった。日本仕様はこれにスポーツサスペンションが装着されるので、前後とも20mmストロークがアップする。
ストックサスだと深いギャップに入った時に底つきやスキッドプレートを摺るのでは、と心配したが、まったくの杞憂だった。ウォッシュボードをそのまま突っ切っても、進路は乱されず、バネ下だけが路面の変化をしっかり吸収する。リアが多少は左右に躍りそうなものだが、安定感には驚いた。ウォッシュボードだって波高は軽く50㎝はあってトップ部分は崩れないようしっかりと土で成形されているもの。そこを涼しい顔でクリアするのだ。ドカドカとなると思ったスピードで進入したのに、まるでなにもなかったようにクリアする。
ガレ場のシングルトラックではアスファルトで感じたようにタイヤ一本分からしっかりとラインを選べ、旋回へのアプローチも組みた立てやすい。重量バランスをさらに前後イーブンに近づけたこと、ライダーの意思をしっかりと伝える車体、そしてマイルドにパワーを出してくれるライディングモード設定も手伝ってなんら不安がない。
エンデューロパークからの帰り道、丘陵地帯を抜けるダート路を走った。オフキャンバーの道もあったが不安なくグリップを引き出せる。時折細いシングルトラック、しかも雨水が流れて掘れた轍のあるなかなかの角度のヒルクライムでも轍の高いところを選び、ライダーは後輪のグリップを追い増しするようなポジションに居るだけでスイスイと登ってゆく。恐るべしGSだ。
日本仕様は価格は上がったが、満足度もさらに上がっている。
11月になって国内でも乗るチャンスに恵まれた。高速道路などを走るフルテストは出来なかったが、日本に比べたらスペインの試乗はハイペースだ。一般道だと1時間の移動アベレージ距離が上手くいって30km/h台から40km/h台がせいぜいの日本において、高性能の塊のようになったR1300GSのうま味はあじわえるのか?
結論は日本で乗っても死角なしだった。普段乗っているR1250GSと比較もできたのでその進化度はさらに鮮明になった。ブレーキにもサスペンションにもツッコミどころがない。それどころか、苔むした場所、落ち葉が積もる場所、風で落ちた枝も混ざるそれはカオスな舗装林道でわずかに覗く四輪のタイヤ幅+α程度の道幅の中、喜々としてワインディングを楽しめる才覚。畏れ入った。コントロールの充実感、走る満足度、操る悦び。そのどれもの純度が高い。BMWを目指して挑戦を続けるライバル達にまたその差を付けて見せたGS。確かにベースセッターだ、アナタは!
(試乗・文:松井 勉、写真:BMW Motorrad)
■エンジン種類:空・水冷4ストローク水平対向2気筒DOHC 4バルブ ■総排気量:1300cm3 ■ボア×ストローク:106.5×73.0mm ■圧縮比:13.3 ■最高出力:107kW(145PH)/7,750rpm ■最大トルク:149N・m/6,500rpm ■ 全長×全幅×全高:2,212×1000×1,405mm (STD、スクリーンロー)mm ■軸間距離:1,520mm ■シート高:850mm ■車両重量:250kg ■燃料タンク容量:19L ■変速機形式:常時噛合式6 段リターン ■タイヤ( 前・後):120/70R 19・170/60R17 ■ブレーキ(前・後):油圧式ダブルディスク(ABS)・油圧式ディスク(ABS) ■懸架方式(前・後):テレレバーフォーク式・パラレバー/スイングアーム式 ■車体色:レーシング・ブルー・メタリック、ブラック・ストーム・メタリック■メーカー希望小売価格(消費税込み):2,843,000円~
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