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レース・イベント

EICMA2023 ミラノショー速報 Part1 世界中の二輪業界が、 本気を出してきた




今年もEICMAが始まりました。事前情報では、今年は8パビリオンを使用して開催。これ、パンデミック以前よりも多いんです。パンデミック直後のウォーミングアップ期間を終え、世界中の二輪業界が本格的に稼働してきた証拠ですね。しかも、そのパンデミック期間中に、新しいビジネスやテクノロジーが煮詰まり、暖機運転後の飛躍がより大きくなっている。そんな印象を受けました。だって初日のプレスカンファレンスは、タイムラインが刻まれているだけでも31。ほとんどが15分刻みという、恐ろしい状況。EICMAは会場が広いため、移動だけでも5-10分掛かるんです。今回は、できるだけ参加しようと決め歩きまくった結果、スマホの距離計で約20km歩きました……すでに足がパンパンです。なんて与太話は、この後に書くいくつかの失敗の言い訳なんです、はい。というわけで、まずは国産メーカーの速報からお知らせします!

■レポート・写真:河野正士

●ホンダ

 ホンダは、いつものようにブースとは別の、会場内にあるコンサートホールのような場所でプレスカンファレンスを開催。しかし、その前に行われた別メーカーのカンファレンスから、ちょい遅れ気味で会場に到着すると、会場入り口で立ち往生してしまうほどの大混雑。そこで入場を諦め、カンファレンス終わり1時間後になんとか時間を見つけ、会場入り。それでも多くのメディアが取材を続けており、撮影には苦労しました。
 

 

 

 

 
 発表されたのは、事前に噂があった「CB1000ホーネット」。昨年のEICMAでツインエンジンを搭載した「CB750ホーネット」が発表されましたが、古い世代の僕としてはホーネットと言えば4気筒だったので、4気筒エンジン搭載の「CB1000ホーネット」が出てスッキリしました。やっぱり、ストリートファイタースタイルと4気筒エンジンは、相性が良いと思います。抑揚の付いた外装とマッチョなエンジン、顎をぐっと引いた顔周りと、なかなか良い感じでした。

 

 

 

 

 
 エンジン/エレクトロニクス/スタイリングを新たにした「CBR600RR」と、フレーム、ボディワーク、エンジン、ギアボックスの各部をアップグレードした「CBR1000RR-R ファイヤーブレードおよびSPバージョン」、それにヘッドライト&テールライトを一新するとともに、新たにウイングレットを採用した「CBR500R」がトリコロールカラーをまとって並んでいる姿も、なかなか良かったですね。

 

 

 

 
「CB650R」と「CBR650」には、世界初の二輪車用有段式マニュアルトランスミッションのクラッチコントロールを自動制御する「Honda E-Clutch/ホンダ・イークラッチ」が採用されていました。加減速はもちろん、発進および停車時もクラッチ操作を必要としない新たな電子デバイス。エンジン右側のクラッチカバーが少し大きくなっていますが、想像していたよりかはコンパクトにまとまっていました。
 

 
 そして、ちょっと意外だったのが「NX500」。CB500Xをベースに新しいスタイルを与えた新アドベンチャーモデルですが、アフリカツインではなく、トランザルプ的なスタイルだったからです。しかもコンパクトな車体とデザインが合っていて、良い雰囲気の佇まい。欧州でもCB500Xは人気なので、その進化版である「NX500」は、人気が出るんじゃないかなぁ、と想像します。

●カワサキ

 

 
 やってしまいました。発表車両の個別写真を、撮ってませんでした。スミマセン……カワサキのプレスカンファレンスもすごい人で、全く写真が撮れませんでした。そこで、またあとで撮りに来ようと思っていたら、忘れました……。
 

 
 カワサキは、ニンジャ誕生40周年を記念した、初代GPZ900Rの赤黒ボディカラーをまとった「Ninja1000SX」「Ninja650」の特別仕様車を発表。また日本ではNinja400としてお馴染みの車両が、排気量451ccのツインエンジンを搭載した「Ninja500」として、ネイキッド版「Z500」が登場しました。
 

 
 またジャパンモビリティショーで発表した初の二輪HEV/Ninja 7 Hybridに続き、「Z7 Hybrid」を発表しました。カワサキは昨年、ここEICMAで電動モーターサイクルと二輪HEVのコンセプトバイクを発表。その1年後に、両者ともに市販するという、練りに練られたタイムラインで、二輪市場に大きなインパクトを与える車両を発表しています。もちろん、その価値は大きく、バイクユーザーがカワサキというブランドを見る目が、すこし変わってきていると感じました。
 

 

 

 
 カワサキの隣に展開していたビモータでは、昨年のEICMAで、そのフレームだけを展示してた「TERA」が、ついに実車になりました。しかも、早々に売り出されるはずです。ビモータが採用するセンターハブステアシステムを、アドベンチャーモデルにアレンジした「TERA」。もう、どうなっちゃってるの、そのフロント周り、な感じです。オフロードを含めた、サスペンションストロークが大きなアドベンチャーモデルで、このシステムがどのような優位性を発揮するか、大いに楽しみです。
 

●スズキ

 

 
 あれ、ちょっとブースの大きさが小さくなっちゃったかな、と思うスズキですが、それによってプレスカンファレンスもギュウギュウ状態です。で、2台のモデルを発表しました。
 

 

 

 

 
「GSX-S1000GX」は、ネイキッドスポーツモデル/GSX-S1000のプラットフォームを使ったスポーツアドベンチャーモデルですね。欧州で人気のツーリングカテゴリーにおいて、オーセンティックなツーリングモデルのGSX-S1000GTともにラインナップすることで、全方位でツーリングカテゴリーのパイを取りに行く、というスズキの強い気持ちが前面に出てますね。それに欧州の「GSX-S1000GX」製品サイトを見ると、ツーリングウエアではなく、ライディングデニムにライディングスニーカーという、比較的ラフなスタイルのライダーがハングオンしています。ということは、そういったアクティブ層も取りに行くんだな、なんて欲張りなんだ、スズキって。と思ってしまいました。
 

 

 

 

 

 
「GSX-8R」は、昨年EICMAで発表した2気筒スポーツネイキッドモデル/GSX-S8のフルカウルスポーツモデルです。そのボディデザインから、僕が勝手に、新世代スズキを感じたGSX-S8をベースに、その行動範囲をサーキットやワンディングにまで広げました。ただデザインに関しては、昨年のような驚きはなく、スポーツバイクらしくまとめたな、と感じました。
 

●ヤマハ

 ヤマハは、プレスカンファレンスを行ってないんですよね。なので、通常運転中のブースから、何台か撮影しました。
 

 
「XSR900GP」は、イタリアのWGP好きが、キュンキュンしていたようです。その脇に展示された、デルタボックス誕生40周年を記念したコンセプトバイク「XSR900DB40」も同じくです。
 

 

 

 
 デザインが大きく変わった「MT-09」も注目を集めていました。四角くなった顔は、ちょっとアメコミのキャラクターのようで、MT-09が持つ、ちょっと底知れない雰囲気をさらに強調していました。まぁ、好き嫌いはハッキリと分かれるでしょうね。でもヤマハも、それを理解してこのデザインに踏み込んでいると思います。
 

 

 
 欧州ですでに発売されている電動スクーター「NEO’S」や、アーバンE-Bikeを歌う「Booster」シリーズなども展示されていました。ミラノでは、電動スクーターやE-Bikeを数多く見かけることから、NEO’SやBoosterなどの担う役割も大きいですね。
 

●日立アステモ

 今年も大勢のスタッフが日本から渡伊。ADASや電動まわりなどの新しい技術を持って、多くの二輪完成車メーカーに技術をアピールしていました。偶然、朝のミーティング直後の集合写真撮影に、私も混ぜてもらいました。
 

 
 ということで、EICMA第一報は、ここまで。では今日も、歩きまくってきます!
(レポート・写真:河野正士)





2023/11/09掲載