ロイヤルエンフィールドは、得意としているミッドセグメントをさらに充実させるために、日本市場へ新型のシティスクランブラー、Scram(スクラム)411を導入することを決めた。その詳細を紹介。
ヒマラヤのアーバンバージョン
それまで小排気量が中心だった人たちがもっと上の排気量を求め、大排気量に乗っていた人たちがより乗りやすいもう少し小さい排気量を求めるようになってきていることから、ミッドセグメント市場が世界的に成長しているとロイヤルエンフィールドのアジア太平洋地域責任者であるアヌージ・ドゥア氏は説明をした。このアジア太平洋地域の中型排気量カテゴリーで、インドに拠点をおいている同ブランドは80%の成長をしていることを強調。さらなる販売拡大を狙って、シティスクランブラースタイルの『Scram 411』が誕生し、日本市場にも投入されることが決まった。
Scram 411のベースになっているのは、ロイヤルエンフィールド初のアドベンチャーモデルであるヒマラヤ。空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒で、ボア×ストローク=78×86mmとロングストロークの411cc、LS411エンジンとセミダブルクレードルのフレームは共通。
「子供の頃、山々をかけめぐっていたモーターサイクルは必ずロイヤルエンフィールドでした。そして我々は2016年にあらゆる道、道なき道をいけるモーターサイクルを開発しヒマラヤを生みました。これはインド市場で新しいセグメントであるアドベンチャーを確立し、新しい道を開いた。そして、それを継承しながら、よりアーバンでも楽しみたいお客様に向けてスクラム411が新しく完成しました。ヒマラヤのトルクフルで高いパフォーマンスのLS411エンジンを採用しました」とアヌージ・ドゥア氏。
エンジンはユーロ5をクリアし、24.3PS/6500rpmの最高出力と32Nm/4250rpmの最大トルクを発揮する。シャーシの設計には2015年に同社が買収をし子会社となった英国のHarris Performance Productsが携わっている。5速のギアレシオも含めて、ギアチェンジを頻繁にすることがないバランスに設定。
デュアルパーパス性能を考慮したヒマラヤより、都市部での運動性、快適性を追求した仕様。フロント21インチ、リア17インチホイールを履くヒマラヤより、混雑した街中でも使いやすいようフロントホイールを19インチと小径化。もっとクイックに動けるハンドリングと、パッセンジャーも含めて長時間走行でも疲れないようにしたと強調。タイヤは性能だけでなく、スタイルを重要視してパターンのデザインにもこだわったそうだ。シュラウド風に付け加えられた外装が特徴的だ。
ダウンフェンダーを装着したインナーチューブφ41mmのフロントフォーク。ストロークは190mm、モノショックのリアサスペンションは180mmのストローク。リアはヒマラヤと同じ数値で、フロントから200mmのヒマラヤより10mm短くしている。これでストリート走行に見合ったよりクイックな運動性を狙ったと見られる。最低地上高に余裕があって、低いシート(ヒマヤラより5mm低い795mm)で乗りやすく。シティコミューターとして日常的に様々な道、様々なシチュエーションで使える軽快でとっつきやすいモーターサイクルを目指した。ヒマラヤのDNAが入っているだけあってオフロードもこなせる柔軟性。
舗装された都市部の交通環境を念頭においてヒマラヤよりハンドル位置が低く、シートはプロファイルも変更している。通勤でも使える親しみやすさがあり、ハイウェイ、渋滞も楽にこなせる快適性。平日は仕事の移動などで使え、週末は楽しむツーリングに使える。若い社会人、学生、若くはないけど気持ちが若いアクティブな心を持っている人がターゲット。
気になるメーカー希望小売価格は、ベースグレードとなるグラファイトイエロー/グラファイトレッド/グラファイトブルーの3モデルが83万8200円(税込み、以下同)。ミッドグレードとなるスカイラインブルー/ブレイジングブラックの2モデルが84万5900円。上級グレードのホワイトフレーム/シルバースピリットの2機種が85万3600円である。豊富な純正アクセサリーやこれに合わせたアパレルも用意される。日本への導入は2022年の11月1日から。
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