鈴鹿8耐で3位表彰台獲得、全日本ロードレース選手権にヨシムラスズキライドウィンから参戦中の渡辺一樹が今週末、サンマリノはミザノサーキットで行われるMotoGP第14戦において、負傷したジョアン・ミルの代役として参戦することが発表されました。
決定したのは先週の全日本のオートポリス・ラウンド、レースウィークの金曜日。そして、渡辺選手、MotoGPマシンの経験はほぼ無しの状態。スズキも大英断といったところ。
「先週の月曜日にこちらから連絡とってみたんです。可能性は低いと思っていましたが、チャンスがあればお願いしますという感じで」
その時点では何も決まっていなかったものが、週の半ばには濃厚となり、金曜日の朝に決定という短期間でのことでした。
「GP参戦が決まると、オートポリスでみんなに『GP頑張ってね』と言われ・・・(苦笑)」
レースウィークにMotoGP参戦が発表になってからの周りの反応に困惑した渡辺選手。
「MotoGPの話は嬉しいのですが、まずは目の前の全日本のレースに集中することに全力を注ぎました。無事に全日本のレースも終わり、GPと言いたいところですが、その前にEWCのテストがあります」
今回の渡欧はミザノ参戦だけでなく、そもそも9月17・18日に開催されるボルドール24時間に向けて、ポールリカールサーキットでのEWCのテストが予定されていたため、全日本のレースが終わった月曜の夜には羽田を立つ忙しいスケジュール。渡辺選手は耐久マシンでのテストをたっぷり消化してからのミザノ入りとなります。
「GPに出られることもですが、あのマシンに乗れるのが嬉しい。その舞台がミザノで、トップライダーが沢山いる場所ということで、大変なことだろうとは想像できます。ミザノはWSS(ワールドスーパースポーツ)で走ったことがある好きなコース。当然いきなり上位にはいるような目標を掲げられているわけではないので、ライダーとしてマシンのポテンシャルを出し切る走りができればいいなと思っています」
(レポート&写真:楠堂亜希)