このコラムでも何回も書いてますが、ワタシ、埼玉県の秩父という町が大好きなんです。東京から距離的にもちょうどいいし、蕎麦はうまいワ、景色はキレイだワ、温泉もたくさんあるワ、で、最高のツーリングコースなんですよね。
でも、ふと考えれば、実はもう何年も行ってなかったのに気づきました。別に飽きたわけではないんですけどね。と、いうわけで、その秩父へと久しぶりに行ってみることにしたのです。そして、どうせ行くならやっぱり神社にも参拝したいし、今回は欲張って「秩父三社参りツーリング」にしちゃいましょう!!
朝八時、曇り空の中、高円寺のアパートを出発。予報では一日持つ、とのこと。でも、いちおうカッパは用意してあります。
青梅街道を西へと向かいまして、米軍横田基地近くにある箱根ヶ崎の交差点を右折し、国道16号線へ。そして入間から左折して、国道299号線へ。あとはこのまま山道を走れば秩父へ到着です。
秩父は人口約59,000人。市の面積の八割以上は森林で、自然に囲まれた土地です。都心から60~80Km圏内にあるし、毎年12月3日に行われる秩父夜祭りや温泉、果物狩りなどで観光客もたくさん訪れるところなんですよ。
歴史も古い所で、900年代初期にはもう「ちちぶ」という地名がついていたそうです。この秩父ですが、古い神社が三つありまして、「秩父神社」「宝登山(ほどさん)神社」「三峰神社」。これを総称して「秩父三社」と呼んでいます。
まずは西武秩父駅近くにある「秩父神社」から参拝しましょう。極彩色の彫刻で飾られた社殿は、1592年に徳川家康により寄進されたもの。埼玉県の有形文化財に指定されているそうです。江戸時代の名工「左甚五郎」が彫ったとされるみごとなまでの彫り物が間近に見られるのですが、残念ながら現在補修工事中で、一部しか見られませんでした。
少し町をブラブラしてご飯を食べた後、次の目的地「三峰神社」を目指します。
急なカーブが続く国道140号線を上っていき、大きな二瀬ダムの上を渡って、今度はさらに曲がりくねった県道278号線を、山の頂上に向かってグングンと上がって行きます。
秩父神社からは約38kmの距離。大体90分くらいで到着しました。
ここは、日本武尊がイザナミ、イザナギの神様をお祀りされたのが始まりとされているくらい古い神社です。江戸時代には三峰講というものが流行り、関東全域からたくさんの人々が参拝に訪れていたそう。ちなみに神様のお使いは山犬なんですが、火災除けのパワーがあるらしく、ここでお札をいただき、台所とかに貼っておくと火事にはならないそうですよ。
二時半にここをスタート、そして四時半に宝登山神社に到着です。ここも今からおよそ1900年前にお祀りされたという古い神社です。現在の建物は江戸から明治期にかけて建てられたものですが、こちらも秩父神社三峰神社と同じく、極彩色のみごとな彫刻が見られます。また、神社の裏手にある宝登山にはロープウェイで山頂まで上ることも出来ます。春は花見。夏はハイキングと、大勢の人に親しまれているようです。
すぐ近くには川下りで有名な長瀞の石畳があります。静かに流れる清流を見つめていると、心が涼やかになってきますよ。
本当はこのまま東へ走って、花園インターから関越道を使って帰ることにしていたのですが、ここに来るとき気になっていた温泉「梵の湯」に入って行くことにしました。さっき来た道を戻りましょう。
梵の湯は関東でもトップクラスの濃い重曹泉がウリだそうで、皮膚病や火傷、キズなんかによく効く温泉なんだそうです。その裏側には広いスペースがあり、ドッグランや犬用スパ、キャンプ場もありました。犬好きの人なら一日中楽しめそうですね。
さて、そろそろ帰るとしましょう。少し薄暗くなってきました。元来た国道299号線の、次々襲い来るカーブを、まったくテクニックのないワタシはトロトロと走ります。と、なんとなんとポツポツと雨が降ってきたではありませんか。ウソやろ!? 雨は一日持つって言ってたジャン!? そして入間まで来たところでとうとう激しい大粒の雨に!! 急いでカッパを羽織り、先を急ぎます。
以前も書いたんですが、ワタシはひどい乱視なので、夜で雨のときは、メチャクチャ見え辛いんです。目を見開き、ハンドルにしっかりとしがみつきながら、どうにかこうにか高円寺のアパートにたどり着いたのでありました。
ワタシの旅は、毎回毎回雨に祟られるこんな旅ばかりです。昔からずっとそう。雨、雨、雨……、いったい何でなんだよぉ!!
もうヤダー!! スカッとした快晴の中で、気持ちいいツーリングがしたいよぉ~!!
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