GPXのお膝元であるタイでは、先に紹介したアンダーボーンモデル「POPZ110/ポップス」( https://mr-bike.jp/mb/archives/30466 )が発売されるなど、いま“ライフスタイル”という言葉がキーポイントになっているという。ホンダ・スーパーカブに代表されるアンダーボーン車両も、パフォーマンスもスタイリングも研ぎ澄ましてレーサーレプリカマシン並みに進化し、またロードレースの人気も高く、スポーツ指向の強いタイ。それに比例するかのようにスーパースポーツモデルが二輪市場を活気付かせている。
しかし市場の熟成とともに、ライダーの嗜好は徐々に変化し、レプリカとは違うものを欲するユーザーが増えてきた。そこで登場したのがGPXのクラシックシリーズ/レジェンドだ。このレプリカからクラシックへの回帰は、日本も90年代に体験している。そう、ゼファーなどに代表される、クラシックスタイル・ネイキッドのブームだ。
その始まりは2016年の「レジェンド200」にまでさかのぼる。当時は欧州や日本の二輪車メーカーが次ぎ次ぎとニューモデルを投入していたネオクラシックブームの影響を強く受けた、クラシカルでオーセンティックな車体やエンジンをベースに、トラッカーやカフェといった、カスタムテイストをミックスしたものであった。そしてモデルバリエーションを増やしながら、それにともないクラシック指向を強めてきたのだ。
その最新モデルとして、2022年モデルにラインナップされたのが「レジェンド250ツイン III」。今年のモーターサイクルショーで発表し、大いに話題となったモデルだ。先に発売されている150台の限定モデル「レジェンド250ブライトン」とは、カラーリングのみが異なる兄弟モデルである。
前モデル「レジェンド250ツイン Ⅱ」との違いは、スポークホイールの装着にくわえ装備品の改良、さらにはクラッチスプリングを4本から6本に変更することで、クラッチの強化とともに操作性の向上も図られている。
そしてその走りは、クラシカルな見た目とは裏腹にじつに近代的だ。排気量250ccの並列2気筒エンジン、しかも滑らかな出力特性がウリの360度クランク採用となると、低中回転域で少し頼りないかもと想像してしまうが、「レジェンド250ツイン III」は低いエンジン回転からでも車体をグイグイと前に押し出していく。前後17インチのスポークホイールを装着する足周りは、フロントには倒立フォークを、リアにはYSS製のショックユニットを採用。スポーツ指向の設定になっていて、スポーティな走りも楽しめる。
日本での発売は7月頃を予定。販売価格は、数量限定の兄弟モデルブライトンよりも低い、53万3500円(税込み)を予定しているという。
■エンジン種類:水冷4ストローク並列2気筒OHC4バルブ ■排気量:234cm3 ■ボア×ストローク:53×53mm ■圧縮比:9.2 ■最高出力:12kw/8,000rpm ■最大トルク:15N・m/6,500rpm ■全長×全幅×全高:2,040 ×785 ×1,120mm ■ホイールベース:1,340mm ■シート高:790mm ■車両重量:156kg ■燃料タンク容量:14.5リットル ■変速機形式:リターン式6段変速 ■タイヤ(前・後):110/90 R17・130/90 R17 ■ブレーキ(前・後):油圧ダブルディスク・油圧シングルディスク ■懸架方式(前・後):倒立型テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:ホワイト、ガンメタリック、ブラック ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):533,500円
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