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新車詳細

新車プロファイル2022
2022年に発売された新車の情報ページです。

YAMAHA XSR900が排気量アップの新エンジンをスタイル一新ボディに搭載してモデルチェンジ

XSR900が排気量アップの新エンジンをスタイル一新ボディに搭載してフルモデルチェンジ




“Neo Retro”XSR900が排気量アップの新エンジンをスタイル一新ボディに搭載してフルモデルチェンジ

 新時代の“MT”シリーズとして開発された“MT-09”。水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンを搭載する「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンとして販売が開始されたのは2014年4月。ヤマハらしい先進的なデザインもさることながら、新世代MTのエンジンは、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発されるなど、メカニズム面でも“ストーリー”を持つことで根強いファンを惹きつけている。

 このMT-09シリーズに2015年2月、兄弟車のMT-09 TRACER ABSが登場している。

 MT-09と基本部分を共有する車体は、アルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームに、外側締結リアアームの採用など最新テクノロジーを引き継ぎ、市街地での楽しい走りを狙いとしたもので、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどを採用。MT-09 TRACER ABS独自の特徴としては、レイヤー構造を取り入れたフロントカウルの採用があり、ロングツーリング指向のオンオフ寄りのイメージをさらに強めたデザインを採用していた。標準装備のハンドルカバーの造形などとともにツーリング時の快適性の向上を図っている。好みによりハンドル、シート、フロントスクリーンの調整が可能で、視認性の高い多機能メーターパネルや、十分な配光特性を備えたフルLEDヘッドライト、そしてトラクションコントロールの採用などなど、快適な“アドベンチャーツーリング”性能を備えたモデルだ。

 ちなみに、このMT-09 TRACERは、ヤマハが2013年から進めている“中期経営計画”のなかで、二輪車事業の新たな取り組みとして“基本プラットフォームをベースにしたバリエーション展開の拡大”を狙ったモデルの第一弾でもあった。

 そして2016年4月に、そのバリエーション展開の拡大をはかる計画の第二弾として発売されたのがXSR900だ。

 開発コンセプトは“The Performance Retro-ster”。味わいのあるレトロな外観と、先進技術によるハイパフォーマンスを合わせもつモデル、と説明されていた。基本はMT-09で、水冷直列3気筒エンジンをダイヤモンドフレームに搭載。TCS(トラクションコントロールシステム)やA&S(アシスト&スリッパー)クラッチを新たに装備。車体は“CMFG(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィックの略称)”と呼ばれるデザイン手法を取り入れ、多彩な加工法による金属素材感を表現したものとしているという。

 また、発売に合わせて、XSR900をベースに“スピードブロック”グラフィックを採用したアルミ製タンクカバー、ゴールド仕上げのフォークアウターチューブ、ブラック塗装のヘッドライトケース、イエローのコイルスプリングを採用したリアサスペンション、そして専用エンブレムが取り付けられ、ヤマハの創業60周年を記念した“60th Anniversary仕様車も、2月23日から9月末日までの受注期間限定で販売された。

 2016年12月には、XSR900 ABS本体に「ブラックメタリックX」の新色が追加設定され、従来からの「マットグレーメタリック」、「グレーイッシュブルーメタリック4」の2色(「ライトレディッシュイエローソリッド1」はラインナップから外れた)と合わせて3色のカラーバリエーション展開に。さらに2019年3月には、新色の「ダルパープリッシュブルーメタリック X」を加えて、「マットグレーメタリック 3」「ブラックメタリック X」2色の継続色と合わせて3色のラインアップとなっていた。

 2020年2月には、「ラジカルホワイト」をベースに塗装の塗り分けによるレッドとブラックの鮮やかなラインをあしらい、’80年代に人気を博したスポーツモデルのイメージを再現したニューカラーを追加するとともに、ヘッドランプにポジションランプを追加する改良が行われている。2色のラインナップのうち“マットグレー”はカラーリングを継続して販売とされた。

 今回、XSR900のモデルチェンジにあたってヤマハスポーツヘリテイジの基本コンセプトはそのままに、新たに“The Expert of Equestrain(伝統馬術のエキスパート)”のコンセプトを導入、開発にあたったという。

 具体的には、エンジンを845cm3から888cm3へと排気量アップ、最新の鋳造技術を駆使した軽量新フレームと軽量ホイールの採用、IMU(Inertial Measurement Unit)を活用し運転操作を支援する各種制御の導入、新丸型LEDヘッドランプやフルカラーTFTメーターの採用などが注目ポイントだ。
 

XSR900 ABS。「ブルーメタリックC(ブルー/新色)」。

 

XSR900 ABS。「ブラックメタリックX(ブラック/新色)」。

 

★ヤマハ ニュースリリースより (2022年5月25日)

スポーツヘリテージ「XSR900」2022年モデル発売 ~1980年代レーサーを彷彿させるデザインと最新テクノロジーを融合~

 ヤマハ発動機株式会社は、スポーツヘリテージモデル「XSR900」について、スタイルの一新、排気量アップ、運転支援技術投入などのフルモデルチェンジを行い、2022年6月30日に発売します。

 今回の「XSR900」は、“The Expert of Equestrian(伝統馬術のエキスパート)”をコンセプトに開発しました。新たな特徴は、1)ヤマハレーシングヘリテージを反映した新スタイル、2)排気量アップ(845cm3→888cm3)した新エンジン、3)最新の鋳造技術を駆使した軽量新フレームと軽量ホイール、4)IMU(Inertial Measurement Unit)を活用し運転操作を支援する各種制御、5)新丸型LEDヘッドランプやフルカラーTFTメーターの採用などです。
「XSR900」は、歴代のヤマハレーシングマシンに備わる、常に人間中心の思想でデザインされた造形と先進技術によるモダンな走行性能を備え、所有する悦びや跨った時の高揚感、人機一体で乗る楽しさを提供するモデルです。

※本モデルは、YSPおよびアドバンスディーラーのみで販売する「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」です。ご購入については当社Webサイト掲載の取扱店までお問い合せください。

■「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」取扱店 
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/xsr900/
 

名称
XSR900 ABS
カラー
・ブルーメタリック C (ブルー 新色)
・ブラックメタリック X (ブラック 新色)
発売日
2022年6月30日
メーカー希望小売価格
1,210,000円
販売計画
1,500台(年間、国内)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
【XSR900 ABS の新たな特徴】
 
1) ヤマハレーシングヘリテージを反映した新スタイル
 単なるレトロデザインではなく、最新スポーツモデルを作りこむテクノロジーを融合させ、デザインを再構築しました。80年代のレーシングマシンが有する機能美にならい、足つきやニーグリップ時のフィット感を考慮したフューエルタンクやサイドカバーなど、走行時も停車時もライダーにとって一体感ある形状としました。また、ボルトの選定などディティールにもこだわり、かつてのレーサーを想起させます。

※写真は海外で撮影されたもので、仕様が国内とは一部異なります。

 
2) 排気量アップ(845cm3→888cm3)した新エンジン
 845cm3から888cm3へと排気量アップしたCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載しました。ピストン、コンロッド、クランクシャフト、クランクケースなど、主要パーツのほとんどを新設計しており、軽量に仕上がっています。
 また、新エンジンとのバランスを図るため、新フリクションプレートを織り込んだアシスト&スリッパ―クラッチ、レシオを最適化した(1・2速をハイギアード化)トランスミッションを採用。優れた乗り味に寄与しています。乗り味については、専用に作り込みを行い、狙ったラインでセカンダリーロードを気持ちよく走行できるハンドリング性能に貢献しています。
 
3) 最新の鋳造技術を駆使した軽量新フレームと軽量ホイール
【フレーム】最新の製造技術を駆使した最低肉厚1.7mm※の新フレームを採用しました。軽快な運動性を支え、デザインの自由度を大きく高めています。剛性特性は、直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・ねじり剛性を最適化。とくに横剛性は従来比で約50%アップし、直進安定性に貢献しています。

※2021年「MT-09/TRACER9 GT」と同一仕様

 
【リアフレーム】水平基調で低く構えたシルエットを実現させるために専用設計しました。新デザインのロー&スリムなシートとあいまって、80年代レーシングマシンのような、やや腰を後ろに引いたライディングポジションにしています。また、シルエットとして無駄なモノが付いていない印象となるよう、収納時はフレームと一体化して見える可倒式リアフットレストを採用しました。
 
【リアアーム】新設計リアアーム※は、従来比55mm延長、ホイールベースをやや長くし直進安定性を強めています。シルエットも洗練され、走りを主張する足回りが強調されました。
※2021年「TRACER9 GT」と同一仕様
【ホイール】鋳造ながら鍛造に匹敵する強度と靭性を備えるヤマハ独自の“SPINFORGED WHEEL(スピンフォージド ホイール)”技術による軽量ホイール※を採用。従来比前後で約700gの軽量化を図り、バネ下重量を低減。これにより、軽快かつ安定感のある走りを実現。リアの慣性モーメントは 11%低減しており運動性に貢献します。
※2021年「MT-09/TRACER9 GT」と同一仕様
4) 「IMU(Inertial Measurement Unit)」を活用し運転操作を支援する各種制御
 2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を図った「IMU※」を搭載。
「IMU」の情報を受け取り車両側にフィードバックする ECU(Engine control unit)にはトラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステムを織り込んでいます。個々の制御は相互に連動してライダーの運転操作を支援、マシンのポテンシャルを効率よく引き出します。 各システムとも、介入レベル調整、および ON・OFF設定が可能です。
 また、ブレーキコントロールやシフトダウンにも対応するクイックシフター※も搭載しています。
※2021年「MT-09/TRACERr9 GT」と同一仕様
 
5) 新丸型LEDヘッドランプやフルカラーTFTメーターの採用
 照射方向左右の広がりや明るさ、さらにバンク時の配光特性にも配慮したLEDヘッドランプを新開発しました。 LED化やエイミング機構の効率化を図ることで本体の前後長を極力薄くし、車体デザインと融合させています。
 また、3.5 インチのフルカラーTFTメーターは、回転数に応じて色が変化するデジタルバータコメーター、燃料計、平均燃費、水温計、外気温計、シフトインジケーター (使用ギア表示エリア色反転)、ETCインジケーターの表示機能※などを備えています。
 ほかにもステーの形状や仕上げなど、細部にまでこだわりヤマハレーシングヘリテージを追求しました。
※二輪車用ETC車載器アンテナ分離型JRM-21を装着し、車両に装備されているETCコネクターに接続すると、メーター内のETC表示機能を使用できます。

主要諸元

  

車名型式 8BL-RN80J
XSR900 ABS
発売日 2022年6月30日
全長×全幅×全高(m) 2.155×0.790×1.155
軸距(m) 1.495
最低地上高(m) 0.140
シート高(m) 0.810
車両重量(kg) 193
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 31.1(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
20.4(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ)
最小回転小半径(m)
エンジン型式 N718E
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 888
内径×行程(mm) 78.0×62.0
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 88[120]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 93[9.5]/7,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 TCI(トランジスタ式)
潤滑油方式 ウェットサンプ式
潤滑油容量(L) 3.50
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.571
2速 1.947
3速 1.619
4速 1.380
5速 1.190
6速 1.037
減速比1次/2次 1.680/2.812
キャスター(度) 25°00′
トレール(mm) 108
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
180/55ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。





2022/05/26掲載