モビリティリゾートもてぎ
4月2日(土)曇り 観客数2200人
4月3日(日)曇り/雨 観客数3300人
ツインリンクもてぎが新装開店、「モビリティリゾートもてぎ」となって、全日本ロードレースの開幕戦が行われました。4月に入り、暖かくなってきたところでしたが、寒波の到来により、例年より低い気温、また決勝日は午後から雨になり、選手にとっては厳し目の開幕戦となりました。
J-GP3クラスは、チャンピオン尾野弘樹選手(#1)の真後ろにポールポジションの#7木内尚太選手が食らいつく。尾野は木内をブロックしながら終始トップを守りつづけたが最終ラップ、ダウンヒルストレートで木内が勝負に出て、全日本初優勝!
600ccの市販車をベースにしたST600クラスには、Moto2優勝ライダーの長島哲太が新チーム「TN45 with MotoUP Racing Team」を立ち上げ参戦。ライダーに2020~21年とレプソルインターナショナル選手権Moto2クラスに参戦していた羽田大河選手(#37)、2019年アジアタレントカップのチャンピオンでレッドブルルーキーズカップに参戦していた西村 硝選手(#38)を起用し、大きな話題となりました。
レースは7台に膨らんだトップグループを荒川晃大選手(#3)、羽田、國井勇輝選手(#33)、松岡玲選手(#11)、小山知良選手(#2)が牽引し、7ラップ目に羽田がトップに。昨年までMoto3に挑戦していた國井は初の全日本参戦、羽田の背後につけていたが15周目に痛恨の転倒。トップグループは5台の集団のまま、最後は羽田と小山の師弟対決となり、羽田が小山を従えて全日本初優勝。
JSBクラスは土曜と日曜で2レースの開催。主要メンバーの清成龍一選手、名越哲平選手は開幕前テストの怪我で欠場。加賀山就臣が全日本を卒業してヨシムラとタッグを組み「ヨシムラ スズキ ライドウィン」の監督に就任、ライダーは渡辺一樹選手(#15)を起用。また、昨年ST1000に出場していた岡本裕生選手(#29)がヤマハファクトリーに加入、ライバルの作本耕介選手(#27)もステップアップし、ニューフェイスを迎えてのJSBクラスレース1。
スタート直前にディレイとなり、仕切り直しとなったレースは周回数が14ラップに減算されてのスタート。飛び出した渡辺だったが、直後に中須賀克行選手(#1)がトップを奪い、亀井雄大選手(#6)が3番手にあがると思えば、濱原颯道選手(#2)が亀井をアウトからまくり、作本も勢いで前に。そして亀井がまた作本を抜き返すという、オープニングラップから激しいポジション争いが繰り広げられた。
トップグループは中須賀、渡辺、濱原と続くが、次第に濱原が遅れ、中須賀と渡辺の戦いに。その渡辺も最終ラップには引き離され、開幕レース1は中須賀が制した。岡本と作本のルーキー対決は岡本が競り勝ちJSBクラスデビューを5位でチェッカー!
日曜に行われたレース2は、グリッドについたタイミングで雨粒がポツポツと。ウォームアップラップに向かったところで雨により赤旗が提示された。上位陣はレインタイヤに履き替えてのリスタート。フルウェットとはいかない難しいコンディションのなか、渡辺がトップに踊り出るが、渡辺よりペースの良かった濱原が前に。雨の走りを理解した岡本が徐々にポジションを上げて渡辺、濱原と抜き去り5周目にはトップに立つ。中須賀も岡本についで2番手を走行。岡本は中須賀をしたがえてラップを重ね、中須賀が真後ろに迫ると更にペースを上げて防戦。
中盤の13ラップ目、岡本がラインを外し、バランスを崩したところで中須賀がすかさず前に出る。逃げる中須賀に岡本も食い下がり、2人の距離は変わらず、周遅れを交わしながらテール・トゥ・ノーズの戦いに。岡本は19ラップ目にはファステストラップを刻み、ラスト2ラップ、S字で中須賀を捉えようとインを差すが、流石のチャンピオンはクロスラインで応戦、ヘアピンで再度真後ろに迫るも抜くには至らず、繰り広げられたバトルの結果、中須賀が0.55秒差で岡本を従えてヤマハのワンツーフィニッシュ。中須賀は開幕2連勝、ルーキー岡本はJSBデビューの初表彰台を獲得!
ST1000クラスは、いったん雨は止んだものの、コース上は乾き始めた部分とウェットが混在する状況。グリッドでの作業時間オーバーにより昨年のチャンピオン、予選2番手の渡辺一馬選手(#1)には30秒のペナルティが課せられる。レースは渡辺と高橋裕紀選手(#10)の2台の争いとなり、渡辺が一度も譲ることなくトップでチェッカーを受けるが、ペナルティにより6位のリザルトとなる。優勝は高橋、2位に南本宗一郎選手(#3)、3位はスポット参戦の前田恵助選手(#7)。
(撮影・レポート:楠堂亜希)