KAWASAKI Ninja ZX-25R SE 車両解説
Ninja 250の歴史を簡単に振り返っておくと、初代、Ninja 250Rが登場したのは2008年4月。発売開始されるやいなや多大な注目を集め、250クラスにフルカウルスポーツ旋風を巻き起こしている。その後も人気に支えられて毎年のようにカラー設定を更新、リフレッシュ化が行われてきた。そんな中で、2010年には特別なカラー&グラフィックを採用したスペシャル・エディションがリリースされている。2011年6月にもスペシャル・エディションがラインナップされた。ライムグリーンのボディカラーをベースにブラック基調のグラフィックを採用したモデルで、前後にはピンストライプを配したホイールを装備して400台の限定という内容だった。2か月後の2011年8月には、Ninja 250R本体の2012年モデルが登場。といってもカラー&グラフィック変更のみで価格、主要諸元に変更無し。2012年4月には、その2012年モデルにカラーの追加が行われた。メタリックスパークブラックの車体カラーをベースにグラフィックを配したもので、300台の限定発売だった。
そして2013年の2月、2代目へとバトンタッチしている。「Ninja 250」と車名から「R」の文字が外された。またベーシックモデルのNinja 250だけでなく、同時発売でNinja 250 Special EditionとNinja 250 ABS Special Editionも登場している。
“Ninja一族”のイメージをさらに強調したスタイリング、そしてクラスを超えたパフォーマンスとクオリティを実現したフルフェアリングデザイン。 搭載された水冷パラレルツインエンジンは、デュアルスロットルバルブを装備することで全回転域にわたってリニアなレスポンスを手に入れ、低中速回転域ではスムーズかつトルクフル、高速回転域ではパワフルに吹け上がるエンジン特性を実現した。
また、バランサーやラバーマウントを採用することで不要な振動を抑えるとともに、熱気を下方へと逃がす新設計のラジエターファンカバーを搭載し、ライダーの快適性も確保。 優れた剛性バランスと耐久性を持つダイヤモンドフレームには高張力鋼を採用。 前後サスペンションの設定はスポーツライディング時のしっかりとした車体の安定感と俊敏なハンドリング性能、そして快適な乗り味を両立させていた。
ツインNinja 250の系譜からは離れるが、2014年2月、250シングルエンジンを搭載する“Ninja RR mono”が海外で発売される。主に東南アジア向けのフラグシップ的モデルとされていたが、2015年4月には日本向けにも“Ninja 250 SL”として正規輸入販売された。スーパーライト(Super Light)の車名が車体の軽量さ表していたが、女性や初心者向けに反響を得たが、ツインNinja 250のようなベストセラーとはならなかった。ちなみに車両重量は、Ninja 250より20kg以上も軽い149kg。
この年の9月には、2代目Ninja 250の2016年モデルとして、メーターパネルのデザインが変更され視認性を向上させたほか、カラー&グラフィックを変更したマイナーチェンジ版が発売されている。ちなみに今やおなじみとなった「KRTエディション」の第一弾は、2015年11月の発売で、KRTがスーパーバイク選手権に参戦した記念のカラーを纏って登場している。
そして2018年のフルモデルチェンジで、Ninja 250は3代目に発展する。完全新設計の水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ、248cm3エンジンを、Ninja H2からインスパイアされたという新設計のトレリスフレームに搭載。φ41㎜のフロントフォークに、これまたH2イメージのスイングアームマウンティングプレートシステムを採用したリアサス周りなどを組み合わせている。
また、3代目Ninja 250のトピックのひとつとして、同時に新型に生まれ変わった兄貴分のNinja 400の存在がある。250と共通の車体に、これまた250と共通ベースのエンジンを398ccへと排気量アップして搭載するという新戦略をとったことだ。新型Ninja 400は、それまでの安定志向のツーリングマシンから身軽なスプリンターへと変身したといえる。それはともかく、この3代目Ninja 250も、最高出力27kW(37PS)/12,500rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpmの実力をもって、自らが開拓したフルカウル250スポーツ戦線での地位奪還を図ることになる。
さて2020年9月に発売開始されたNinja ZX-25、フルカウルスポーツ250Ninjaとしては4代目となるのだが、衝撃の4気筒エンジン搭載で、ツイン250とはまったく別の新しい250Ninjaヒストリーが始まったといっていいだろう。車名にも誇り高き「ZX」が与えられている。ちなみに、カワサキの250クラス4気筒エンジンとしては、1989年発売の“ZXR250”や1991年の“バリオス”などがあるので実に30余年ぶりの復活だ。
開発コンセプトは『スクリーミング・インラインフォー・パワー』。
Ninja ZXシリーズを名乗るにふさわしいサーキット走行性能の高さに加え、街乗りでの快適性を併せ持った、現在このクラスでは唯一の並列4気筒エンジン搭載マシンだ。33kW(45PS)を誇る完全新設計の並列4気筒エンジンは、高回転域のパワーとトルクフルな低中回転域とを兼ねたチューニングが施され、17,000rpm以上の高回転域を実現するスクリーミング・サウンドが、高性能な4気筒エンジンを搭載したマシンであることを強烈にアピールするという。
そしてその並列4気筒エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出す、新設計の高張力鋼製トレリスフレームに搭載。スーパーバイク世界選手権参戦マシンのシャーシデザインを250ccクラスにフィードバックしたものと説明されている。また、クラス初装備であるSFF-BPフロントサスペンション、ホリゾンタルバックリンクリアサスペンションなどに加え、高性能な装備を多数搭載し、サーキットでのスーパースポーツハンドリングはもちろん街乗りでの扱いやすさも獲得している。
2021年9月には、カラー&グラフィックの変更が行われている。カラーラインナップは「ライムグリーン×エボニー」(GN1)、「メタリックマットグラフェンスチールグレー×メタリックスパークブラック」(GY1)、「メタリックスパークブラック」(BK1、継続)。
そして今回、追加のカラー「メタリックマットトワイライトブルー×メタリックマットフュージョンシルバー」がラインナップに加わった。
★カワサキ ニュースリリースより (2022年1月12日)
Ninja ZX-25R SE 追加カラー発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) Ninja ZX-25R SE
- マーケットコード ZX250GNFNN
- 型式 2BK-ZX250E
- 型式指定・認定番号 II-370
- Ninja ZX-25 メーカー希望小売価格 935,000円
(本体価格850,000円、消費税85,000円) - カラー(カラーコード) メタリックマットトワイライトブルー×メタリックマットフュージョンシルバー(BU1)
- 発売予定日 2022年2月1日
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は含まれません。
- ※当モデルは川崎重工業株式会社の海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand) Co.,Ltd(KMT)で日本向けに生産された車両です。
- ※当モデルはABS装着車です。
- ※メーカー希望小売価格は消費税10%を含む参考価格です。
- ※掲載のSEモデル画像のシングルシートカバーはオプション(別売り)です。また、日本仕様に「4‐CYLINDER」のロゴはありません。
- 【Ninja ZX-25R】
249cm3並列4気筒エンジンを搭載したスーパースポーツモデルNinja ZX-25R。最大出力33kw(45PS)を発揮するエンジン、官能的なエキゾーストサウンド、そのパフォーマンスを最大限に引き出すフレーム、アグレッシブなNinjaスタイリング、KTRC(カワサキトラクションコントロール)やオートブリッパ-付きのKQS(カワサキクイックシフター:SEモデルに標準装備)をはじめとする数多くのライダーサポートシステムを搭載し、Ninja ZXシリーズを名乗るにふさわしいモデルに仕上がっています。サーキット走行性能の高さに加え、街乗りでの快適性を併せ持ったこのモデルは、エンジン回転数の上昇とともにライダーをその魅力の虜にします。
- ■主な変更点
- ・カラー&グラフィックの変更
主要諸元
車名型式 | 2BK-ZX250E | |
---|---|---|
Ninja ZX-25R SE | ||
発売日 | 2022年2月1日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.980×0.750×1.110 | |
軸距(m) | 1.380 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.785 | |
車両重量(kg) | 184 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 24.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
18.9(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
最小回転小半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 50.0×31.8 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 33[45]/15,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 21[2.1]/13,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | バッテリー&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 2.9 | |
燃料タンク容量(L) | 15 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.928 |
2速 | 2.055 | |
3速 | 1.619 | |
4速 | 1.333 | |
5速 | 1.153 | |
6速 | 1.037 | |
減速比1次/2次 | 2.900/3.571 | |
キャスター(度) | 24.2° | |
トレール(mm) | 99 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H |
後 | 150/60R17M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | φ310mm油圧式シングルディスク |
後 | φ220mm油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | φ37mmテレスコピック式 |
後 | スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク) | |
フレーム形式 | トレリス |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。