sわけにはいかず、2013年2月、新型Ninja 250へとモデルチェンジが行なわれた。
ただそれだけで終わらなかったのが勢いに乗るカワサキだった。Ninja 250の人気に油断することなく、Ninja 250をベースに兄弟モデルといえる“ストリート・ファイター”を開発していたのだ。フルカウル・スポーツの次は、Z1000やZ750/800でカワサキ・デザインの真髄ここにあり、のイメージを築き上げた“アグレッシブ・ストリート・ファイター”を、なんと250でも展開しようと放ったのがZ250だった。
まさしく“インスパイアZ1000”で、そっくりスケールダウンしたかのような思い切りの良いアグレッシブ・デザインのZ250は、Ninja 250のエンジン、フレームをベースに、イメージだけではなく、実際にZ800のマルチリフレクターヘッドランプを流用してしまうなど、“アグレッシブ・ストリートファイター”のDNAをキッチリ受け継いでいた。
当時、新型Ninja 250のデザインに唸らされた方は多いだろうが、2ヵ月遅れで登場したZ250は、また別の魅力を放っていた。これこそ国内のユーザーが絶えて久しく待ち望んでいた“ジャパン・クォーター”の再来、といえるモデルだったのだ。ただ、それに対して400クラスはどうかというと、残念ながらNinja 400のネイキッド版といえるER-4nは大きな注目を集めることはなかったといえる。車名からして何故「Z400」ではなかったのか、という意見も多々聞かれたが、ストリートファイターと呼ぶには、あまりに正統派の良くできたツーリングモデルだった。勝手な推測はともかく、Z400のポジションになるべくリリースされたER-4nは、残念ながら1代限りでラインアップを外れている。
2019年2月、満を持してZ250の発売と同時にラインアップされたのが新しいZ400で、車体からエンジンまで、250と共通する部分が多く、排気量が大きい分、よりスポーティな走りが期待されるモデルとしてZファンの巻き返しに注目が集まった。トレリスフレームの採用などにより軽量化された車体に、250と外形サイズはほぼ同一というコンパクトな400ツインを搭載しているた。
しかも6年ぶりに復活した新型Z400は、先代が“アグレッシブ・ストリート・ファイター”を提唱していたのに対し、Zシリーズのフラッグシップモデル、Z1000が持つ「Sugomi」スタイリングにインスパイアを受たというまったく新しいボディワークが採用されていた。「アグレッシブで俊敏、かつ勇ましい印象を与えるデザイン。都会の喧騒を縫うように走っても、街の片隅にたたずんでいても、この軽量さとパワフルさを併せ持つスーパーネイキッドは人々を必ず振り向かせる魅力を放つ」とされている。
エンジンは、全回転域での出力向上を実現した新設計のパラツイン。Z250では最高出力27kW(37PS)/12,500rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/10,500rpmを発生したいたのに対して、Z400では最高出力は35kW(48PS)/10,000rpm、最大トルクも38N・m(3.9kgf-m)/8,000rpmと圧倒的なパワーがプラスされた。
そしてそれを搭載するフレームは、これまたNinja H2からインスパイアされたというトレリス構造の超軽量フレームだ。足回りも大型モデル並みのφ41mm正立フォークが採用されている。ブレーキもZ1000と同径のφ310mmセミフローティングペタルディスクと徹底している。アシスト&スリッパークラッチの装備も当然引き継がれている。
「Sugomi」デザインを象徴するヘッドライトはLED製。インストゥルメントパネルはZ650と同系。アナログスタイルのタコメーターの中央にギアポジションインジケーター、その下にはマルチファンクション液晶スクリーンを備えてライダーを走りへといざなう。
まさにこれでもか、の大盤振る舞いの新型Zシリーズ。“ヨンヒャクZ”の復権なるか、という意味でも大いに注目されるモデルだ。
2019年11月には、その新型Z400初のモデルチェンジで、カラー&グラフィックの変更が行われた。「メタリックマットグラファイトグレー×メタリックスパークブラック」(GY1)と、「キャンディスチールファーニスオレンジ×メタリックスパークブラック」(OG1)、2色ラインナップとなっていた。
2020年11月のモデルチェンジもカラー&グラフィックの変更のみで、「キャンディライムグリーン×メタリックフラットスパークブラック」(GN2)と「メタリックフラットスパークブラック×メタリックスパークブラック」(BK1)、2色のラインアップに。
今回のカラーチェンジでも2色のラインアップは変わらず、「キャンディライムグリーン×メタリックスパークブラック」(GN1)、「パールロボティックホワイト×メタリックマットグラフェンスチールグレー」(WT1)に。
★KAWASAKI ニュースリリースより (2021年7月29日)
Z400 発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) Z400
- マーケットコード ER400DNFNN
- 型式 2BL-EX400G
- 型式指定・認定番号 18750
- メーカー希望小売価格 682,000円
(本体価格620,000円、消費税62,000円) - カラー(カラーコード) キャンディライムグリーン×メタリックスパークブラック(GN1)
パールロボティックホワイト×メタリックマットグラフェンスチールグレー(WT1) - 発売予定日 2021年9月24日
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は含まれません。
- ※当モデルは川崎重工業株式会社の海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand)Co.,Ltd(KMT)で日本向けに生産された車両です。
- ※当モデルはABS装着車です。
- ※消費税率10%に基づく価格を表示しております。
- 【Z400】
本格的スーパーネイキッドマシンZ400。軽量な車体に、高出力なエンジンを組み合わせライダーの気持ちを昂ぶらせます。排気量398cm3エンジンは、スムーズな吹け上がりと低回転域の力強いトルクを発揮。ビギナーからベテランまで非常に扱いやすいエンジン特性を実現しています。また、優れた安定性と高い操作性を実現するシャーシが、より俊敏なハンドリング性能を獲得。スーパーネイキッドZの誇る五感を刺激する乗り味、「Sugomi」パフォーマンスに貢献しています。スタイリングは、先鋭的な車体形状の「Sugomi」デザインを継承。シャープなスタイリングと独特なシルエットがライダーを魅了します。
- ■主な変更点
- ・カラー&グラフィックの変更
主要諸元
車名型式 | 2BL-EX400G | |
---|---|---|
Z400 | ||
発売日 | 2021年9月24日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.990×0.800×1,055 | |
軸距(m) | 1.370 | |
最低地上高(m) | 0.145 | |
シート高(m) | 0.785 | |
車両重量(kg) | 166 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 32.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
24.8(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 398 | |
内径×行程(mm) | 70.0×51.8 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 35[48]/10,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 38[3.9]/8,000 | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 2.3 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.928 |
2速 | 2.055 | |
3速 | 1.619 | |
4速 | 1.333 | |
5速 | 1.153 | |
6速 | 1.037 | |
減速比1次/2次 | 2.218/2.928 | |
キャスター(度) | 24.5° | |
トレール(mm) | 92 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70ZR17M/C 54H |
後 | 150/60ZR17M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | φ310mm油圧式シングルディスク |
後 | φ220mm油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | φ41mmテレスコピック式 |
後 | スイングアーム | |
フレーム形式 | トレリス |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。