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水野涼×ドゥカティ、史上初の快挙! 
ホールショットは野左根。魅せれるところはとことんプッシュしていく精神です。



真夏の祭典、鈴鹿8時間耐久レースが終わり、
全日本ロードレースも後半戦がスタート

~全日本ロードレース第5戦「もてぎ2×4レース」レポート~

 第5戦もてぎはJSB1000クラスのみ、4輪のスーパーフォーミュラとの併催となり「もてぎ2×4レース」として開催されました。ヤマハのチャンピオン中須賀克行選手と、SUGOで優勝した岡本裕生選手は8耐には出場しなかったため3か月ぶりのレースです。金曜日のプラクティスではインターバルの成果をみせて岡本選手がトップタイムでしたが、土曜日は40分の計時予選、開始10分でドゥカティの水野涼がリーダーボードのトップに出ます。水野はその後も好タイムを連発し、ポールポジションを獲得。2番手に岡本、3番手にホンダの野左根航汰とフロントローに若手ライダーが並びました。

決勝朝フリーでようやく調子があがってきたという中須賀克行。
8耐で貴重なデータと、自身も走り込みができたことでドゥカティの走らせ方に一段と理解が進んだ水野 涼。


8耐出場がなかったヤマハの岡本裕生、自転車トレーニングで追い込んでもてぎ入り。金曜はトップタイムで上々だったが……。
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ヤマハからホンダにスイッチした野左根航汰。ホンダ勢で断トツ!トップ争いにも加わる勢いを見せます。
昨年、一昨年とHRCで8耐優勝した長島哲太選手は今年は出場せずでしたが、チームは新しいスイングアームを投入。決勝はマシントラブルでリタイヤ。


清成龍一は開幕前に膝のじん帯を損傷、8耐は7位でした。膝を痛めていたのにトレーニングはランニングが好き。
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ジョアン・ザルコ、高橋巧とともにTeam HRC with Japan Postで8耐優勝した名越哲平。全日本はハルクプロから参戦してます。
Nitroノリこと芳賀紀行選手の息子は2人ともJSB1000クラスにエントリー、こちらは次男の涼大。


 決勝は気温も高まった昼の12時40分スタート。ホールショットを奪ったのは2番グリッドの野左根でしたが、バックストレートで水野のスピードが伸びます。あっという間に野左根をパスするとトップでオープニングラップを戻ってきました。水野は他より0.3秒以上速いペースで後続を引き離しにかかります。野左根の後方には中須賀と岡本。中須賀は5周目でようやく野左根をパスしますが、トップ水野との間は1.4秒の開きがありました。水野はハイペースで周回を続け、20ラップのレースの折り返しで4秒以上の差をつけます。中須賀の背後には岡本がつき、終盤はチームメイト同士の2位争いになりますが、岡本のペースが足りず3位に甘んじます。水野は他を全く寄せ付けない走りで独走で今季初優勝。MFJ全日本ロードレース史上で初めて、海外車両が最高峰クラスを制しました。

8耐では悔しい思いをしたが、走りこんだ経験は全日本では絶対にプラスになると挑んだ水野。
気合いの2番手グリッドから中須賀をおさえる走りをみせた野左根。


前に出たい中須賀だが、野左根に抑えられている間に水野との距離が開いて……。
5ラップ目に前にでた中須賀は水野を追います。このあと岡本も野左根をパスしますが、中須賀の前には一度も出られず。


チェッカー後のパルクフェルメにて水野を祝福する中須賀さん。
最高峰クラス初の海外車両での優勝を手に入れたDUCATI team KAGAYAMAは、当然の大盛り上がり。


 現在のポイントランキングは、中須賀136ポイント、水野117ポイント、岡本113ポイント、野佐根が72ポイント。シリーズは残り5戦。ドゥカティが初のタイトル獲得の可能性も見えてきました!

 全日本ロードレースはこのあと 9/7大分県・オートポリス(2レース)、9/29岡山県・岡山国際サーキット、 10/27三重県・鈴鹿サーキット(2レース)と続きます

水野 涼選手
「最高です! めちゃめちゃ嬉しいです! 1周目でトップに立てたので、序盤でプッシュをかけて後ろを離せたらと思っていました。最終コーナーを立ち上がってから、勝ったんだなぁと。チームもフェンスを越えて迎えてくれました。外国車が初優勝で、それが自分になれたことは光栄ですし、トップ争いに加わるけど勝てないレースが続き、やっと前に出てゴールすることができて、自分たち前半戦で積み重ねたことは間違っていなかったと結果で示すことができました」

中須賀克行選手
「自分も最後まであきらめずにやった結果が2位ということで、ほんとに、水野選手とチーム加賀山の頑張りの結果だと思います。おめでとうと言いたい。今回自分のリズムが悪くて、朝フリーで少しだけ調子が戻ってきて、何とかなるかなと思ったんですけど。もてぎは厳しいレースになるだろうと予想はしていましたが、自分なかではベストを尽くした。楽な展開にさせないで切磋琢磨しながらいいバトルをしようとしていましたが、一歩、二歩及ばすというね、完敗でした」

岡本裕生選手
「正直、昨日の予選では一発のタイムは出せなかったけど、アベレージのタイムも良かったので決勝に向けては自信がありましたし、こういう展開になるとは自分のなかでは思っていなかった。序盤スタートダッシュについていけず。中須賀選手と2番手争いだったのですが、力及ばず、最後にまた少し離されての3位ということで課題がたくさん残るレースだった。何が良くなかったのかチームでしっかり話し合って、オートポリスに挑みたい。今回は本当に水野選手が速かったです」

決勝は中須賀の前に出ることができず3位に甘んじた岡本は、「まだまだ課題の残るレースだった」と言う。
ハルクプロ・名越哲平の結果は7位。


唯一のスズキ車、津田拓也。
唯一のカワサキは佐野優人選手。


水野は昨年の最終戦で2連勝していますが、前が転倒での初優勝。中須賀欠場の2勝だったので、完全にライバルをおさえて優勝することができた今大会、「めちゃくちゃ嬉しい」と何度も言っていました。


(文・写真:楠堂亜希)

2024/09/02掲載