12月21日、『2023年度 第53回 内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞』の授賞式典が都内のホテルでおこなわれた。長年の功績に対し贈られる『スポーツ功労者 文部科学大臣顕彰賞』に、モーターサイクルスポーツ部門から東福寺保雄氏が受賞、華やかな授賞式に臨んだ。
プロスポーツ表彰では国内最高権威となる日本プロスポーツ大賞の受賞式典は、ホテルニューオータニ「芙蓉の間」で盛大におこなわれ、受賞各者のほか招待者、関係者、報道陣で埋め尽くされた。野球、サッカー、相撲や卓球など今年のプロスポーツ界で優秀な成績を収めた現役選手達に、新人賞や敢闘賞といった各賞が贈られる一方で、長年に渡る活躍と功績について顕彰をおこなうのが、スポーツ功労者文部科学大臣顕彰だ。
顕彰式典には盛山正仁文部科学大臣が登壇、「東福寺さんは、選手として全日本モトクロスチャンピオンを9度獲得されたほか、ご自身が代表を務める会社が経営する全国唯一のキッズスクールを通じて若手ライダー育成にご尽力されるなど、モーターサイクルスポーツの発展に大きく貢献されました。」と東福寺氏を紹介、顕彰状を読み上げ、授与した。スポーツ功労者には東福寺氏のほか、女子プロサッカー指導の草分け的存在である綾部美知枝氏、元レーシングドライバーで実業家の舘信秀氏が受賞した。2015年より制定されたこのスポーツ功労者賞において、モーターサイクルスポーツ部門からの顕彰は昨年の平忠彦氏に続いて東福寺氏が2人目となる。
「私が中学生の時にモトクロスを始めてから50余年、このような賞を頂くことができましたのも、皆様のご協力、ご支援の賜物と感謝しています。」とご本人は静かに喜びをかみしめる。壇上で他の受賞者やプレゼンターの皆様と並ぶ姿も、穏やかな笑顔とスマートな長身が映えた。
1980年から1990年に9回の全日本モトクロスチャンピオンを獲得して、当時を知る誰からも『80年代は東福寺の時代だった』と言われる伝説を築いた。『東福寺選手の前に出ないとチャンピオンは取れない』ライバル達もひたすらそう念じた。現役引退後は、若手育成の指導者として、レーシングチーム『T.E.SPRT』の監督として、さらにサスペンションチューン『バロックワーク』のスペシャリストとして活躍し続ける。東福寺氏の元でキッズから国際A級へと育ち、ワークスライダーやチャンピオンとなったライダーが現在までの各年代にいて、2023年は全日本レディスクラスタイトルを獲得。多忙な日々の中でも走ることが好きな東福寺氏は、趣味としてのモトクロスレースや国内外のラリー、エンデューロ、モタードなどモトクロス以外のレースにも参戦を続け、年月を経ても流麗なレジェンドの走りを披露する。温厚で気さくな人柄は誰からも親しまれる日本モトクロス界のスター。
東福寺保雄氏 1956年生まれ。
1980年国際A級125ccチャンピオン(ヤマハ)
1981年国際A級125ccチャンピオン(ホンダ)
1982年国際A級250ccチャンピオン(ホンダ)
1984年国際A級125ccチャンピオン(ホンダ)
1986年国際A級250ccチャンピオン(ホンダ)
1987年国際A級250ccチャンピオン(ホンダ)
1988年国際A級250ccチャンピオン(ホンダ)
1990年国際A級125cc・250ccチャンピオン(ホンダ)
(文・写真:高橋絵里 主催:公益財団法人 日本プロスポーツ協会 https://www.jpsa.jp/)