全日本ロードレース選手権シリーズ
第3戦・AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE
オートポリスで開催された第3戦は、第2戦鈴鹿と同じくスーパーフォーミュラと併催の2&4 レースのため、JSBクラスのみの開催。不安定な天候に振り回され、予選はウェットからの決勝レース1。翌日曜日は晴れて気温は急上昇して18ラップの耐久戦。全く違うコンディションでの2レース開催となりました。
土曜日のレース1は、スタートから抜け出した中須賀克行(#1)、すこし距離をおいてルーキー岡本裕生(#29)、渡辺一樹(#15)、濱原颯道(#2)、岩田悟(#8)、代役参戦の国峰琢磨(#3)が続きました。2周目のホームストレートで渡辺が岡本をパスします。ここから岡本と渡辺の2位争いがはじまります。
実は岡本、午前中に行われた予選で転倒。本人も「ここまで激しい転倒は久しぶりです」という程に高速コーナーでハードクラッシュを喫したばかり。前回の鈴鹿2&4レースで中須賀と壮絶バトルを演じた渡辺は、2週前にSUGOで行われたテストで転倒、ドクターヘリで搬送され、背骨の「横突起」骨折の重傷。出場が危ぶまれましたが痛みをおしての出場でした。お互い満身創痍の状態で何度か順位を入れ替えますが岡本が前、渡辺がピタリと後ろについてチャンスを伺います。
2人の気力、体力勝負のレース後半、渡辺はラスト2ラップの2ヘアで抑えきれずにコースアウト、すぐに復帰しますが岡本とは離れてしまいました。レースは13周、中須賀が終始トップを守りきり、2位以下に6秒近くの差をつけてトップでチェッカー、中須賀はこれで5連勝! 2位岡本、3位渡辺。
濱原と作本輝介(#27) の4位争いは、濱原のプレッシャーに作本が2ヘアでオーバーラン、さらに同じ場所で2度目のオーバーランをしてしまい、コース復帰で順位を落として6位となりました。5位は、開幕前に足首を骨折し2戦を欠場、今回が復帰戦の名越哲平(#5)が入りました。
日曜日は前日と打って変わって気持ちの良い晴天となりました。標高の高いオートポリスは厳しい日差しが照りつけ気温は上昇し初夏を思わせる観戦日和。
5ラップ追加され18ラップで行われたレース2。ポールポジションの亀井雄大(#6)を中須賀が背後にピッタリと付きます。レース1ではウォームアップで緊急ピットインとなり、大きく順位を落とした亀井でしたが、レース2ではホールショット! 中須賀を抑えて首位をキープ、中須賀もすぐには仕掛けずに様子を伺う前半戦。次第に3番手の岡本が追いつき、長いストレートエンドで3台が並ぶと「リズムを崩したくなかったのでそのままの勢いでいきました」とブレーキング合戦で岡本が一気に2台抜きしてトップに! 中須賀も亀井をパスし、今度は岡本と中須賀のマッチレース。3番手に後退した亀井は、4番手を走行していた渡辺と3位争いを繰り広げます。中須賀は10周目、上り区間でラインを外した岡本をパスしてトップに、岡本も食い下がりますが中須賀はインをきっちり締めてスキを見せません。
ラスト2周、中須賀の背後にピタリとつけていた岡本ですが、わずかなミスで離れてしまいます。優勝は中須賀、2位岡本。前日は歩くのもやっとだった渡辺がラストラップのホームストレートエンド、ハードブレーキングで亀井を抜いて3位に滑り込みました。表彰台は前日のレース1と同じ顔ぶれとなりましたが、若手の岡本の2台抜き、大先輩の中須賀にトライする姿や激しいブレーキ合戦に、二輪ファンはもちろん四輪レースを目当てに来場した観客もおおいに盛り上がる一戦となりました。
優勝:中須賀選手のコメント
「2人の走りをみて、チャンスが有れば前に出て残りの周回数を引っ張ろうと思っていました。地元だったので、応援団もたくさん来てくれて、このウィークはプレッシャーを感じて少し固くなっている面もありましたが、たくさんの応援とチームスタッフがいいバイクを用意してくれたおかげで良いレースをすることができました」
第4戦は6月4、5日にスポーツランドSUGOで全クラスが開催されます。
https://www.sportsland-sugo.co.jp/watch/4510/
(撮影&レポート:楠堂亜希)