KAWSAKI KX250 車両解説
2011年モデルで、フューエルインジェクションを採用、2012年モデルではさらに量産モトクロッサー初採用のデュアルインジェクターまで装備。全回転域でのエンジン性能を大幅アップするとともに、スムーズなレスポンスを実現。さらに2013年モデルでは、シリンダーをショート化することで圧縮比を上げ、全域でのエンジンパフォーマンスを向上。カプラー交換のみで簡単に3種類のマップから選択ができるDFIカプラーを新採用。フレームは剛性を最適化し、メインパイプをさらにスリム化することでコントロール性を向上、新たにセパレートファンクションフロントフォーク(SFF)タイプ2を採用、フロントブレーキマスターシリンダーには新型プッシュロッドタイプを採用するなど大幅な熟成が行われて来たKX250シリーズ。
そして、2013年7月発売の2014年モデルでも、「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」をコンセプトにさらなる戦力アップを目指して、ファクトリー仕様の「ローンチコントロールモード」を搭載、新ユニトラック リアサスペンションの採用、スイングアーム下にリンケージマウントを設置、またデュアル圧縮機能を設け、高精度なサスペンションセッティングを可能に、シリンダータンクにはカシマコートを採用し作動性の向上を図り、乗心地の向上と減衰性能、踏破性能の向上などが行われるなど、矢継ぎ早に改良が加えられているKX250F。
2014年8月発売の2015年モデルでは、さすがに一息かと思われたが、まだまだ表彰台の頂点に立つには改良の手を休めてはいられませんということで、ダウンストリームインジェクターの噴射角を変更して低中速回転時のパワーとレスポンスを向上、大径270mmのペタルディスク(前輪)を採用してブレーキ性能を向上、ライダーの好みに合わせて2種類のポジションが選択可能なフットレスト、ハンドルバーの位置を4段階に調整可能(調整範囲35mm)とするハンドルポジション調整機構、ハンドリングと安定性を向上させるためのフロントフォーク(SFF Type2)のバルブセッティング変更、リアサスペンションの減衰力のセッティングをそれに合わせて変更、フロントとリアの車軸をそれぞれ約31gと約32gに軽量化、等々まさに怒濤の熟成に次ぐ熟成が行われているモデルとなっている。
2016年7月発売の2017年モデルでもビッグマイナーチェンジが行われた。エンジン面では、オフセットシリンダーの採用、吸気ラインのダウンドラフト化、シリンダー内をプラトーホーミング処理、コンロッドの大端部のジャーナルベアリング化、ピストン形状の変更と軽量化が行われている。
車体面では、車両重量を1.6kg軽量化、ステアリングステムの変更、アルミペリメターフレームのスリム化、フューエルタンクからシートにかけてのフラット化とシームレスデザインの採用、フロントフォークのバルブセッティングの変更、リヤサスペンションのバルブセッティング、スプリングの変更、ナンバープレート、フロントフェンダー、フロントフォークガード、サイドカバー、リヤフェンダーの形状変更、リヤフェンダーにインテークダクトを追加、シュラウドのスリム化、シュラウドデザインにインモールドグラフィックを採用、そしてカラー&グラフィックの変更となっている。パソコンを使わずにエンジンマップが変更できる、コントローラータイプの「KX FI キャリブレーションキット」も採用された。
さすがに2018年モデルはモデルチェンジもひと休み、かと思いきや、進化の手綱は緩めず、でエンジン面ではインジェクターの取り付け角度の変更や、フューエルポンプの燃圧変更、吸気ダクト形状の変更、ファンネル管長の短縮、吸気バルブタイミングの変更、圧縮比の最適化などなどにより全回転域でパワー&トルクアップ。これに合わせてサスセッティングの変更も行われた。さすがに2019年モデルでは熟成の手はひと休み。兄貴分の「KX450」と同様、車名から「F」が取れてスッキリ「KX250」の表示に。それ以外はカラー&グラフィックの変更のみ。
で、満を持して2020年モデルでは大幅なモデルチェンジが行われ、カワサキのリリースによれば、『高回転域におけるパフォーマンスの向上とさらなる出力向上を実現したKX250。「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」というKXデビューから普遍の設計理念をもとに、歴代最速の4ストローク250cm3クラスのKXが誕生しました。高回転域のパフォーマンスと出力を向上した、249cm3水冷4ストローク単気筒エンジンは、吸気バルブの大径化、フィンガーフォロワーロッカーアームの採用、デュアルインジェクター、ダウンドラフト構造の吸気ラインなどレーサー直系の先進技術により、さらなる進化を遂げています』。
主な変更点は、最高出力を約3.3PS高めた新型エンジンで、レブリミットを向上した、フィンガーフォロワーロッカーアームの採用、高回転域における性能を高めるためのボア×ストロークの変更(78.0×52.2mm)、それぞれ異なる役割を担うデュアルインジェクターシステムの採用、車体面では、エンジンマウント剛性バランスを最適化した、アルミニウム製ペリメターフレーム、滑らかな動きと確実な減衰特性を発揮するファクトリースペックの大径コイルスプリングフロントフォーク、そしてより強力な制動力を発揮するブレーキシステムなど。
さすがに2021年9月発売のイヤーモデルでは、開発の手も一休み。カラー&グラフィックの変更で2022年モデルとしている。ならば2023年モデルは進化の年、ということで盛りだくさんの改良ラッシュです。
全回転域での性能向上を実現したエンジンは、シリンダーへの充填効率と燃焼効率を高めた吸気バルブの設計変更、ピークパフォーマンスを高めるためによりストレート化したダウンドラフト方式の吸気ダクトを採用、低中速域のトルクを向上のためロング化されたエキゾーストヘッダーパイプの採用、軽いクラッチ操作に貢献するクラッチプッシュロッドの材質変更(スチール→スチールキャップ+アルミシャフト)、より多くのシチュエーションに対応する1速ギヤのロング化、JMXからのフィードバックに基づきコーナリング性能を向上させた前後サスペンションのセッティング変更、トラクション性能と接地感向上に貢献するリヤタイヤのワイド化(100/90-19→110/90-19)、優れたグリップ感とフィーリング、荷重のかけやすさを実現するステップの形状と位置を見直し、リヤタイヤワイド化に伴う重量増軽減に貢献するステップのアルミブラケットとサスペンション周辺部品の材質変更、などなど。
★カワサキ ニュースリリースより (2022年5月9日)
KX250 発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) KX250
- モデルイヤー 2023
- マーケットコード KX252CPFNN
- 型式 –
- 発売予定日 2022年9月1日
- メーカー希望小売価格 847,000円
- (本体価格770,000円、消費税77,000円)
- カラー(カラーコード) ライムグリーン(GN1)
- ※KX250は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※メーカー希望小売価格は消費税10%を含む参考価格です。
- 【KX250】
世界最高峰のモトクロスレースと称され、激戦が繰り広げられるAMAスーパークロスとAMAモトクロスの4ストローク250ccクラスにおいて、最多タイトルを獲得しているKX。2023年モデルにおいて新たにアップデートが加えられたKX250は、その性能を大幅に向上させています。エンジンは全回転域で性能が向上。新しいタイヤとサスペンションのセッティング変更がコーナーリング時のハンドリングを改善しています。これらの組み合わせにより、ラップタイムを向上し、レーストラックにおいてさらに強力なマシンに仕上がっています。
- ■主な変更点
- ・全回転域での性能向上を実現したエンジン
- ・シリンダーへの充填効率と燃焼効率を高めた吸気バルブの設計変更
- ・ピークパフォーマンスを高めるためによりストレート化したダウンドラフト方式の吸気ダクト
- ・低中速域のトルクを向上のためロング化されたエキゾーストヘッダーパイプ
- ・軽いクラッチ操作に貢献するクラッチプッシュロッドの材質変更(スチール→スチールキャップ+アルミシャフト)
- ・より多くのシチュエーションに対応する1速ギヤのロング化
- ・JMXからのフィードバックに基づきコーナリング性能を向上させた前後サスペンションのセッティング変更
- ・トラクション性能と接地感向上に貢献するリヤタイヤのワイド化(100/90-19→110/90-19)
- ・優れたグリップ感とフィーリング、荷重のかけやすさを実現するステップの形状と位置を見直し
- ・リヤタイヤワイド化に伴う重量増軽減に貢献するステップのアルミブラケットとサスペンション周辺部品の材質変更
- ・カラー&グラフィックの変更
- ■オフロードエントリーショップとは
- エントリーユーザーをはじめ幅広いお客様にオフロードの楽しさをお届けする「オフロードエントリーショップ」。取扱いモデルはカワサキの「オフロードコンペティションモデル」とし、新しいモーターサイクルライフをご提案、サポートいたします。
主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
KX250 | ||
発売日 | 2022年9月1日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.190×0.820×1.270 | |
軸距(m) | 1.485 | |
最低地上高(m) | 0.345 | |
シート高(m) | 0.960 | |
車両重量(kg) | 108 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | – | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | – | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 78.0×52.2 | |
圧縮比 | 14.1 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | – | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | – | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | デジタルDC-CDI | |
潤滑油方式 | セミ・ドライサンプ | |
潤滑油容量(L) | 1.0 | |
燃料タンク容量(L) | 6.2 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.077 |
2速 | 1.688 | |
3速 | 1.438 | |
4速 | 1.235 | |
5速 | 1.045 | |
減速比1次/2次 | 3.350/3.846 | |
キャスター(度) | 27.1° | |
トレール(mm) | 118 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 110/90-19 62M | |
ブレーキ形式 | 前 | φ270mmシングルディスク |
後 | φ240mmシングルディスク | |
懸架方式 | 前 | φ48mm倒立テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(ニューユニトラック) | |
フレーム形式 | ペリメター(アルミニウム) |
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。