市販車をベースに争われるFIM世界耐久選手権(EWC)で、これまで16回のシリーズチャンピオンを獲得してきたSERT(スズキ・エンデュランス・レーシングチーム)と、スズキと共に鈴鹿8耐を中心にレース活動を続けてきた日本の名門・ヨシムラがジョイント。スズキのファクトリーチームとして参戦体制の更なる強化を図り「ヨシムラSERT Motul」として戦うことになった2021年シーズン。
鈴鹿8耐の中止により、10月9日にチェコ北西部・モストのオートドローム・モストで行われた最終戦「モスト6時間耐久レース」において、同チームでGSX-R1000Rを駆るグレッグ・ブラック/ザビエル・シメオン/シルバン・ギュントーリ組は3位表彰台を獲得。この結果により、シーズン累計ポイントでシリーズチャンピオンとなった。チームの前身であるSERTから2年連続17回目、スズキとしては20回目の栄冠となった。
2021 FIM 世界耐久選手権「ヨシムラSERT Motul」の成績
第1戦 ル・マン24 時間(フランス):優勝
第2戦 エストリル12 時間(ポルトガル):12 位
第3戦 ボルドール24 時間(フランス):優勝
第4戦 モスト6時間(チェコ):3位
シーズン累計ポイント
1位 ヨシムラSERT Motul:175.5
2位 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM:133
3位 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR:115.5
ダミアン・ソルニエ チームマネージャーのコメント
「タイトル獲得のためここモストに来て、同時に表彰台も獲得できれば言うことはないと思っていました。バイク・タイヤ・ライダーのパッケージはとてもバランス良く、リスクは最小限に、それでいてチャンスはしっかりとものにしていける体制となっていましたので、ミスさえなければチャンスをものにできると確信はありました。チャンピオン争いとなった#333 VRD IGOL EXPERIENCESが最後まで走れなかったのはライバルながら残念でしたが、ゴールラインでは歓びと感動、そしてヨシムラに対して大きな感謝の念でいっぱいになりました。ヨシムラとの協力関係により素晴らしい仕事を成し遂げることができ、このチームをとても誇りに思っています。前監督のドミニク・メリアンは信頼をもってSERTチームを私に託しました。新生チームのマネージャーとして、タイトルを獲得できたことを嬉しく思います」
加藤陽平チームディレクターのコメント
「ヨシムラSERT Motulとして臨んだ初年度にタイトル獲得を果たせて、とても嬉しくそして誇りに思っています。スズキのファクトリーチームとして耐久選手権を戦うことに大きな覚悟をもって臨みましたが、結果としてル・マン、ボルドールという2つの24時間耐久で勝利を収めるという、夢が叶ったシーズンとなりました。今回のタイトルは新生チームにとって初の獲得、スズキにとっては20回目となりました。今後もGSX-R1000Rを更に良いパッケージへと進化させるべく、スズキとヨシムラとSERTは互いにリスペクトしつつ共に働き、ワンフォーオール・オールフォーワンの精神で進んでいく所存です。初年度の結果としてタイトル獲得は、関係者の皆さん全員に対する最高のプレゼントとなりました! 多くのヨシムラ、SERT、そしてスズキファンの、ヨシムラSERT Motulに向けられた温かいサポートに感謝します。来年度もまた魅力的なチャンピオンシップを展開し、多くのファンの方々に楽しんでいただくと同時にタイトル防衛に全力を尽くします」