- ■文・写真:川崎由美子
- ■写真提供: MOTO TOURS JAPAN、Rubin Kostov/EDELWEISS Bike Travel、たかさん、きょうこさん、はじめさん、浅野さん
- ■主催:EDELWEISS Bike Travel https://www.edelweissbike.com/en// ■ツアー総代理店:MOTO TOURS JAPAN https://www.mototoursjapan.com/ja/
これまで2回に渡りヨーロッパツーリングのレポートをお送りしてきましたが、いよいよレポート最終回となりました。今回は、実際に海外ツーリングツアーに参加するにあたっての必要な細かい準備品や現地でのお財布事情などをお伝えしていきます。ツアー参加については、2024年に開催された今回のツアーを元にしてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ツアーに参加してみたい!と思ったが吉日」ってことで、ツアーの申込みを日本の総代理店であるMOTO TOURS JAPAN に申し込むのですが、前回、今回共に申し込む前に事前説明会をオンラインで開催しました。
オンラインなので気軽に参加もでき、ダイレクトに質問等ができるため好評です。事前説明会に参加できなかった場合でも、直接事務局にてコンタクトを取れば分からないことなど訊くことができるので、ぜひ事務局にご連絡してみてください。
気になる参加費ですが、この費用の内訳は以下の通りです。乗車する車種により参加費も異なりますが、大まかに5種類のカテゴリーに分かれます。
- ★ツアー代に含まれているもの
- ①毎日の朝食
- ②ランチ・ソフトドリンク
- ③ディナー・ソフトドリンク
- ④ライディングの日すべてのコーヒーブレイク
- *毎朝必ず出発前に1本の水のペットボトルが配給されるので、水分補給も万全
- ⑤オートバイの燃料
- ⑥峠道と高速料金
- ⑦ルート上のすべての観光費用
- ⑧走行距離無制限バイクレンタル
- ⑨オートバイ向けの第三賠償責任保険
- ⑩予約したオートバイのモデルに応じた免責金額を備えたオートバイ向けの包括的な車両保険
- ⑪安全に関するヒント・ホテル・ルート・観光スポットの詳細を含む英語のツアー情報パッケージ
- ⑫Edelweiss社の英語を話すバイクのツアーガイド
- ⑬Edelweiss社の荷物輸送用のサポートバン
- ⑭エーデルワイスライディングのアドバイス
- ※上記、EW社のサービスに加えて、現地での日本人スタッフ1名が含まれます。
- ★ツアーに含まれていないもの
- ①現地までの往復飛行機代
- ②国際免許取得費用
- ③パスポート取得費用
- ④ツアー中のアルコールドリンク代
- ⑤上記以外の施設利用代
- ⑥ライディングギア(ヘルメット・ジャケット・プロテクタ)はご持参ください。
- ⑦海外旅行保険代
- ⑧オートバイ保険(Cover All又はCover Plus)*
- ※参加費に含まれる第三責任保険とバイクのカテゴリーに応じて、自己バイクの損害に対する控除が付いた保険です。免責金額は、US$1.900~US$2.500となり、バイクカテゴリーにより異なります。オプショナルサービス(Cover All 又はCover Plus)をお選びください。
- 以上のような規定があるため、安心して参加できるのです。また私の場合は、以下を用意しましたので、参考にしてみてください。
- ②海外旅行保険も入っておきました! クレジットカードなどについている海外旅行保険もありますが、各社補償内容などもいろいろと異なるため、事前に調べておくといいですね。私の場合は、保険会社が運営する海外旅行保険に加入しました。そしていつもこのレンタルWi-Fiと海外旅行保険の2つは必ず入るようにしています。
① レンタル①Wi-Fiを空港で借りてツアー中どんなに高い山頂に行ってもずっとネット環境のいい状態でいました。日本で使用している携帯電話でも海外でそのまま使用できるプランがありますが、今回ナビ用にも使用したかったことと電波状態を安定させておきたかったにことなどいろいろ考えた末、携帯アプリではなくWi-Fiを借りることにしました。これに関しては個人差があるので、ご自身の進め方でいいと思われます。
★現地でのお金事情は……
実際にツアー参加して感じたのですが、ツアー代に全てが含まれているため、自分のお財布を開けたことがほとんどなかったくらいでした。強いて言えば、ビールを飲んだ時のビール代を1度か2度出したくらいとお土産を購入した時くらいで、ほとんどお財布を開けることなく済んだので非情に楽でした。
- ★持っていく荷物は?
- 現地に持ち込む荷物をよく聞かれるのですが、写真の通りです。とは言いながらも、荷物を羽田空港でチェックインするまでは
- ①預けるスーツケース1個
- ②機内持ち込み用の黒い小さなスーツケース
- ③機内持ち込み用リュックサックの中にヘルメット
- ④貴重品バッグのはずだったのですが、預ける大きな黒いスーツケースが既定の積載重量を超えていたため、急遽小さな黒いスーツケースに荷物を少し移して預けることにして、こういう時のために赤い機内持ち込み用のバッグに機内持ち込み用としてあふれた荷物を映して結局
- ①預けるスーツケース2個
- ②機内持ち込み用リュック(この中にヘルメット)
- ③機内持ち込み用赤いバック
- ④貴重遺品用のバック
という具合になりました。
荷物の中で消耗品は、シャンプーやリンス、化粧水位でほぼ往路と同じような中身。復路では、これにお土産の分が必要なので、往路でも少しキャパを確保していった方が無難ですね。
★ちょっとこお土産秘話!
帰りのミュンヘン空港での機内持ち込み保安検査場にて起こったまさかのダメ出しがあったのです。
というのも、ハライン塩岩抗にて試験管の形をした容器に塩を詰めてあるお土産を3本ほど購入したのですが、いわゆるプチプチ「気泡緩衝材」を日本から持参し忘れていたため、タオル地のハンカチやTシャツにくるんで衝撃がなく、形が崩れないヘルメットの中に入れていたのです。ヘルメットはリュックの中に入れているので、リュックも荷物検査のX線検査装置を通過するのですが、塩が何やら怪しげなものと判断されたようで、そこで私は止められ、「これを全部開けていいですか?」との質問に心の中で何が起こったのか想像がつかず、「いいですよ、どうぞ」と伝え、検査官たちが一つ一つ開けてみると「お~SHOEIのヘルメットではないですか?」と男性検査官が嬉しそうに話し、中にある試験管3本を見た途端に女性検査官が大笑い。「えっ??」とほほ笑む検査官たちの行動に私も思わず笑っちゃいましたが、「ハラインに行ったのね、それはよかったわ、これなら割れないわよね、よく考えたわね」と女性検査官。すかさず男性検査官が「僕もバイクに乗ってSHOEIのヘルメットをかぶっているよ、いい旅ができたようですね」とあの止められた時の緊張が吹っ飛んだ瞬間でしたが、「荷物を大切にして持ち帰る姿が素敵だ」と逆に褒められたのでした。それにしても没収されなくて良かったです。今度は、ちゃんとプチプチを忘れずに持っていこう!と、強く思ったのです。
このスーツケースは、ツアー中全てトランポにて搬送してくれるので、ツーリング中は雨具と貴重品などを入れたウエストポーチのみで走行。さらに今回の参加車両にはトップケースやパニアケースが各車に付いていたため、飲み物やカメラなど雨の心配も気にせずに入れる事も出来、さらには休憩中に散策する際にもジャケットやヘルメットを入れたりと、各人工夫しながら快適なライディングを楽しんでいました。
★ヨーロッパの気候は?服装はどうしたらいいの?
持参する荷物の中で一番気になり心配になりますよね。行く場所にもよりますが、若干日本の気候より全体的に1か月早く進んでいる、という具合で考えていただけるとちょうどいいかもしれません。
出発して走る季節が9月初旬なので、ジャケットでいえばメッシュ素材はNGです。
普通の7月、8月でもメッシュ等でヨーロッパを走る、特にアウトバーンなどを走るのは寒く感じます。もちろんGパンなどで1日中走るのも寒く感じてしまうのでNGですね。
今回参加者の皆様には3シーズン用の物で、アルプス(3000M級の山々が連なる)も走るので、インナーで調節可能なようにということをお伝えしました。
ちなみに、私は3シーズン用のジャケットにインナー自由に着脱可能なKUSHITANIのソフトシェルシングルジャケットを選び、パンツは革素材は荷物積載量で重量が嵩むので、動きやすく軽い、尚且つインナーでも調節可能なKUSHITANIのアロフトパンツを選んでいきました。いずれも柔らかい素材のため疲れ知らず、寒さ知らずでしたので安心したライディングを楽しめました。写真のパンツのインナーは、アロフトパンツとレインウエアがあったため、履くことはなかったので、次回は持っていかなくてもいいかな、という具合です。
そうそう、ヨーロッパのホテルには、コインランドリーがないホテルがほとんどなので、洗濯は不可と考えると、やはり毎日の下着類が心配になりますよね。
荷物が嵩む要因にもなりますが、私の場合は何が起こるかわからないと考えてしまう心配性な者なので、滞在日数分の下着、ライディング時に着るTシャツ等を持参しました。参加者の皆さんの中には、洗面所で簡単に下着を洗ってドライヤーで乾かした、という方もいらっしゃいました。
下着や衣類に関しては個人差があるので、ご自身が持参できる範囲内でいいと思います。ただ暑い分には薄着すればいいのですが、寒いのはつらいですからね。昼間は半袖で過ごせても夜は冷え込んだりしますので、薄手の羽織るものを用意すると安心です。
- ★おススメ持参品
- ①スリッパ……ホテルには、日本のホテルのようにスリッパなど用意されていないため、飛行機内、宿泊ホテル用に持参をおススメ
- ② 普段から飲み慣れている常備薬(頭痛薬や胃薬等)
- ③ プチプチ「気泡緩衝材」があるとお土産等を保護する点で便利
- ④ ライディング以外に着用するスニーカーなど
- ⑤ 薄手のジャケットや羽織る物
- ⑥ 何らかのアクシデントに遭わないために第2のお財布とパスポートコピー等
この他にも旅慣れていらっしゃる方などは、これも……あれも……なんて個々に持ち備えるものがあると思います。そんな荷物を用意している時も楽しみの一つですよね。
ひとりで旅することも楽しいのですが、海外のツーリングともなるとあれもこれも知らないことばかりだから……なんて考えていると、どんどんそのハードルが高くなってしまいがちですが、もし海外をツーリングしてみたい、と思っていらっしゃる方は、ぜひツアー型のツーリング企画に参加してみてください。知らなかったこと、気付かなかったこと、新たに知り得る事、世界観が変わったり、そうしてなにより一緒に旅をしたライダー仲間が増えることが何よりのお土産になるのかもしれませんね。
今年も2025年8月31日~9月6日に開催されます。ヨーロッパをツーリングしてみたい、と思っていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちと一緒に走りませんか?
ツアーの詳細はコチラです
MOTO TOURS JAPAN
https://www.mototoursjapan.com/ja/event2025/eamgja25.html
お気軽にお問合せ下さい。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
●川崎由美子プロフィール──二輪ジャーナリスト・アンサンブルピアニスト、二輪車安全運転特別指導員、‘91 SCORE Baja1000日本人女性初完走者、MAMA’S倶楽部主宰 、学生時代よりモデル、タレントとしてTV・ラジオのレポーター、タレントのバックコーラスなど多岐に渡り活動中。2006~2013年末まで8年間のドイツ駐在の経験を活かし、交通全般・生活全般の情報を提供している。