ようやくバイクシーズン到来となったこの秋……と思いきや、今年の猛暑の尾を引く残暑極まる去る9月15日、九州は大分にあるSPA直入にてKawasakiの主催するNinja ZX-25Rのワンメイクレース『Ninja Team Green Cup』が開催。しかもレディースクラスが新設され、九州のライダーたちも興味津々。さて、どんなレースが繰り広げられたのであろうか……。
■2024年9月14日（土） Ninja Team Green Cup 第4戦 SPA直入
■主催：（株）カワサキモータースジャパン
■文・写真：藤崎進一 ■協力：カワサキモータースジャパン
2021年より開催されているこの『Ninja Team Green Cup』。カワサキが誇る次世代クォーター4気筒モデルNinja ZX-25Rによるワンメイクレースとなっている。
「サーキットエントリーユーザーが安心してその第一歩を踏み出す事が出来る」をコンセプトとしているため、一般的なレースとは違いノーマルに準じた仕様で（※マフラーなどはJMCA認証モデルであれば装着OK）、言うなれば普段街乗りしている状態をベースに、ライトやウインカーなどの保安部品のテーピングや取り外し、ゼッケン類の装着などが基本車両レギュレーションとなっており、高額なチューニングやレース装備を要せず参加出来るのも魅力の一つだろう。
また、ツナギなどのレーシングスーツもオフィシャルレーシングスーツの着用を指定されているが、購入が難しい場合などはレンタルが可能となっている。
それ故に一部のクラスでは応募開始直後に満員となる程の人気を博し、初心者はもちろんの事、今シーズンからは「レディースクラス」も新設され、今回はさらに注目を浴びている。
レース当日、天候はあいにくの曇り。雨雲レーダーでの予報も見ると、ちょうど決勝時刻から降り出すとの事。こうした場合、レーサーたちはパドックで雨天時も考慮したセッテイング等に苦慮するものだが、今回は各参加者たちが通うショップやカワサキモータースジャパンからの応援もあり、初心者や女性陣に丁寧な説明と手厚いバックアップも行われた。
まずは予選第1ヒート。クラス1/2から予選が開始され、約30台が参戦。しかし、後半から小雨がパラつき出し、予選終了時には完全なウェット状態に。その後も降り続けるかと思いきや、今度は突如晴れ間に……。続くクラス（レディースクラス）の予選も終了し、休憩の後、いよいよ決勝を迎える事となるのだが、これ程目まぐるしく変わるこの天候も珍しいのではないのだろうか？
遂に迎えた決勝ヒート。まずはクラス1/2からのスタートなのだが、既に時間は1時を回り、空にはドス黒い雲が徐々に近付いて来ていた……。ドライコンディションでのスタートとなり、#87の松岡 功選手（M’S Factory RT）が圧倒的な強さを見せつけ2位に4秒差を付けフィニッシュ。
暫定表彰式の後、Lクラスがスタート。#14三代映里選手（癒やしのカワサキとダンロップ）が序盤より猛ダッシュを駈け、完全独走体制で見事優勝！ 2位には今回最多数で参加してくれていたTeam WITH＆カワサキプラザ福岡東の#27高野景子選手、3位はC&K Racing Teamの#17立花千愛選手が表彰台となりレディースクラスが無事終了。そして、その終了を待っていたかのように大粒の雨が降り出したのだった……そう、まるで祝福のライスシャワーの様に。
さて、最期にこの『Ninja Team Green Cup／レディースクラス』に参加したた#15柏田知美さんの感想のお言葉を紹介しよう。
「ゴール後の最終周回ではオフィシャルの方が手や旗を振って下さると共に“笑顔フラッグ”まで出して頂けました。感激しました！ サーキットがこんなに“心温まる場所”だとは全く想像していませんでした。SPA直入の“青い空”と“新緑の中”で走行出来た幸せを私は一生忘れません」
決勝レース終了後の『Ninja Team Green Cuｐ クラス1/2＆Lクラス』合同の記念ショット。通常のレースとは違い、Ninja ZX-25RというバイクとSPA直入というサーキットとの化学反応が起こした非日常……それは初心者や女性の方々には“一生の思い出“と成り得る体験なのである。
Ninja ZX-25Rを駆るオーナーたちよ……次は君たちの番だ！
（文・写真：藤崎進一）
