全日本ロードレース選手権・第3戦SUGOで開催されたST1000クラス決勝で、SDG Team HARC-PRO..から参戦した國井勇輝が勝利し、HARC-PRO. がチームとして100勝目を挙げた。
HARC-PRO.は、東京都武蔵村山市にある1984年に現会長・本田重樹氏が開業したバイクガレージ。地方選手権を経て、1987年に全日本ロードレース選手権に参戦。GP125クラスで島正人が初優勝したのが1999年。その後、2003年にはGP125で青山周平(現オートレーサーとして活躍)、GP250で青山博一(ロードレース世界選手権GP250チャンピオンを経て、MotoGPライダーとなり、現・WGPチームアジア監督)、ST600で小西良輝と、3クラスでタイトルを獲得する偉業を達成する。
2011年にはWGPから戻った中上貴晶(MotoGPライダー)をJ-GP2チャンピオンに押し上げ、再びWGPへと送り出した。これまでの全日本タイトル獲得の数は17となり、WGPへというライダーの夢を後押しして来た。全日本ロード最高峰クラスに参戦しているトップライダー、高橋巧や水野涼もハルク出身である。名越哲平は現所属ライダーとしてホンダのエースライダーとして活躍している。
勝利数は2023年で97勝を数え、今季第2戦もてぎで國井勇輝が99勝目を挙げ、3戦目のSUGOでも勝利し100勝を達成した。國井は「ハルクにお世話になり、まだ、日が浅いですが、100勝目という特別な勝利を挙げることが出来て光栄です。これからも、優勝を重ねて行けるように頑張りたい」と語った。
本田重樹氏は「1勝目を挙げた島正人を始め、後のGP250クラス最後の世界チャンピオン・青山博一、周平。参戦全レース優勝の中上貴晶、最多勝利の小西良輝、悲願だった最高峰クラスでチャンピオンを獲った高橋巧、生意気さでのチャンピオンは水野涼だな。良い子は名越哲平。恐らく全日本史上類をみない数の年間チャンピオンを輩出し、書き切れない位の多くのライダーによって成された通算100勝目を國井勇輝の快走によって完璧な100勝目を迎えられたのはとても嬉しかった」と振り返った。
青山兄弟を始め、中上貴晶と世界へとライダーを押し上げ、その育成能力の高さでも知られる。現在も全日本ロードのトップチームとして君臨している。鈴鹿8時間耐久でも3勝を挙げる実力で、内外の評価が高い。近年ではアジアロードレース選手権にも参戦、活動の場を広げている。100勝目を飾った國井は、今季は全日本ロード、アジアロードのダブル参戦で、両レースのタイトルを狙っている。
(レポート:佐藤洋美)