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レース・イベント

第39回ベテランモトクロス世界大会 24か国から1200名越え!

■レポート・写真:高橋絵里






 コロナ渦の時期の3年程は規模縮小だったワールドVETも、今年はすっかり本来の賑やかさ、華やかさを取り戻した。公式発表はエントリー1200名、その中でダブルエントリーする人も多いので実質台数は延べ1500台、いや1600台もいるだろうか。
「そんなに沢山いてどうやってレースするの? できるの?」といった素朴な疑問は、フルグリッド×3列を30秒間隔でゲートダウンする怒涛のスタート、さらには前のクラスが最終ラップのコース後半に差しかかるやいなや次のクラスがスタートするという、有無を言わさぬ進行こそがワールドVET。

タイトルスポンサーはカリフォルニアのホイールプロダクト企業DUBYA(ダービャ)。もちろん他にも多くの協賛が加わり開催、プロクラスや2ストレースには賞金がかかる。

 
 決勝レースは土曜と日曜の2日間で計3レース走って総合順位を決める。ノービスクラスからあり、レース初心者もワールドVET初参加の人も沢山いる。同年齢、同レベル同士で走るので、気遅れすることはなくグレン・ヘレンの全開を味わえる。
 コースは80歳でも周回できるようマイルドに作られている。が、グレン・ヘレン最大の特徴である長い登り下りの高低差は健在、ライダー達は極上のジェットコースターフィールを満喫するのだ。
(レポート・写真:高橋絵里)
 

バンク角、コース幅共に半端ないスケールの第1コーナーもまたグレン・ヘレンならでは。

 

コロナ渦を経て日本から復活参戦を遂げた、向かって左から田渕武(+55エキスパートクラス)、伊田井佐夫(監督・サポート役)、源治篤(+60エキスパートクラス)、チャンドラー佐藤(+65・+60インターミディクラス)夫妻、井口充(+45ノービスクラス)。全員が現地『STAPO』のレンタルマシンを利用し「思う存分ぶっ飛ばした!」
元AMAチャンピオンレジェンドのゲイリー・ジョーンズ71歳、今も週2ペースでライドし、この日も鮮やかに+70タイトル獲得。サポートはガールフレンドのアナリサさん。

 

52歳になった『キング オブ スーパークロス』ジェレミー・マクグラスも登場。彼の歩くところすべて拍手と歓声、指笛に包まれるスーパースターだ。現在はカワサキのアンバサダーを務める重鎮。
マクグラスは2スト125レースに2004年型KX125で、往年の走りとウェアに会場は大感動。プロサーキットの究極仕上げKXとはいえ、他社新型を寄せつけない速さはさすが。

 

賞金100ドル紙幣の束がキャッシュ贈呈された2スト125+50クラス表彰台。優勝マイク・ブラウン、2位マクグラス、3位ダグ・デュバックの豪華顔ぶれ、トップ10にはカート・ニコル、タイ・デイビスといったレジェンドの姿も。
海外からの参加者に向けレンタルバイク業も盛ん。ヨーロッパ各国、オーストラリア、カナダや南米などのライダーが利用してパドックは万博状態に。

 

フラッグマーシャルのおばさまがインパクト。チェッカーフラッグ、ラスト1ラップの白旗や時には黄旗も繰り出してキビキビ活躍。
「まだまだ走るぜ」と熱いのがカンレキ+60エキスパートクラス。ホールショットを取りに行く#15ダグ・デュバック、それに並ぼうとする#891日本の源治篤!

 

ビール片手に仲間の応援、は万国共通。足に貼ったシップが健闘を物語ります。
日の出と同時に公式練習、2日間に渡り午前8時半から決勝各27レースを消化。サンド質の路面はレース中も頻繁に水撒きされベストコンディションだ。

 

御年82歳のラルスさん(右)「転んじゃったよ~」それでも+80クラス連覇。スペインの美容整形外科医のジョアキムさん(左)もワールドVETに魅せられたリピーターだ。
「カリフォルニアの太陽はイーネ!」カナダのディグラーフ夫妻、地元アルバータ州はもう真冬なんだそうで、避寒も兼ねて悠々自適の長期遠征は羨ましい。

 

アルゼンチンのデュランさんは、レンタルマシンTAPOを利用して初参加。「ものすごい台数と広いコースにはびっくりした。最高に楽しいね!」
パドックにエクアドルの国旗を掲げたクワンさんも初参加。+30プロと+25エキスパートを走るとは、ワールドVETでは若者!

 

芸術的ヒゲライダー、だだっ広い会場で受付本部、売店やパドックの移動に自転車はよく見る光景。
モヒカン頭の方の職業は「俳優」さん、お友達の方の職業は「詩人」さん、二人の共通は休日のモトクロス。国も年齢も職業も、ワールドVETは色々な人に出会えます。

 

国別・年齢別対抗のネイションズレースも併催。みんな国旗やウェアで自国をアピールしながら盛り上がり、今年の優勝はイタリアに。ボンジョルノー!

 

毎回恒例のレジェンド表彰『エディソン・ダイ賞』には、カスタムペイントの第一人者で世界のオフロードレーシングシーンに君臨するトロイ・リー氏が受賞。家族も駆けつけ、セレモニーやサイン会でファン交流をおこなった。レジェンド文化の伝承が熱い。
レースを終えて「お疲れ様!」のチームニッポンとサポート隊。佐藤選手は+65インターミディ優勝、田渕選手は+55エキスパート4位入賞を果たしてメダルを下げる。早くもみんな「来年はあーしてこーして……」と1年後の計画算段を口走る。こんな素晴らしい体験、やめられませんね!

 





2023/12/01掲載