2023MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ
第6戦・オートポリス
全日本ロードレース第6戦は大分県のオートポリスで行われました。第5戦もてぎ大会は4輪のスーパーフォーミュラとの併催によりJSBクラス1レースのみでしたが、今回は全クラス開催となり、JSBとST1000クラスはそれぞれ土曜にレース1、日曜にレース2の2レース決勝と、2輪ファンがレースをたっぷり楽しめるラウンドとなりました。
JSB1000
第5戦ではトップ4台の混戦バトルとなったJSBクラスですが、序盤からヤマハファクトリーの中須賀克行選手(#1)、岡本裕生選手(#3)が抜け出す展開に。ヤマハの2台は後続に1周1秒近くの差をつけて3位以下をぐんぐん引き離していきます。3位争いは津田拓也選手(#37)と水野涼選手(#36)、その後方では亀井雄大選手(#5)と作本輝介選手(#4)、伊藤和輝選手(#38)。ヤマハの中須賀選手と岡本選手は終始テール・トゥ・ノーズの争い。レース後半、残り10周で中須賀選手が前に出るも、次の周にはまた岡本選手が。最後まで繰り広げられた2台でしたが、ラストラップに入ろうとする最終コーナーで中須賀選手が岡本選手をパスするとチェッカーまで岡本選手を完全に抑えきって優勝。3番手争いは津田選手が制し、4位に水野選手。レース後半、作本選手と亀井選手を抜いて桜井ホンダのルーキー伊藤選手が5位に滑り込み。
日曜に行われたレース2はレース1より3ラップ多い18ラップで行われました。ホールショットは岡本選手。中須賀選手を従えてヤマハの2台が飛び出しました。3周で3秒離れた後方では3番手の水野選手以下、亀井選手、津田選手、岩田悟選手(#7)、名越哲平選手(#15)。津田選手が積極的に仕掛けますが5周目に入る最終コーナーで惜しくも転倒。ヤマハのファクトリー2台は別次元の速さで逃げながら、チームメイト同士の激しいトップ争いを繰り返します。その後方、9周目には亀井選手をパスした名越選手が水野選手の前に出て3番手にあがるも、水野選手がまた取り戻すというような3位争いも激しさを増していきます。作本選手が亀井選手を抜き、伊藤選手も順位を上げて6番手のポジション。中須賀選手が岡本選手の寸分の隙をついて前に出、岡本選手もピタリとつけ最終ラップの最終コーナーまで目の離せない展開となり、0.067秒差で中須賀選手が地元大会を2レースとも制する結果になりました。24秒離れて水野選手と名越選手の3位争いは水野選手に軍配。名越選手、亀井選手、作本選手伊藤選手の順でフィニッシュ。
ST1000
ST1000クラスレース1は12周、昨年のST600チャンピオンで注目のルーキー荒川晃大選手(#27)がホールショット。2ラップ目には榎戸育寛選手(#32)がトップ、荒川選手と榎戸選手のトップ争いになります。3番手には渡辺一馬選手(#1)、4番手には國峰琢磨選手(#27)のオーダーでトップグループを形成します。國峰選手が渡辺選手の前に出て、渡辺選手は少し離れてしまいます。ラスト2ラップ、荒川選手が再びトップに立ちますが榎戸選手はラストラップに意地でトップを取り返し僅差でチェッカー。荒川選手は2位でST1000クラス初表彰台を獲得、3位に國峰選手。榎戸選手はアジア選手権の決勝中のアクシデントで亡くなった埜口遥希選手のヘルメットをもって表彰式に登壇「遥希が押してくれたと思います。オートポリスといえば遥希なのでアイツの強さをちょっともらえたと思います、嬉しいです本当に感謝しています」と感極まった。
レース2も荒川選手がホールショット。荒川選手、渡辺選手、國峰選手、高橋裕紀選手(#3)、榎戸選手、地元九州の岩戸亮介選手(#6)の順でオープニングラップを戻って来ます。ルーキー荒川選手がグループを引っ張りますが、5周目にチャンピオン渡辺選手がトップに立ち、引き離しにかかります。國峰選手も荒川選手をパスしますが荒川選手もペースアップし2番手のポジションを取り返します。残り3周、ラストスパートの渡辺選手がまさかの転倒。トップは荒川選手に代わりラストラップ、荒川選手は國峰選手の追撃を逃げ切ってST1000クラス初優勝!
ST600
ポールポジションの長尾健吾選手(#7)が頭一つ抜け出して後続を引き離していきます。後方は西村硝選手(#21)、鈴木光来選手(#6)、阿部恵斗選手(#3)、伊達悠太選手(#9)、井手翔太選手(#4)の5台が順位を入れ替えながら続きます。長尾選手はレース中盤には4秒近くの差をつけて単独走行、トップを一度も譲ることなく完璧なレース運びで今季初勝利!
J-GP3
尾野弘樹選手(#1)がオートポリスの全セッションでトップタイムを叩きだし、決勝は激しいトップ争いが展開されるも冷静なレース運びで今季4戦4勝。
(撮影・レポート:楠堂亜希)