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野左根、岡本に続け! チームノリック、2023年は世界に挑戦だ

 ウェビック チームノリック ヤマハの2023年チーム体制発表会が株式会社リバークレイン横浜事業所で行われた。

 昨年まで全日本ロードレース選手権ST600クラスを戦った阿部真生騎は、スーパースポーツ世界選手権にWebike VFT Racingからフルエントリーする。ルーキーチャレンジ枠からの参戦のため、開幕戦、2戦目は出場がなく、世界デビューは4月21日(金)~23日(日)の第3戦オランダとなる。


 この海外参戦に向け、阿部光雄監督と真生騎は渡欧しトレーニングを積んで来た。真生騎は「昨年の12月から約2ケ月の間、スペインでMoto2、Moto3ライダーも一緒にトレーニングが出来て、すごい刺激になりました。バイクで山を駆け上ったり、下ったりと、これまで経験したことのないトレーニングもあり、様々なトレーニングが出来ました。かなわない部分もありましたが、自分の強みを出せるところでは前を走ることも出来て、良い経験が出来たと思います。海外のライダーは熱いというか、ぶつかるのも当たり前みたいなアグレッシブさで、負けてられないという気持ちが強くなりました。ワクワクするというか、シーズンが始まるのが楽しみです」と意気込む。

 真生騎は昨年初めての全日本フル参戦を経験するが、結果が残らずに悔しさを抱えることになった。それでも海外参戦のチャンスを掴めたことに「恵まれていると思う。他のライダーは世界と言ってもなかなか参戦が難しいのに、自分が走れることになったことを受け止めて成長したい」と語った。


 新たにウェビック チームノリック ヤマハに加わったのは15歳の久川鉄平だ。ヤマハの若手育成プロジェクトでbLU Cruが始動する。MFJ CUP JP250はこれまで、ホンダCBR250RRの独壇場が続いていたが、ヤマハYZF-R25が参戦する。このマシンを駆り、ヤマハユーザーランキング最上位となったライダーを2024年のR3 bLU cRU European Championshipに派遣することになった。久川はJP250クラスでヤマハ勢トップを目指し欧州参戦を目指す。

 bLU cRU Webike team Norickとして参戦を掴んだ久川は「ヤマハの若手育成プロジェクトにウェビック チームノリック ヤマハの一員として走れることを光栄に思っています。チャンスをもらって、一気に、自分の夢が世界へと広がりました。誰にも負けない強い気持ちで挑んで、チームの先輩である野左根航汰選手のように世界で活躍できるライダーになります」と語った。


 阿部監督は「真生騎はスペインでフィジカル面、ライディング面と徹底的にトレーニングをしてきました。その成果を出してくれると期待しています。チーム活動として鈴鹿8耐にも参戦を計画しています。久川はJP250でヤマハ最上位を狙います。また、R3 bLU cRU European Championshipのイモラとチェコにスポット参戦する予定です」と精力的な活動を示した。


 株式会社リバークレイン信濃孝喜代表取締役社長は「阿部監督が息子のノリック(典史)と始めたレース活動が、孫の真生騎につながるという物語を紡いでこられたことが素晴らしいことだと思います。今年は、ノリックの物語をウェビックのコンテンツで展開する予定です。この物語を出来る限りサポートして一つの完成というか最終章に持っていってもらいたい」と語った。


ノリックが立ち上げたチームノリックは2006年から始動、その一期生である野左根航汰がヤマハファクトリー入りし、2020年には全日本ロードレースJSB1000でタイトルを獲得。2021年からスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦し、世界への夢を掴んだ。チームノリック出身の岡本裕生は、昨年からヤマハファクトリー入りを果たした。岡本も「世界へ」の夢を追い掛けている。野佐根は2年間のSBKを経験、今年はロードレース世界選手権Moto2参戦と、新たなチャレンジを開始する。

 チームノリックを引き継いだ阿部光雄監督の情熱を支えて来たウェビックとチームノリックの歩みは、まだ、止まらない。

(取材・撮影:佐藤洋美)







2023/03/16掲載