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レース・イベント

速報! EICMA2021 Vol.2 海外メーカーから目が離せない。
■取材・撮影:河野正士







EICMAの2日目。今日も引き続き、用品メーカーなどによるプレスカンファレンスが行われているのです。しかし時間は限られているので、それらは泣く泣くパスして、事前にアポ&連絡を取っておいたブランドに顔を出し、取材をしたり近況を報告し合ったりというのが中心になりました。翌日の3日目から一般公開日となり混雑が予想されるのでその前に、という感じです。
 
速報レポート2日目は、海外ブランド勢が中心です。Vol. 1でも書きましたが、欧州&アメリカのビッグブランドのいくつかがブース出展を見送っているため、いつもよりはボリュームは少なめですが、ぐっと目を引くブランド&新型車も出てきています。
それでは、行きます!

■MV アグスタ

 MVアグスタは、事前に800cc3気筒モデルの「F3 RR」やE-Mobilityの発表を行っていました。E-Mobilityも、MV アグスタが造るとどうなるんだろうと思っていましたが、やっぱり”らしい”作りになっていました。
 

 

 
 あと、これも事前に発表があった「LUCKY EXPLORER PROJECT/ラッキー・エクスプロラー・プロジェクト」。某たばこブランドをモチーフにしたロゴと砂漠を走るバイクのティザー・ビジュアルで、なにかオフロード的なイベントを主催するのかなぁ、などと思っていましたが、なんと本格的なアドベンチャーモデルを、しかも2台も発表したのでした。その車両は、かつてパリ-ダカール・ラリーに参戦していたカジバ・エレファントを想像させるカラーリングになっていて、かつての哀愁をたっぷりと匂わせながら、アドベンチャーカテゴリーに入ってくるあたり、さすがMVアグスタです。
 

 
 車両は、MVアグスタの3気筒950ccエンジンをベースにした「9.5」 と、並列2気筒554ccエンジンを持つ「5.5」。
 

写真は「9.5」

 
「5.5」は、パートナーシップを結んでいる中国のZhejiang QJmotor(ベネリやKEEWAY、QJmotorを所有)と共同開発で、QJmotorの「QJ500GS-5F」がベースになっていると思われます。
 

■ピアッジオグループ

 ブランド創設100周年を迎えたモトグッツィ(記念イベントは中止になっちゃいましたね)。それを記念するかのように、事前にオンラインでその姿が発表されていたのがこの「V100Mandello/マンデロ」。新開発された縦置き水冷V型2気筒エンジンは、Vバンクの内側から吸気し車体外側に向かって排気するレイアウトに変更。それによってエンジンが車体前方に移動することができ、スイングアームが長く取れて、車体のバランスがぐっとモダンになりました。デザインも、良いですね。
 

 

 
 アプリリアのミドルウェイト・アドベンチャーモデルである「Tuareg660/トゥアレグ」も実車をはじめて見ました。大きすぎず、小さすぎず。バランスがとても良かった。ぐっと顎を引いたようなフロントフェイスに細くて高いスクリーンという、ダカールマシンたちのトレンドもアレンジされていました。
 

 

 
 ピアッジオの電動スクーター「Piaggio-1」も展示されていました。イタリアでも若者のバイクばなれが進んでいて、老若男女が日常の足とするスクーターも、その例外ではないよう。そこで「Piaggio-1」は、若者にフォーカスしたデザインやプロモーションを展開していますね。でも、ピアッジオ伝統の片持ちフロントサスペンションが採用されているあたり、こだわりを感じます。
 

■トライアンフ

 すでに発表済みのニューモデルやニューカラーを展示したトライアンフ。うーん、安定感がありますね。そのなかの「タイガー・スポーツ660」は、なんかこう、雰囲気がありました。前後17インチホイールと排気量660ccというミドルサイズ・アドベンチャー・モデルは、大型車のエントリーユーザー向け的な立ち位置も含みますが、その雰囲気は”通”のライダーにも大いに受け入れられるでしょう。
 

 
 その”通”なたたずまいは「スピードトリプルRR」にも共通していました。トライアンフが得意とするネオクラシックの雰囲気とはまるで違っていて、でもプラットフォームを共有する過激な兄弟モデル「スピードトリプルRR」とも違う。会場での人気も高かったですね。
 

 

 
 また、ティザー・プロモーションを展開している「タイガー1200」のプレ・プロダクションモデルも展示。トライアンフ・ロゴを使ったカモフラージュ・グラフィック、結構すきです。もう、このまま市販しちゃって良いのではないと思ってしまいます。
 

 

■ファンティック

 100%イタリアンブランドをうたうファンティックは、勢いがありますね。で、ラリーモデルを出しちゃいました。その「XEF450Rally」は、エンデューロモデル「XEF450 4T」のプラットフォームをベースに開発。次のダカールで実戦投入され、ライダーはなんと、イタリア人”ラリー・レジェンド”のフランコ・ピコです。また2022年夏頃より、市販も予定しているとのこと。
 

 

 
 ラリーというか、冒険の旅つながりでもう一つニューモデルが。キャバレロ・ブランドに、旅をテーマにした「エクスプローラー500」が追加されました。旅の要素やディテールが満載されています。
 

 

 
 また「FANTIC SCOOTER」と題した電動スクーターのコンセプトも発表。デロルトとエネルジカとのコラボで誕生した会社が開発したモーターとインバーターを搭載。それをファンティックが設計&製造し、ボローニャのモト・ミナレッリがアッセンブリーすることで”100%イタリアン”の電動スクーターとなるそうです。
 

■CFMOTO

 個人的に注目していたのが中国の「CFMOTO」。ここ数年、EICMAでその存在感を徐々に高めていたところに、KTMグループが発表している中長期成長戦略のなかに、関連会社としてCFMOTOの名前が挙がったのです。そしてしばらくはニュースを耳にしていませんでしたが、つい先日CFMOTOブランドで2022年からMoto3参戦を発表。そしてこのEICMAで、初のプレスカンファレンスを行ったのです。
 

 
 CFMOTOは2013年からKTMと技術提携。またKTMグループのデザイン周りを一手に担うデザイン会社KISKAともグローバルパートナーとなり、その存在感をどんどん高めています。メディアの注目度も高く、遅い時間からのスタートだったにもかかわらず、大勢のメディアが駆けつけていました。
 

 
 で、アンベールされたのは下の2台。その1つである「300SR」は水冷単気筒4バルブDOHCエンジンを搭載。スーパースポーツカテゴリーのエントリーモデルに位置しています。
 

 

 
 もう1台はコンセプトモデル「SR-C21」。排気量は400cc以上の2気筒、とのみ表記されていて、そのエンジンもフレームも新設計。2022年に市場投入を予定されています。今回のコンセプトはレース用なので、灯火類は装着されていないとのこと。
 

 

 

 
 2台ともとてもモダンで、デザインにまったく隙がない。技術的にKTMのノウハウが投入されることは容易に予想できます。CFMOTOは、今後、台風の目になるかもしれません。

 ということで、現地からのレポートはこれで終わりです。日本に戻ったら、また別のトピックスをお届けします!
(取材・文:河野正士)
 



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2021/11/26掲載