全日本トライアル選手権がスポーツランドSUGOで行われました。モータースポーツ界隈では未だ新型コロナウイルスによる影響が大きく、開催延期や中止など余儀なくされています。トライアルも例にもれず、第2戦ツインリンクもてぎでの開催からなんと5か月のインターバルをおいての開催です。今シーズンは開幕戦の九州、2戦目のもてぎ、そして今回のSUGO、最終戦はキョウセイドライバーランドで2戦が行われる予定。全5戦でのチャンピオン争いになりますが、シリーズ戦と言っても長すぎるインターバルや再開したとたんに立て続けに行われる大会となり、それぞれ選手たちの調整も難しい後半戦のスタートとなりました。
SUGOは秋晴れ、一気に駆け上がるヒルクライムを備えた第一セクションに集まった選手達。時間をかけて入念な下見と、誰が先に行くかけん制のし合いが続きましたが、IASの上位ライダーはほぼクリーンでのスタートとなりました。第2セクションは斜面を活かした構成で、コーステープギリギリのターンやステア、連続する人工物など見ごたえがありましたが、1分の持ち時間でギリギリの難セクション。小川選手と柴田選手の2人だけがそれぞれ1点と3点で切り抜けました。第4セクションの渋滞により1ラップ目の持ち時間がどんどん削られ、1ラップ目の終盤のセクションを申告で5点とするも小川選手4、黒山選手2、柴田選手1、久岡選手1のタイムペナルティを受け、1ラップ目のリザルトは小川選手が18、久岡選手20、黒山選手25、小川毅士選手26と続きました。SUGOを得意とする野崎選手は振るわず5番手に。
2ラップ目は下見もなくハイペースで各選手が次々とセクションを進めていきました。小川選手が1ラップ目に申告5点とした第10セクション、オーバーハングの飛びつきに失敗しここで初めての5点となるも、後続の黒山選手に10ポイントの差をつけてトップでSSに。小川選手はSS1を難なくクリーンしてここで今季3勝目を決めました。黒山選手は、3位の柴田選手に6ポイントの差をつけて2位。柴田選手は1ラップ目7位からの躍進で3位表彰台。久岡選手は自身IAS最高位の4位を獲得しました。
小川選手ランキングトップでタイトルに大手をかけ今週末行われる2連戦に挑みます。
優勝した小川友幸選手のコメント
「5か月という長いインターバル開けのレース、開幕に近いプレッシャーがありました。レースの1か月前から追い込んで仕上げてきましたが、戦闘モードに持っていくメンタルのコントロールが大変難しかった。レース前にはピリピリしてきて不安要素もたくさんありましたが、始まってみればそんなに悪くなかったですね。ライディングは絶好調とはいいませんが、ミスのないように耐えて、最終のSSに入る前に優勝を決められたのは良かったと思います。これまで、全勝優勝とオールクリーン達成したことがないのでひとつの目標にしていますが、欲をかいて狙いすぎると裏目に出るので、いつもの流れを崩さず、この調子で怪我のないようにタイトルを確実に狙って戦います」
(レポート&撮影:楠堂亜希)
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