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チームノリック、2021シーズン始動!

 全日本ロードレース選手権に参戦する「ウェビックチームノリックヤマハ」の体制発表会が東京都内で開かれた。2007年に他界した元MotoGPライダー阿部典史選手(愛称ノリック)の父、光雄氏が監督として率いるチームで、バイク用品の販売を行うウェビック(株式会社リバークレイン)の支援で若手ライダー育成を続けて11年目を迎えた。

 今季は、全日本ロードST600に阿部恵斗(17歳)が継続参戦。ノリックの一人息子で、阿部監督の孫でもある阿部真生騎(まいき、17歳)は全日本昇格し、開幕戦(4月5日決勝)のツインリンクもてぎ大会にST600クラスに参戦する。真生騎は、バイクに乗り始めて、まだ4年、驚異的な成長を見せているが、キャリアの少なさもあり「ここでの結果如何では全日本フル参戦を考えたいと阿部監督。青田魁(15歳)は地方選参戦を続け、J-GP3からST600にスイッチする。

 阿部監督は「昨年、恵斗はST600にスイッチし、初めての溝付きタイヤでのレースとなり、序盤は戸惑いがあったが、もてぎ戦ではポールポジションを獲得、最終戦の鈴鹿はタイムアップし、今年に期待をつなげてくれました。真生騎は、地方選での全戦全勝を狙ったシーズンでしたが、そうはなりませんでしたが、そこに近い結果を残してくれたと思います。全日本でも戦えるタイムを記録出来ているので、全日本開幕のもてぎ戦で納得できる走りをしてフル参戦を掴んでほしい。魁は、モタードでの速さを見て、600へスイッチ、転倒が続いているが、乗りこなせるスキルは持っているので経験を積んでほしい」と語った。

 2013年から阿部監督に才能を見出され走り続けている恵斗は「オフのダートやモトクロストレーニングで練習を重ねたことでスキルアップを感じています。今年の筑波の練習では、転倒してしまいましたが、良いデータが取れたので、開幕から優勝を狙い、チャンピオンを目指したい」と誓った。

 真生騎は「筑波では練習から、1秒半近くタイムを詰めることが出来ています。モトクロストレーニングでも上達を感じているので、全日本で結果を残したい。SUGO、もてぎは走行経験がありますが、それ以外はあまり走ったことがないので、自信はまだないけど、もてぎでしっかりと走ってフル参戦が出来るようになれば」と語った。

 魁は「600の走り出しは良かったのに、限界を超えてしまい、転倒が続き、チームに迷惑をかけています。でも、ちゃんと乗れるようになって、シーズン後半には全日本並のタイムを出せるようになりたい」と目標を定めている。

2021年シーズンを戦うチームノリックのライダー、(左より)阿部真生騎、阿部恵斗、青田魁。

 ウェビックの信濃孝喜社長は「昨年はチームノリック出身の野左根航汰がJSB1000チャンピオン、岡本裕生がST600チャンピオンになりました。今季、野左根はスーパーバイク世界選手権参戦となり、岡本はST1000へとステップアップします。若いライダーを育て、世界へというチームノリックの願いが形になって来ています。それは、阿部監督の献身的な努力のおかげです。その流れを絶やすことのないようにと、この若い3人が将来へとつなげてほしい。新型コロナウィルスの脅威があり、時代は変革の時でもあると思います。その中で、このチームノリックの存在が、カンフル剤となり、刺激を与える存在として、新しいモータースポーツの形を作って行けたらと思う」と語った。

 ヤマハファクトリー入りを掴み、世界への扉をこじ開けたチームノリック一期生の野佐根の後を継げるように、若き3人のライダーは、今季もそれぞれの戦いを挑む。全日本ロード開幕は4月4日・5日、栃木県ツインリンクもてぎで開催される。

(レポート:佐藤洋美)







2021/03/12掲載