第123回 「げ、げ、げげげのげそ」(←特に意味はない)
今さらではございますが、閉店してしまった立喰・ソに思いを馳せてふり返り、後世にその偉業を伝えるという、100パーセント非の打ち所のない(当社比)コンセプトでスタートしたこのコラム(「そんなコンセプトあったのか!」という、ある意味新鮮な驚きは、コロナ禍に対する一服の清涼剤ということでお納めください)。そんな高い志とは裏腹に、どんどん楽な方へとさらさら流れ流され続けていることは、2010年7月の第一回以来、123回の長いといえば長い10年間でしっかりと実証されています。
ファイナルエディションが発売され、35年に及ぶ長ーい歴史にいよいよピリオドを打つヤマハのセロー。1985年の誕生以来、ぶれることなく基本コンセプトを最後まで貫き通した、男気あふれる(おっと、今時この表現は……そもそもセローの柔らかいラインは女性的な〜←これはもっとダメか。異常乾燥注意報も出ていますからやめておきます)ではなく、最後まで筋の通ったバイクでした。とはいえガンコなバイクではありません。時代に合わせ柔軟に進化を続けてきたのです。だからこそ多くの人に愛されたのでしょう(ちなみにモーターマガジン社から3月31日にセロー大全というムックが出ます)。と、知ったようなこと書いていますが、新しいセロー250に乗ったことありません。乗った人に訊いたら「変わらずセローだよ」と一言。なるほど名言です。
第一回からぶれぶれのワタシとしては、セローの爪の垢を煎じて飲みたいです。飲めるのならば、地の果てま追いかけても飲みたいのですが、残念ながらセローにツメはありません。どこかのパーツに、ツメはあるかもしれませんが垢はないでしょう。ああ、返す返すも残念無念……でも、セローってヒマラヤカモシカのことじゃなかったっけ? なら、ツメあるじゃん……と、詰めの甘さを披露しつつ本題です。
しかしですよ(と、まだ本題に入らない)、閉店してしまった立喰・ソの偉業を取材するコネもないし、それ以上に後世に伝えるような構成力も文章力もないのですから、第一回からブレブレになるのは当たり前なのです(開き直り)。これは「ツルハシ一本で青函トンネル掘れ」というに等しい暴挙です……なら、最初からやらなければいいのにね。たった今、後悔し始めました。
そこでコンセプトを曲げて、トッピングについて書かせていただいたわけなんです(突然の言い訳)。まずは、意外な人気の春菊天(第121回)やってみました。初球は内角低めギリギリボールかストライクという配球。様子見としてはいい球と思ったら、いきなり師匠に場外に打ち込まれました。(師匠の文春オンラインコラムで、ためになる春菊天を学びましょう)。
だから次の第122回は、大きく外して全く違うネタをやりました(ということにしておいてください)。そして今回は、ストレートの剛速球どまん中のゲソ天と思っていたのですが、なんと今回の師匠のコラムのネタはゲソ天でした。
なるほど&へえ〜がぎっちり満載。いつもながら勉強になります。しかもお家メシが増えた昨今の事情を考慮してか、お家でできる立喰・ソ名店のゲソ天の揚げ方まで。かゆいところどころか、これからかゆくなるであろうところまで手も足も(ゲソだけに)届いたすばらしい内容でした。ああ、早まらなくてよかった。まさに馬脚を現す(ゲソだけにね←しつこい。でもね、ときどきあるんです、油切れの悪いしつこいゲソ天も)ところでした。
と、実はまったくゲソ天ネタなんて考えてもいなかったのに、ここぞとばかり他人のふんどしで相撲をとらせていただきました。しかし、他人のふんどしで相撲ってどうなんでしょう。他人の歯ブラシで歯磨きよりはいいかもしれませんが。
最後にひとつだけ。イカの足はゲソといいますが、タコの足はゲソではなくまんまタコ足です。くにゃくにゃ曲げたマニホールドや、一つのコンセントにたくさんプラグを繋ぐことをタコ足といいます。8気筒エンジンや8つ口プラグならまさにタコ足ですが、例え10気筒や10口プラグでもイカ足とかゲソとはいいません。なんか不思議じゃないですか? そもそもなんでイカの足をゲソと言うのか? 諸説あるようですが、今回は結局本題に入らず、ここらでさようなら〜(そろそろこのコラムのファイナルエディションも近いな……)。あまりにも申し訳ないので,最後は「いろはゲソかるた」でお楽しみください。
い 犬も歩けば一由のゲソ
ろ 論より証拠より一由のスルメゲソ
は 花より団子より一由のチーズゲソ
に 憎まれっ子も一由のパセリゲソ
ほ 骨を折ったら一由の梅ゲソ
へ 屁をひったら一由のカレーゲソ
と 年寄りも一由のゲソ半分
ち ちりが積もる前に一由ののり天ゲソ
り 律儀者も一由のクコノミゲソ
ぬ 盗人も一由のコチジャンゲソ
る 瑠璃もはりも一由のゲソ
お 老いても一由のミニゲソ
わ 割れ鍋に一由のゲソ
か かったい?ってなに?それより一由のゲソ
よ よしのずいから一由のゲソ
た たびは道づれ世は一由のゲソいなり
れ れう薬(良薬)は口に苦いけど一由のゲソでお口直し
そ 総領の甚六も一由のゲソ
つ 月夜に釜の中に一由の炊き込みおにぎり(ゲソ入り)
ね 念には念を入れて一由のゲソ
な 泣きつらでも一由のゲソ
ら 楽あれば一由のゲソ
む 無理が通っても一由のゲソは引っこまない
う 嘘から出たわけではない一由のゲソ
い 芋の煮えたのご存じなくても一由のゲソ
の のど元過ぎたら一由のゲソ
お 鬼に一由のジャンボゲソ
く 臭いものには蓋の前に一由のゲソ
や 安物買いの銭失い?そんなわけない一由のゲソ
ま 負けても一由のゲソ
け 芸は身を助けるとはまさに一由のゲソ
ふ 文はやりたし書く手は持たぬけど、一由のゲソを持った手で文を書くとあぶらが付くかも
こ 子は三界の一由のゲソ
え えてに帆を揚げる前に一由のゲソ
て 亭主の好きな一由のかき揚げB
あ 頭隠して一由のゲソ隠さず
さ 三べん回って一由のゲソ寿司
き 聞いて極楽見て地獄の一由のゲソ売り切れ
ゆ 油断大敵、油がないと作れない一由のゲソ
め 目の上のたんこぶより大きな一由のJKB
み 身から出たら嬉しい一由のゲソ
し 知らぬが仏だったかも一由のハイパージャンボゲソ
え 縁は異なもの味なものは一由のゲソ
ひ 貧乏暇なくとも一由のゲソ半分
も 門前の小僧も一由のゲソ
せ 背に腹は代えられぬ一由のゲソ
す 粋は一由のゲソ
京 京の夢大阪の夢 夢のような一由のゲソバーガー
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