リンス:信じられないよ、昨日までは35℃もあったのに……日本って寒いね! 今日は何? 4℃ぐらいしかないんじゃない? 気温変化もあってさすがに疲れました(笑)
Q:昨シーズンはリンス選手にとって素晴らしかったでしょう。去年のインタビューhttp://www.mr-bike.jp/?p=156723 の宣言通り、複数回のポディウム、そして勝利を収めましたね。
リンス:有言実行できて良かったです。欲を言えばさらに安定してポディウムを獲得したかったですし、もう数戦勝利もしたかったですが、昨シーズンをトータルで見ればよいシーズンだったといえるでしょう。ただシーズン中でもレースごとにどんどんレベルが上がっていくわけです。それに対応しつつ、常に100%でいなければいけないのです。
Q:アメリカでの初勝利、もちろん嬉しかったかと思いますが、マルケスがリタイアしてしまっての勝利でした。複雑な気持ちもありましたか?
リンス:勝ちは勝ちですからもちろん素直に嬉しいです。マルケスとはMoto3やMoto2で戦ったことはありませんし、今回初めて直接対決して勝利したわけですから、リタイアとは関係なく感激はありました。もちろん、シーズンを通してもっと彼を負かしたいですが、知ってると思いますが彼は上手なんですよ(笑)。ただ昨シーズンで彼と我々のギャップは狭まってきていると感じています。2020シーズンも滑り出しが好調ですから、今シーズンはさらにその差を詰めて、勝てる場面を増やすつもりです。
リンス:確かにパワーは向上しましたが、今のところホンダやドゥカティほどのレベルには達していないようです。ただパワーだけでなく例えばエアロダイナミクスなども向上していて、これによりフロントの接地感が得られるからコーナー脱出が速くなっています。これからこういった複合的な進化がどう結果に結びつくのか、楽しみですね。
リンス:セパンでもそうでしたね。外から見る分にはあまり差はないように感じるかもしれませんが、乗ってる方はウイングがないとなかなか苦労するものです。絶対的に付いていた方が良いです。
Q:去年はエアロダイナミクスだけで最高速が向上したと言っていましたが、今年はその領域で進歩はありましたか?
リンス:いつも模索する領域でして、今回のテストでもスズキは3種類のカウリングを持ち込んでいました。テストの後、スピードとコーナリングのバランスが最も優れたのを見つけ出し、3つの中からそれに決めました。他にも今回のテスト項目のリストはかなり長く、様々な新しいパーツやアプローチを試しました。これだけたくさんの選択肢があったというのはオフシーズンの間にスズキ開発陣が本当に頑張ってくれた証拠で、たくさんのオプションの中から最良のものを探すことができ、マシンはかなり形になってきていると感じています。
リンス:去年、予選が振るわなかった理由はわからないですね。でも今年はもっと良いグリッドに付ける自信があります。セパンテストでも3位でした。安定した結果を残すにもやっぱりフロントローからのスタートは重要だと思っています。
リンス:いい関係だったと思いますよ。ケガをしてしまったのが残念でしたね。僕もMotoGP初年度にハードクラッシュしてしまいましたが、彼も同じ経験をしてしまいましたね。MotoGPのバイクってやっぱり難しいんですよ。
――――じゃないかと予想はついてましたけど!
リンス:何よりも去年よりも多くの数のポディウム及び勝利を獲得することが目標で、それをするための手ごたえはあります。始まってみなきゃわからないですが、この目標に対してとても前向きな気持ちでいます。
―――― 一周前にレースが終わったと勘違いしていたとも聞きましたが?
そう、もう興奮しすぎて残り周回数を確認することもできないでいたのです。だから最終ラップはボーナスみたいなものでした。全てのコーナーで完全に限界で攻め続けました。レースを終えてマルクは祝福してくれましたが、彼にとってこの負けは堪えたようにも見えました。と言うのも、オーストリアで同様にドビツィオーゾに最終コーナーで出し抜かれていますからね。