2025 FIM MotoGP世界選手権シリーズ 第17戦 MOTUL 日本グランプリが、栃木県・モビリティリゾートもてぎで開催される(9月28日決勝)。
25日にはメディアセッションが行われ、MotoGPライダーとして母国GPを迎える小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は、個別会見の後、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)とともに合同会見に出席した。
小椋は、9月14日に行われたMotoGP第16戦サンマリノGP(MotoGPクラス)の決勝レースで、ミサノ・ワールド・サーキットの3周目にクラッシュし、リタイアでレースを終えた。右手を傷め、踵を強く打った。レース翌日に予定されていたテストはキャンセルし、帰国し日本GPに備えた。
「右手の中指と薬指の甲の2か所にヒビが入り、全体的に痛いという状況です。左の踵は、普通に歩いているときに痛みがありますが、バイクに乗る分には問題ありません。痛いは痛いですが、ここに来る前に桶川スポーツランドでバイクに乗ってバイクに乗れることを確認してきました。メディカルチェックを受けなければならないと言う状況ではなく、自分の判断で参戦を決めました。まだMotoGPマシンには乗っていないので、走行が始まってからが最終確認します」
母国GPに向けては「緊張しています」と語った。
「日本GPというプレッシャーもあります。でも、日本でも他の国でも、レース前は緊張するので……」と率直な気持ちを明かした。
帰国後は、ケガの回復のため家で休養していたという。
「どうしてミサノで転んでしまったのかな」と悔やんだ。
本来なら最高の状態で臨みたかった日本GPだが、今回はケガという不安材料を抱えての参戦となる。
それでも小椋は、これまでの日本GPでも強さを見せてきた。Moto2参戦の2022年には予選13番手から独走優勝、2023年は高熱をおして2位。2024年は、雨から赤旗中断後の微妙なコースコンディションの中、ドライタイヤで勝負に出て2位となり、タイトル争いの主導権を握った。
Moto2チャンピオンを経て、今季からは唯一のフル参戦日本人MotoGPライダーとして、期待を背負っている。しかし本人には「MotoGPライダーになったから」といった気負いはなく、
「いつも、どのクラスでも懸命に挑んできたので、今回も変わりません」
と、いつもの沈着冷静な姿勢を見せた。
26日から走行が始まる。
(文・写真:佐藤洋美)