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レース・イベント





■文・写真:川崎由美子
■写真提供: MOTO TOURS JAPAN、Rubin Kostov/EDELWEISS Bike Travel、たかさん、きょうこさん、はじめさん、浅野さん
■主催:EDELWEISS Bike Travel  https://www.edelweissbike.com/en/
■ツアー総代理店:MOTO TOURS JAPAN https://www.mototoursjapan.com/ja/

<4日目・9月11日(水)>ザルツブルク~レッドブル本社~バート・イシュル/カイザーヴィラ~ハルシュタット~ノックアルムロード~ミルシュタット

 やっと太陽の日差しが眩しくなりそうな気持ちのいい朝を迎えザルツブルクのホテルをチェックアウトした後、ザルツブルクから田園風景、山の風景両方の絶景に見とれてしまうくらいの道を走ると左側にはフシュル湖(Fuschlsee)が見えたと思ったら右折して登坂を走ると、なんとそこはエナジードリンクでおなじみのあのRed Bull本社に到着です。
 生憎この日は建物の中に入ることが出来ませんでしたが、フシュル湖を見渡せる道路にバイクを停め、道路まで出て本社全景を観て感動。本社ビルの前には、あのシンボルマークの雄牛たちが並んでいる姿も圧巻。ちょうど補修工事中だったようで、その後の様子が気になるところです。

#EU-Touring1
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レッドブル本社内の道路から観る景色。

カイザーヴィラへ 10:30~

 朝から感動したメンバーは湖や田園風景、山々の中を抜ける道を楽しみ、ターコイズブルーの澄んだヴォルフガング湖の展望台~皇帝に愛された温泉地バート・イシュルの街へ進み、駐輪場にバイクを停め、そこからは徒歩で皇帝・フランツ・ヨーゼフ(在位・1848~1916)の別荘カイザーヴィラ(Kaiservilla)へと進み館内を見学。
 この建物は、フランツ・ヨーゼフとエリザベート妃の結婚記念として建てられ、セルビアに宣戦布告に署名をしたままの状態で保存され、署名後すぐに皇帝はウイーンに戻りそれ以後このバート・イシュルに来ることはなかったという歴史が残っていますが、皇帝の末娘が相続し現在は、その子孫が所有しているのだそうです。

#EU-Touring1
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この日の目玉と言えば……ハルシュタット湖畔 12:30~

 バート・イシュルの街を後に、次なる目的地・ハルシュタット湖へとバイクを進めるのですが、どこを見ても切り立つ山々や田園風景、ヨーロッパの街並みの中をバイクで進める幸せ感に浸りながら世界一美しい湖畔の町と言われるハルシュタットにあるハルシュタット湖へバイクを進めます。
 公共の駐車場にバイクを停めると目に入ってきたのは、湖畔の芝生が広がる広場の一角に、ドライバーのビクターさんがいらっしゃるではありませんか! それもテーブルに用意されているランチ用のお食事が並べられていて、その豪華さに驚きながらもうれしさと感動とが入り混じってメンバーの歓喜の声が湖畔に鳴り響いていました。

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 いやはや、こんなサプライズありますかね~! もう涙が出ちゃうくらい感動していたメンバーさんたち。このツアーが始まってから間髪入れずに飽きることなく楽しいことばかりで、笑いっぱなしのツーリング。それにしてもこの粋な計らいは、ことばでは言い尽くせないくらい感動したのでありました。

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 美味しいランチタイムを美しい湖畔でゆったりと過ごした後は、いよいよオーストリアで美しい峠道とされるアルプスの道路の一つでもある全長35Kmあるノッカルム通りへと進むのでした。
 と、これまでずっと隊列を組んでの走行だったのですが、先導のルビンさんが、「ここから23km先の駐車場まで自由に走っていいですよ」とまさかのフリー走行。いやいやとはいえ、そんな無理もできずそれぞれ思い思いにバイクを進めていました。思い思いに走った後は、また全員揃っての走行。

 標高2,042mの駐車場・Eisentalhöhe(アイゼンタルへーエ)で休憩し、その後もバイクを進めるのですが、なんと後方にいた数台と離れてしまいました。私たちは次の休憩所のGlockenhütte(グロッケンヒュッテ)にて待ち、先導のルビンさんが今来た道を戻ると浅野さんのバイクがパンクをしてしまったため、ルビンさんが応急処置をするも走行不可……。急遽先にホテルにいるビクターさんに連絡し急いで現場に駆け付けることに。

#EU-Touring1
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 その間私たちは、城さんがホテルまで先導し私は一番後方にて皆さんの安全を確保しながらの走行。パンク現場では、もう一台のバイクと交換しパンクしたバイクをトランポに積み、浅野さんは昨日ビクターさんが乗っていたBMWにてルビンさんと遅れてホテルに到着。
 それにしても無事にみんながホテルに着いてほっとしました。こんな時にもルビンさん、ビクターさん、松崎さんの冷静なご判断のもとで、無事にみんながツーリングを続行できたのも、やはり日ごろからのツーリンング企画の安全性への意識の高さと経験値の高さのおかげですね。
 この日のディナーは、ルビンさん、ビクターさん、浅野さんたちと一緒にすることが出来、おいしいビールでの乾杯もできました。
 ミルシュタット湖を見渡せるホテルは、3,000m級の山々が近くにある事からこれまでの地域とは若干気温も低くなっていましたし、この日翌日入る予定のグロースクロックナーに雪が降ったというニュースが舞い込み、非常に気になるところでした。

<5日目・9月12日(木)>ミルシュタット~マルニッツ~カプルーン

 この日は、朝から雨が止まずこれまでの気候に比べ非常に寒い朝を迎えました。やはり予定していたオーストリア最高峰のグロースグロックナー(標高3798m)も昨夜からの降雪のため標高1,000mまで積雪となり行くことを阻まれ、大幅に予定変更となりました。

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 9時の出発時にも雨はやむことなく容赦なく降り続け、アルプスの山々の白い景色がときどき見えたりし、寒さを余計に感じさせる草原や田園風景の中、冬用のグローブでも雨に濡れて手が凍ってしまうくらい寒い中、マルニッツの列車の駅Mallnitz-Obervellach Bahnhofに到着です。なんとこの列車はクルマとバイクが積載可能で、バイク、クルマともに1台ごと停めて、係の人が固定してくれる。乗客はバイクとは異なる車両に乗車しBöckstein まで約15分ほどで到着。

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 この列車を使うことによりこのアルプス山脈をトンネルで横断してしまうというもの。こういう土地柄だからこのような車もバイクも列車で移動が可能なんですね。合理的でいいですよね~。かつて日本にあったのになあ、とその復活を願ってしまうのは私だけでしょうか……。

 Böcksteinに到着後は、ひたすら一般道を走るのですが、雨は止むことなく降り続いたままでしたが、カプルーンの街に到着。本来でしたらグロースクロックナーを走り終えてから到着するはずのホテル。
 グロースクロックナーに近いこともあり、冬はスキーなどウインタースポーツを楽しむ人たちで賑わい、夏は避暑地としてバカンスに訪れる人も多いようで、これはどこの国でも同じですね。結局ホテルには12時半に到着したもののスーツケースを運んでいるビクターさんは、列車を使わずの移動だったため私たちより遅く到着。
 全員揃ってからだったので、14時からと少し遅いランチタイムとなりました。

 とにかく朝からずっと雨の中を走ってきたのですが、思わぬサプライズな列車移動に皆さんも興奮気味で、ホテルにと着いてもその話で大盛り上がりだったのです。
 昼間は、みんなそれぞれ街に出てお土産を買いに行ったりお散歩したり各々がゆったりとくつろいだと思いきや、夕方になるとなんと雪が降ってきたのです。
「えっ! 9月初旬ですよ。いくらアルプスだと言えども早すぎますよねえ」とみんなの驚きの声があちこちで。いや~TVのニュース報道でもびっくりしている模様で、どのチャンネルも雪情報ばかり。
 部屋から降り続く雪を見ては大興奮すると同時に、翌朝バイクは大丈夫なのか、走れるのかしら? といろんな声が聞こえてくるのですが、こればかりは朝を迎えなくてはわかりませんのでね。
 思わず自分の携帯で世界の気温を調べちゃいました。何回も言うようですが、9月です。日本の東京の気温は33度、涼しいとされている札幌でも20度という中、ヨーロッパは全体的に少し寒かったようです。
 私が以前住んでいたデュッセルドルフでも7度というくらい、イタリア・ミラノでも11度という気温の差があるので、感覚に関しては日本よりヨーロッパの方が1か月~2か月くらい早く寒くなる、という感覚でいつも過ごしていたのですが、まさか雪までは想像もできませんでした。
 ディナー中も降り続く雪を心配しながら温かいお料理に舌鼓するみなさん。これはこれで楽しもう! とみんなポジティブ思考で明るくて楽しい毎日です。

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★ちょこっとヨーロッパ情報

 ヨーロッパの冬は雪が降ったりして非常に寒いのですが、どの家も家中がポカポカなのです。それは暖房機能が充実していて、ドイツ語ではハイツングというのですが、このハイツング(オイルヒーター)が玄関、トイレ、お風呂場、部屋、キッチン、地下室などありとあらゆる場所に設置されていて、常時つけているため暖かいのです。ただ暖かいだけでなく、そのオイルヒーターの上に薄手の洗濯物などを置いて乾かすこともできるため、今回もハイツングのスイッチを入れたら稼働したので、濡れてしまったグローブやブーツなども置いちゃいました。
 今回の季節は、9月で夏ですが、地方によっては寒いとホテルなどは稼働してくれていたので、今回は助かりました。ザルツブルクでは、まだハイツングは稼働していなかったので、ドライヤーでブーツなど乾かしました!

<6日目・9月13日(金)>カプルーン~エルディング

 とうとうツーリング最終日となってしまいました。最終日なのですが、昨夜から降っていた雪が心配になり、朝起きてすぐカーテンを開けると、アルプスの山々はうっすら白く雪化粧をし、庭にも少し雪も残っているものの、道路は雪もなく大丈夫でしたが、雨が降っていたので非常に寒かったです。
 出発前、事前説明会で参加者の皆さんには、アルプスを走るので冬用のウエアの準備をお伝えしていたこともあり、皆さんそれぞれが冬のライディングギアを用意してきていたのですが、雨も降っていたので寒かったです。この日は、天候が悪くあいにくの雨でしたが、走ってしまえば雨に濡れた街並み、田園風景、切り立つ山々も神秘的でそれはそれで絶景に見えてしまうヨーロッパの景色の中をバイクで走る醍醐味は、言葉では言い尽くせないくらい心が癒され、頭の中をからっぽにしてくれるんですよね。
 だからバイクで旅をすることが楽しくてたまらずやめられないのです。

#EU-Touring1
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 延々と降りしきる雨の中、時々みぞれ混じりの雨なのか雪なのかという中でのライディングの中、やっと休憩をとることが出来、温かく美味しいスープに心身共に温かくなり、雨の中のライディングの話やらで盛り上がったりしました。何を話しても楽しくて大勢で走ることの大切さと楽しさを十分に堪能したメンバーたちでした。その後は、アウトバーンを走ったり街中を走ったりと一路エルディングに向けてバイクを走らせるのですが、標識にエルディングが出てくるとなんだか我が家に帰ってきたかのように妙に懐かしくうれしい気分になる反面、もうこれでみんなとの旅も終ってしまう寂しさもあり、少し複雑な気持ちでエルディングの街へと入りました。
 最後にホテル近くのガソリンスタンドで給油をして、無事ホテルへと到着すると、またまたドライバーのビクターさんが、地下の駐車場にて“おかえりなさい!“のビールとおつまみを用意して下さっていて、みんなで大興奮。カッパを脱ぐ暇もなくカンパ~イ!”の大盛り上がり。なんて嬉しいおもてなしなのでしょうか、随所随所でのこの心温まるおもてなしにみんなで感動していたのです。
 たのしい思い出ばっかりです。

フェアウエルパーティー 19:30~

 皆で食事を共にする最後の夕食、このツアーが始まってからエーデルワイスさんからのプレゼントでTシャツをいただいたので、みんなお揃いでそのTシャツを着てレストランへ集合! ルビンさんと松崎さんのMCで会は進められました。

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 参加者には、MTJから記念品の参加証明書とハライン岩塩坑での写真を頂きました。

 ということで、松崎さんとMTJヨーロッパの浅野さんに、参加者みんなでお礼をしよう! ということで、何がイイかを迷いながらもなぜか「下着のパンツにサインをして渡そう!」と言いうことになったのです。というのも、松崎さんはこのツアーの後も、他のツアーのアテンドでドイツに残らねばならない状況だったので、、下着を! と頭に浮かび、選択が間に合わなかったらみんなのことを思い出して履いてください、ってな意味も含めて、お二人にお渡ししたのです。まあ受け狙い!ってなこともありましたが、「こんなジョークもできる素敵な仲間たち」ということの表れではなかったでしょうか。もちろんルビンさんとビクターさんにも参加者みんなでお礼のカード他(秘密~)をしました。
 どのシーンをとっても、どんな時間を振り返っても楽しくてバイクに乗っていない時は、なんだかずっと笑いっぱなしだったようなツアーでした。
 ツアー中は、全員の連絡は全てLINEグループでの連絡手段だったのですが、帰国してからもずっと連絡を取り合っているくらい仲良くさせていただいています。

#EU-Touring1
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 今回のツアーに参加された方々の免許歴は2年位~40年位やバイクライフも様々で、海外旅行はしていてもバイクでのツーリングは初めての方が多く、みなさんとても新鮮だったようです。海外ツーリングすることで感じたことは同じだったり異なったりと様々ですが、海外ツーリングの醍醐味を感じて頂けたようでした。そして同じ旅をした仲間ができたことも大きな宝物ですね。
 素敵な旅の思い出がまた増えました。
 この素敵な海外ツーリングを、もっともっと多くの方々に経験していただけたらと思っています。
 このツアーの様子は、EDELWEISS Bike ToursのHPにアップされています 。
 ヨーロッパツーリング、行きたくなっちゃいましたよね。
 次回の開催は……2025年8月31日~9月6日に開催予定です。詳細については、次回にご案内させていただきますので、お楽しみにお待ちください。
(文:川崎由美子)

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右より 浅野 秀樹 松崎 城 川崎由美子。
●川崎由美子プロフィール──二輪ジャーナリスト・アンサンブルピアニスト、二輪車安全運転特別指導員、‘91 SCORE Baja1000日本人女性初完走者、MAMA’S倶楽部主宰 、学生時代よりモデル、タレントとしてTV・ラジオのレポーター、タレントのバックコーラスなど多岐に渡り活動中。2006~2013年末まで8年間のドイツ駐在の経験を活かし、交通全般・生活全般の情報を提供している。


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2025/05/26掲載