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レース・イベント






伝説の“青木三兄弟”の三男で2度のWGP世界チャンピオンを獲得した青木治親が理事を務める一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)が機能障がいを有する方々を対象に行っている『パラモトライダー体験走行会』。5年目となる2024年は、天候の不順などもあって開催数は減ってしまっているが、ようやく秋めいて気温も下がった2024年11月16日(土)、千葉県柏市にある『BDS柏の杜会場』での7か月ぶりの開催となった。

■文・写真:青山義明 ■協力:一般社団法人サイドスタンドプロジェクト https://ssp.ne.jp/

 青木三兄弟の次男・拓磨を再びバイクに乗せるプロジェクト『Takuma Ride Again』をきっかけに、その対象を一般の障がい者にも拡大し、実際にバイクに乗る機会を設け、体験してもらおうということで2020年から開催している『パラモトライダー体験走行会』。それぞれの機能障がいに合わせてバイクをカスタムし、多くのボランティアスタッフがこれを支えることで、車いす生活を余儀なくされている方でも、全盲の方でも、実際にバイクに乗る経験を得ることができる。そしてこの経験により、障がいがあっても夢をあきらめないという思いを持ち続け、自身の夢を追い続けるすべての人々を後押しできるという考えの下、開催されている。

#サイドスタンドプロジェクト
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SSPをサポートするバイクショップチェーンMFDからの寄贈により、前回新たに4台の国産マシンが導入された。それらのバイクのうちの2台に、カスタムショップのTRIJYA(トライジャ)によるカスタムによって自動電動補助輪が装着されて、この会場に持ち込まれた(今回は展示のみ)。現在はこの自動の補助輪装着車は2台のみだが、さらに増車されることとなれば、箱根ターンパイクでのツーリングもサポートするボランティアスタッフも一緒にツーリングができるようになるだろう。

 今回開催されたのはバイクのオークションを運営するBDS(ビーディーエス)の柏の杜オークション会場である。会場内にはオークションに出されるバイクが多く並んでいる車両展示場(立ち入りは禁止)があるが、その周囲をぐるっと取り囲むようにある駐車スペースを利用して、さまざまな催しが行われるもの。
 この日は一般来場者を迎えた『第4回 BDSバイクセンサー 秋の祭典』と題したイベントが開催されたのだが、これに合流する形でのパラモトライダー体験走行会も同会場で開催となった。このBDSのイベントは今回が4回目、そして初めての秋の開催となったイベントで、フリースタイルモトクロス(FMX)や、オフロードバイクやトライアルバイクなどの試乗体験、そしてバイクショップ、パーツ・アパレル用品メーカーなどによる展示即売会。豪華ゲストによるトークショーなどコンテンツ盛りだくさんで開催された。

#サイドスタンドプロジェクト
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今回もボランティアスタッフが多数来場した。新たに参加した新人ボランティアスタッフにも体験試乗が始まる前にしっかりレクチャーを行って、ベテランとグループを組んでしっかり確実にサポートができる体制が組まれている。

 この日は天気にも恵まれ、午後は完全に曇り空となったが、会場には多くのライダーや家族連れが来場。今回は4名のパラモトライダーがこれに参加したのだが、体験試乗スペースの周囲には『秋の祭典』の来場者もこれを見守る形となり、広くバイク乗りにこの活動をアピールする機会ともなった。

 次回のパラモトライダー体験走行会は、12月23日(月・祝)、埼玉県上尾市にある自動車教習所のファインモータースクール上尾校での開催となる。
(文・写真:青山義明)

#サイドスタンドプロジェクト
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今回で3回目となる伊藤祐希さんは「今日も楽しく走行ができました。まだ課題はありますけど……。過去2回は毎回バイクに乗ることを思い出すところからスタートしていましたが、今回はもっと普通にバイクに乗れる感覚がありました。リハビリで膝がもっと曲がるようにしなければいけないですし、もっとできることを少しずつやっていって、来年こそは『やるぜ! 箱根ターンパイク』での走行ができるようにしていきたいです」

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視覚障がいの小泉 貴さんは2回目の参加。「アウトリガーがあるので車体がうまく傾けられなかったこともありますが、曲がることがうまくできませんでした。もっとバイクに慣れて早くステップアップしていきたいです。この感覚を忘れないうちに早く次の走行ができればいいんですが……」

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寺田湧将さんは脳性麻痺のためこれまではバイクとは無縁の人生を送っていた。SSPのクラウドファンディングをサポートしたことがきっかけでSSPと知り合った、と言う。今日は人生初のバイクだったが「自分とは完全に無縁だった世界が突然やってきてとっても楽しめました。スタッフの“イケオジ”の皆さんから元気ももらえましたし、この走行会の雰囲気もとてもよかったです」

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今回初参加の吉富大祐さんは、ツーリング中のバイク事故で脊椎損傷、18歳で車いす生活を余儀なくされてしまっていたが、障がい者ボートやハンドサイクルなどを楽しんできた。このSSPの活動を知り、すぐに申し込みをしたものの、雨天のため当初の予定がキャンセルとなって、今回ようやく走行が叶った。バイクに乗る前にはSSPが用意したSSPオリジナルの手押し自転車でバランス感覚を確認して、乗車練習を繰り返して、準備に余念がなかったのが印象的だった。

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2024/11/27掲載