全日本ロードレース第6戦オートポリスは、長いインターバル明けの全クラス開催で、JSB1000クラス、ST1000クラスは土曜日曜でそれぞれ2レースの決勝が行われました。
■JSB1000クラス
#32野左根航太(Astemo HondaDream SI Racing)がトップに立ちますが、その直後スタート時のフライングによりライドスルーペナルティを課されてしまいます。#30長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、#33高橋 巧(JAPAN POST HondaDream TP)が激しい争いをしていたところ長島の転倒によりレースは赤旗中断。第2レースは第1レースの7周目の順位がグリッド位置になり、8周で行われました。この第2レースはスタートから#1中須賀克行と#2岡本裕生(共にYAMAHA FACTORY RACING TEAM)の2台が前に出て後続を引き離して逃げます。3番手争いの#4名越哲平(SDG Honda Racing)、#3水野 涼(DUCATI Team KAGAYAMA)は水野が抜け出し、岡本、中須賀を追います。中須賀と岡本は順位を入れ替えながらトップ争いを繰り広げ、僅差で岡本が今季2勝目をあげました。2位に中須賀、3位には途中から単独走行になった水野が入りました。
翌日のレース2は18周。ホールショットは中須賀、岡本、野左根と続きます。3周目に入るところで野左根がいったん前にでますが、すぐに岡本が巻き返します。トップグループは6台に膨れますが、4周目のストレートで岡本が中須賀をパスしてトップに立つと、ヤマハの2台が集団から抜け出します。3番手争いの名越、野佐根、水野、#10岩田 悟(Team ATJ)ですが、水野が逃げ場をなくしてコースアウト転倒。そしてレース中盤から追い上げてきたのは高橋巧。高橋は残り3ラップで野佐根、名越をパスして3位でチェッカー。鈴鹿8耐最多勝記録(6回)をもつ高橋は、全日本ロードレース4年ぶりにJSBクラスで表彰台に登壇。岡本はチャンピオン中須賀を振り切って18周を走りきり、トップでチェッカー! 2レース完全制覇となりました。
優勝:岡本裕生選手
「今日の朝フリー走行から調子が良く、気温も上がり想像通りの厳しいレースとなりましたが、自信をもって落ち着いて自分のペースを保つことができました。できる限り引き離して自分のペースで最後まで、後ろは気にせず集中して走りました」
2位:中須賀克行選手
「前半を抑えて、中盤で勝負したいなと思ったのですけど隙をつかれました。必死に追いかけてレース1よりは高いアベレージで頑張れていたのですけど、岡本選手も集中していい走りをしていたのでミスを誘うことはできなかった。地元で勝てなかったのは悔しいが、シーズン通してレースは残っているので、このあと自分が得意なサーキットになりますし、そこでしっかり自分の強さを発揮できるように、負けの悔しさをバネに次は巻き返してやりたい」
3位:高橋 巧選手
「お久しぶりです! 序盤は5位にあがった段階で、前が全く見えない位置にいましたが、そこからプッシュしました。相変わらず探りさぐりですがその辺からマシンにも慣れてきて、決勝を使いながらセッティングやマシンのバランスづくりを行ってちょっとづつ安定し、レース後半は強みを出せた。序盤に離されがちなので、次からはその辺の課題をまだまだひとつづつクリアしていきたいと思います」
■ST1000クラス
土曜のレース1は欠場中の#1渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)の代役参戦の羽田大河が混戦を制して優勝。レース2は序盤でトップに出た#10國井勇樹(SDG Team HARC-PRO.)に羽田、#3国峰琢磨(TOHO Racing)、#9岩戸亮介(Kawasaki Plaza Racing Team)、#7豊島 玲(DOGFIGHTRACING JDS)と続きます。國井と羽田の2台が抜け出し、羽田は國井の真後ろで様子を伺います。ラストラップの第2ヘアピンに望みを賭けていた羽田でしたが、あいにく黄が出ていたため、仕掛けることができず、國井が抑えきり今季3勝目。
■J-GP3クラス
J-GP3クラスは#1尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)がポールポジションから最後までトップを守り切って優勝。今季3勝目。
※ST600クラスはスタート直後のアクシデントにより、開催は中止となりました。このアクシデントによりご逝去されました、芳賀涼大選手のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
全日本ロードレースは9月末の岡山を終えて最終戦は10月26〜27日、鈴鹿サーキットで開催されます。
(文・写真:楠堂亜希)