Q4の先駆車GS250FWは、1985年3月にGF250へとフルモデルチェジしたが、その翌月ヤマハ初のQ4となるFZ250フェーザーが登場する。スペック最優先の高性能を見つめ直すというジェネシス思想で開発された新エンジンは、前傾45度のDOHC4バルブで、レッドゾーンは16000rpmからという高回転型でクラス最高と同じ45馬力を発揮。4into1の集合マフラー、フロントダブルディスクブレーキなどを装備しながら軽量化も追求、その結果Q4は遅いというイメージを見事に覆すことに成功した。
さらにフロントカウルからリアカウルまで一体化した流麗なエアロフォルムのコンパクトな車体はスリムで足着きもよく、軽快なハンドリングも相まって多くの女性ライダーに支持されるという新たな一面も見せた。
翌年、リアディスクブレーキを追加してマイナーチェンジを行うが、フェザーといえど急激なレーサーレプリカブームに抗うことは叶わず、わずか2年で、レーサーレプリカスタイルの後継車FZR250に主役の座を明け渡すという短命に終わってしまった。
しかし、レースブームを背景に4ストローク250cc以下によるSP-Fクラスも新設されるなど、Q4は250のカテゴリーとして重要なポジションを占めていく。
4ストロークの高回転型エンジンは得意中の得意であるホンダは、400ccクラス第二世代の4気筒車投入でも最後発となったように、主要なカテゴリーになりつつあったQ4戦線においても不気味な沈黙を続けていた。巷ではV4だ、いや6気筒だと噂ばかりが大きく先行する中、ついに1986年、ホンダ初のQ4がベールを脱いだ。水冷4気筒エンジンはもちろん新設計、かつてのGPレーサーRC163を彷彿とさせるようなカムギアトレインを採用、レッドゾーンは17000回転からという、ホンダの面目躍如ともいえるような超高回転型エンジンであった。レーサーレプリカとは異なるエアロフォルムに、アルミの目の字断面フレーム、前後17インチなどを装備しながらも乾燥重量は138kgに抑えられるなど、一気にライバルのQ4モデルを追い抜く意気込みの意欲作であった。
コンパクトにまとめられたボディに前傾45度の新開発エンジンを搭載したヤマハ初のQ4モデル。4連のダウンドラフトキャブを装着し、レッドゾーンが16000回転からという高回転型の45馬力エンジンもさることながら、流麗なスリムでコンパクトなデザインに、足着きのよい車体などにより女性ライダーにも人気を博した。ちなみにガソリンタンクのシート寄りには小さな小物入れも装備。こういう小さな心遣いも女性にアピールした。当初はシルキーホワイト×レッド、シルキーホワイト×ブルーの2色だったが、7月にブラックが追加された。
リアディスクブレーキ、アンダーカウル、ピレリタイヤを標準装備した特別色のストーミィレッド×ヤマハブラックのYSPリミテッドを発売。シートカウルはオプション設定だった。YSP店のみの扱いの限定モデルだが、台数限定ではない。535000円。
発売1周年を記念し、YSP仕様に装備され好評だったリアディスクブレーキと前後タイヤにピレリMT45 ZETAを標準装備とし、ファインシルバーの特別塗装を施した特別限定車を525000円で発売(台数は不明)。このモデルからは騒音規制に対応したニュータイプの集合マフラーとなり、特徴的だった高周波サウンドは大人しめになったが、吸排気系の見直しによって中速域のレスポンスが向上している。
7月からはスタンダードモデルのFZ250フェーザー(1YL)(ピレリは未装着)もリアディスクを採用した。車体色はシルキーホワイト×ストーミーレッドとシルキーホワイト×レジナブルー。
ホンダ初のQ4モデルは、サーキットテクノロジーがフィードバックされたカムギアトレインの新設計エンジンで登場。クロモリ浸炭コンロッド、軽量ピストンやバルブなどの採用によってレッドゾーンが17000rpmからという超高回転エンジンとなった。フレームも新開発の目の字断面のアルミツインチューブフレームとなり、丸みを帯びたエアロフォルムでパッケージした。
アンダーカウルを標準装備し、キャンディアリューシャンブルーの専用色のスペシャルエディションを2000台限定で発売。559000円。
[青春のQ4 その1 創生編| その2 躍進編 | その3 RRの時代 前編]