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試乗・解説

●文&撮影—毛野ブースカ ●撮影協力—玉井久義 ●取材協力─スズキ https://www1.suzuki.co.jp/motor/

 GSX-R125 ABSの実力を探るために、当初は満タンでどこまで行けるのかを試そうと思った。しかし、WMTCモード値の燃料消費率は45.1㎞/Lとなっており概算で500㎞、つまり西日本方面なら京都、東日本方面なら岩手県一関市を過ぎたあたりだ。高速道路に乗れるならまだしも高速道路に乗れない125㏄だと行きはいいが、帰りがしんどい。いろいろと調べた結果、自宅(調布市)から約120㎞離れた富士山を目指し、富士山をぐるりと一周して約120㎞、そして自宅まで約120㎞、合計すると400㎞前後になり、500㎞には及ばないものの燃費を測るにはちょうどいい距離であることがわかった。さすがに一般道メインで日帰りは厳しいので、初日は富士山周遊の出発地である河口湖まで行って宿泊。翌日河口湖を出発して富士山を一周して河口湖に戻り、そのまま帰宅するというスケジュールにした。





 出発当日の天気は快晴。気温も高く絶好のツーリング日和だ。河口湖までのルートは至って単純。国道20号線を甲府方面にひたすら進み、笹子トンネル手前で県道212号線に入って笹子峠を通過。再び国道20号線に戻って山梨県笛吹市に入って国道137号線に進み、県道708号線を通って御坂峠を通過して河口湖にあるホテルルートイン河口湖に到着するというルートだ。河口湖やその周辺は何度も訪れているが、一般道を通って行くのは初めてだ。あえて県道を選んだのはワインディング路での乗りやすさを確かめるためだ。

 自宅から出てすぐの交差点で、犬を散歩させているオジサンとすれ違い、目が合ったのでなんか気に障ったかなと思いきや「カッコイイよ!」と思いもよらない言葉をかけられた。ホンダ400Xではそんなことを言われたことがないのに……GSX-R125 ABSの予想外の魅力に気づいてしまった。都心とは逆方向とはいえ午前中は交通量が多くストップアンドゴーの連続だが、低中速域でも扱いやすいのでストレスなく進める。国道20号線のバイパス方面に進み、日野市付近からようやく通行量が減り始めた。JR八王子駅近くを通過して高尾駅までは平坦な道が多く。京王線の高尾山口駅を通過すると大垂水峠に向かって登り坂とワインディングが続く。いよいよGSX-R125 ABSの本領発揮といったところ。峠に向かって登り坂とカーブがキツくなるが意外とトルクがあってストレスなくグイグイ進む。セパハンのポジションにもだいぶ慣れてきたのと車体が軽いこととあいまってハンドリングしやすい。これは楽しいぞ。

 大垂水峠を過ぎて第1チェックポイントの相模湖公園に到着。一昨年にホンダモンキー125で訪れて以来だ。相模湖公園まで自宅から約2時間かかった。しかし、ここまで来て出発時にトリップメーターをゼロにしていなかったことが判明。約40㎞ほど走ったが仕切り直してここからトリップメーターをゼロにしてスタート。気温はさらに上昇してまるで初夏の陽気だ。平日にもかかわらずツーリングしているライダーが多かった。

 相模湖公園を出発して再び国道20号線を甲府方面に進む。大月市まではカーブやアップダウンが多いものの信号は少なく流れはスムーズ。何度も通過しているルートだが、125㏄だと景色が違って見える。途中、上野原市内に入るとストップアンドゴーが増えたものの、そこ以外はほぼギアは5速〜6速に入れっぱなし。大月市を通過するとさらにカーブとアップダウンが減りクルージング状態に。ここまでお尻がちょっと痛くなってきたが、首は痛くなく疲れもそれほど感じない。

 笹子トンネルに差し掛かる手前で笹子峠方面へ分岐する県道212号線を進む。林道は舗装されているものの道には落石や枯れ木が落ちてちょっと荒れ気味。こういう時、トラブルが起きても車体が軽くて足着きがいいと安心だ。勾配のキツい箇所もあったが、パワー不足は感じなかった。矢立の杉と笹子峠下にある笹子隧道(ずいどう)を通過し、下りのワインディングを乗り切って国道20号線に合流。県道212号線は今まで通ったことがない道だったが、なかなか味わいがあって良かった。

 再び国道20号線を進み勝沼町を通過して、笛吹市に入ったところで河口湖方面に向かう国道137号線に入る。ここから御坂峠に向けて登坂車線が続き、さらに交通量が多くてアベレージスピードも高い。勾配がキツくなるにつれてどんどんスピードが落ちてくる。後続車に道を譲りながら進む。自分のライディングレベルにもよるだろうが、さすがに125㏄では厳しい感じだ。そのまま新御坂トンネルを進むのは危険なので、予定どおり御坂峠に向かう県道708号線に進む。交通量は少なく、先ほどの県道212号線に比べれば走りやすい。最高地点の天下茶屋から望む富士山はなかなかの光景だった。

相模湖公園
初夏を思わせるような汗ばむ陽気の中、第1チェックポイントである相模湖公園に到着。トリップメーターをリセットしていなかったのでここからスタートとなった。
矢立の杉
笹子トンネルに差し掛かる手前で国道20号線から県道212号線に入り、林道をしばらく走ると「矢立の杉」が現れる。笹子トンネルは何度も通過しているにもかかわらず、ここに立ち寄ったのは初めて。

矢立の杉
看板のある場所から100mほど下ると「矢立の杉」がある。杉良太郎の唄にも歌われたこの杉は樹齢1000年以上、戦国時代の武士が必勝を祈願してこの杉に矢を放ったことから名前が付いたという。
笹子隧道
矢立の杉を通過するといよいよ笹子峠を通過する。趣きのある外観の「笹子隧道」は笹子峠を越えるために作られたもの。ツーリング途中でトンネルに差し掛かると、その先に何があるのかいつもワクワクしてしまう。
御坂隧道
県道212号線→国道20号線→国道137号線と進んで、県道708号線に入ると御坂峠を越えるための御坂隧道が現れる。普段なら通過してしまうような場所をゆっくり走れるのも125㏄の魅力だ。

河口湖
御坂隧道を過ぎると右側に富士山と河口湖が視界に入ってくる。この眺望だけでもここに来た甲斐がある。雲がなければもっと絶景が味わえるだろう。
ルートイン河口湖
県道708号線から国道137号線に戻ってほどなくして河口湖湖畔にある「ルートイン河口湖」に到着。眼前の岸辺からは富士山が一望できる。明日はここから出発だ。

約100㎞
相模湖公園からここまでは約100㎞。自宅から相模湖公園までは約40kmなので、1日目だけで140㎞走ったことになる。さすがにお尻が痛い。
リッター48.8㎞
燃費はなんとリッター48.8㎞を叩き出した。ほぼカタログと同じ数値だ。特に走りは意識せず、林道や急坂を走ってきたことを考えると上出来。なかなかやるな〜。

 富士山を堪能した後は県道708号線から国道137号線に入って今宵の宿であるルートイン河口湖を目指す。河口湖の湖畔に建つルートイン河口湖に到着したのは午後5時。ここからも富士山が望めた。走行距離は相模湖公園からちょうど100㎞、自宅からはおよそ150㎞だった。平均燃費は48.8㎞/lを叩き出してカタログ数値よりもいい結果に。噂に聞きし好燃費だ。途中ワインディング路が多かったので平坦な道が多くて、走り方を工夫すればもっと燃費が上がったかもしれない。

ルートイン河口湖

今回お世話になったルートイン河口湖。湖畔のホテル街の一角にあり、大浴場からは河口湖が一望できる。河口湖に面した部屋も選べるので、観光の拠点にピッタリ。

甲州ほうとう小作 河口湖店

甲州ほうとう小作 河口湖店

夕飯は県道707号線沿いにある「甲州ほうとう小作 河口湖店」で「豚肉ほうとう」をチョイス。ここのほうとうは私の好物のひとつで、味・ボリュームともに申し分ない。アツアツなので汗だくになって食べるべし。

 翌朝、天気は雲ひとつない快晴。富士山一周にふさわしい天候だ。まずはホテルの目の前で富士山をバックにツーショット撮影した後、河口湖を午前8時30分に出発。ここからは国道137号線を笛吹市方面に少し戻って県道21号線に入って西湖、国道139号線に入って精進湖、本栖湖の順で進んでいく。ホテルを出発していきなり絵に描いたような「逆さ富士」に遭遇。これは縁起が良さそうだ。河口湖を通過して西湖に到着。湖畔を走っていたらビューポイントを発見。富士山とのツーショット撮影後、精進湖へ。平日のためか交通量は少なく、あっという間に精進湖に到着。ここでも西湖と同じビューポイントを見つけてツーショット。続く本栖湖では富士山とのツーショットはできなかったが、青く澄んだ空にGSX-R125 ABSのトリトンブルーメタリックが良く似合う。

出発前
出発前にホテル前の駐車場で富士山とツーショット。今日はここからスタートだ。天気は快晴で富士山一周にもってこい。果たして何時頃ここに戻って来れるのだろうか。
逆さ富士
ホテルを出発してすぐのところで見事なまでの「逆さ富士」に遭遇。テレビなどでは見たことがあるものの間近で見たのは生れて初めてだった。
西湖
県道21号線を走って第2チェックポイントの西湖に到着。湖畔沿いを走って推し量ったかのような場所に碑が建っているのを発見。これはいいぞとばかりツーショットを撮る。

精進湖
次の精進湖でも西湖と同じようなビューポイントに碑があったのでGSX-R125 ABSとのツーショットをパチリ。ここでも富士山の雄大な姿を望めた。
本栖湖
本栖湖では湖畔沿いに碑はあったものの富士山は撮影している私の背中側(しかも見えない)にあるので、とりあえず碑と湖をバックに撮影。これで富士五湖のうち4つを制覇したことになる。

 富士五湖のうち四湖を攻略して、ここからは国道139号線を走り、静岡県に突入して富士山のビューポイントで有名な朝霧高原に向かう。河口湖に戻るまで富士山は拝み続けられるのだろうか。(後編に続く)

※この記事は緊急事態宣言発令前の4月22日〜23日に取材したものです。





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2021/06/08掲載