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高橋裕紀、TSR Hondaと共に世界チャンピオンの夢へ!

 東京・青山のホンダ本社で「日本郵便HondaDream TP 高橋裕紀 ST1000タイトル獲得報告会」と「F.C.C. TSR Honda France取材会」が行われた。新型コロナウィル感染予防の上で、メディア関係者限定として行わた会場で、高橋裕紀が2021シーズンのFIM 世界耐久選手権シリーズ(EWC)に、F.C.C. TSR Honda Franceのライダーとして参戦することが発表された。

 今季のモータースポーツシーンはコロナ禍の影響を受け、大幅なスケジュールの変更が相次いだ。全日本ロードレース選手権も同様で、全4戦と短縮で開催された。新設されたST1000クラスは、ダンロップタイヤのワンメークで争われ、国内外の最新リッタースーパースポーツによって争われた。市販車に近いクラスとはいえ、200馬力近いハイパワーマシンでの迫力ある戦いは大きな注目を集めた。そこで新型Honda CBR1000RR-R Firebladeを駆り、初代チャンピオンとなったのは高橋裕紀だ。

 高橋は2005年から2013年までロードレース世界選手権のトップライダーとして活躍、2014年に全日本復帰してJ-GP2でV2達成、アジア選手権SS600でもタイトルを得た実力者。2012年鈴鹿8耐では2位の実績がある。今季のタイトル獲得も最右翼として力を示した。その高橋が、EWCに挑戦する。

 今季のEWCもコロナの影響で、ル・マン24時間耐久は、4ヶ月延期の上に無観客開催、鈴鹿8耐も延期から中止、ボルドール24時間耐久も中止で急遽エストリルで最終戦が行われた。唯一の日本チームとしてフル参戦しているF.C.C. TSR Honda Franceは、新型Honda CBR1000RR-Rのキットパーツの先行開発を手掛け、2020ル・マン24時間でCBR1000RR-Rを駆り、このマシンにとって世界選手権初勝利をもたらし、同時に2年ぶり2度目のル・マン制覇を達成した。

 高橋はTSRの海外ライダーがコロナの影響で移動が制限されたことで、三重県・鈴鹿サーキットで行われた7月のテストに参加したことが、起用のきっかけとなった。藤井総監督は「新型CBR国内最終実機の確認時にマシンをよく理解してくれた。その時ピピンと来た、というか縁を感じた。世界の東西(日本とヨーロッパ)で相互にレベルを高めていくため、どこよりも多くテスト回数を増やしたい。チャンピオンを獲るためマシン、チーム、そしてライダーの3つの三角形をバランス良く最大限に大きくしなければならない。そのためには彼の実力が必要だった」と語った。

 高橋は「子供の頃から世界チャンピオンになるという夢は変りませんが、現状、日本人が世界チャンピオンになれる方法を自分なりに考え始めた矢先に、まさかの藤井監督からの言葉をいただきました。自分の人生のなかで、最後に努力次第でチャンピオンになれる可能性があるチャンピオンチームに声をかけてもらい、非常に嬉しく思っています」と喜びを語った。

 全日本ロードで、高橋が所属する日本郵便HondaDream TPの手島雄介監督は「藤井監督は、僕が師匠と呼ぶ人物で、僕自身もライダーとしてお世話になりました。高橋は、今季から自分のチームに加入してタイトルを撮ってくれました。自身にとって、藤井監督も高橋選手も大事な人であり、その決断を応援したいと思っています。細かな調整は、これからですが、全日本でもV2を目指してもらいたいと思っています」と言葉を寄せた。

 F.C.C TSR Honda Franceは EWCに高橋裕紀を起用し、従来のジョシュ・フック(オーストラリア)、マイク・ディメリオ(フランス)選手の3人態勢で臨み、2度目の世界チャンピオンを目指す。高橋は全日本ではV2に挑み、ダブル参戦で、忙しいシーズンを送ることになりそうだ。

(レポート&写真:佐藤洋美)


●F.C.C TSR Honda France
FIM EWCは世界を舞台に転戦しているバイクの耐久レース。F.C.C TSR Honda Franceは2017-2018年に参戦3年目にして日本チーム史上初となるワールドチャンピオンを獲得。2018-2019年はランキング2位。2019-2020年は8月のル・マン24時間耐久で優勝したものの、最終戦のエストリル12時間耐久レース(ポルトガル)は2位となりランキング3位。

●高橋裕紀
1984年7月12日生まれ。7歳からポケバイを始める。2004年全日本250ccクラスチャンピオン。2005年~2013年までMotoGP世界選手権(GP250クラス、MotoGPクラス、Moto2クラス)に参戦し優勝3回。2012年は鈴鹿8時間耐久2位。2013年は鈴鹿8時間耐久6位。2014年~2015年全日本ロードJ-GP2チャンピオン。2015年ARRC SS600チャンピオン。2020年に全日本ロードレース選手権ST1000チャンピオン

FIM EWC2021シーズン(※11月7日現在のもので変更の可能性もあり)
第1戦 4月16日~17日 ル・マン24時間耐久レース(フランス)
第2戦 5月20日~23日 オッシャースレーベン8時間耐久レース(ドイツ)
第3戦 7月15日~18日 鈴鹿8時間耐久レース(日本)
第4戦 9月 ボルドール24時間耐久レース(フランス)
第5戦 12月 セパン8時間耐久レース(マレーシア)







2020/11/09掲載