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ホンダ、かつての“最強時代”を予感

 世界一過酷なモータースポーツ「ダカール・ラリー」。舞台を南米から中東・サウジアラビアに移し第42回目を迎えた今大会は1月5日から17日にかけて、全12ステージが設けられた。ルートの75%は砂漠地帯となる。

 二輪部門において、アフリカ大陸を舞台に争われていた1980年代に強さを誇ったホンダは2013年に同ラリーへ復帰。速さを誇りながらトラブルや不運に見舞われ、最高位は2015年と2018年の2位だった。

 今回、CRF450 RALLY を駆るリッキー・ブラベックが第3ステージで優勝し総合首位に立つと、その後も堅実な走りで首位を守り二輪部門で総合優勝。ホンダに31年振りの栄冠をもたらした。また、ブラベックは世界一過酷なラリーを制した初のアメリカ人となった。


 そんなホンダのダカール・ラリー参戦。中々勝てなかったことにヤキモキしていたファンも多いはずだ。2013年の復帰から8回目の挑戦で優勝となったHRCチームのマネージャーを務めるホンダレーシングの本田太一氏が今回の戦いについて、報道陣を前に語った。

 「(本戦までに)準備がどれだけできるか。それが一番重要だと思います」という本田氏の言葉に、今回の優勝によって得られた自信のようなものが滲み出ており、来年以降の戦いにかつての”最強時代”を予感させられた。

 速さを誇りながらトラブルや不運に見舞われ、これまで優勝から見放され続けたHRCチーム、マシンは2019年参戦車をベースに空力特性を見直し、耐久性向上、熱対策が施された熟成の範囲だとか。初の舞台となったサウジアラビアの砂はこれまでの南米より細かく、走行距離は昨年に対し2000キロ伸び、レースの車速も上がり、ライダーにもマシンにも過酷だった。

HRC本田太一チーム代表

 ブラベックはライダーとしての能力がさらに高まり、加えて計算高い走りが今回の優勝に大きく貢献したという。ただ、3日目にして2位に対し20分以上のマージンを築いたが、ダカール・ラリーは30分の差が1日でひっくり変えることはよくあること。ホンダ自身もそれをよく知っている。これまでパレード的意味合いが強かった最終日であったが、今回は総合順位が入れ替わる可能性があるステージであったため、ゴールするまで集中が途切れることはなかった。

 総走行距離7000キロ(チームの移動距離は8000キロに及んだ)のラリーでホンダは最終的に総合優勝の他、全12ステージ中6ステージでも優勝を飾っている。

2020/02/07掲載