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試乗

トップたる所以。 Panigale V2に込めた熱量を識る。
 いつもならどこかカッチリ感に支配された足が、このパニガーレV2ときたら、実に滑らかだ。余裕あるシャーシに抱かれ、155馬力のエンジンはどこからでも開けられる。加速、減速、旋回が織りなす旨味成分が絡み合い、いつまでも飽きが来ない。
 パニガーレV2、これは間違いなくドゥカティが作った傑作料理の一つだ。Red Essence、すなわち赤の神髄。ドゥカティが込めた情熱はゴージャスに香り立つ。
 スペイン南部、MotoGPトラックの一つ、ヘレスで確かめたこのバイクは、間違いなく、現行ラインアップ中、最良のスポーツマシンだ。
 そしてドゥカティ謹製のLツイン搭載マシンの最高峰へと昇華しただけあって、美しさ、楽しさ、そして包容力。そのすべての純度が高い。
 大きさだけでは示せない威厳がここにあった。
■試乗・文:松井 勉 ■写真:Ducati ■協力:Ducati Japan https://www.ducati.com/jp/ja/home

 
 70年代に入るとドゥカティは、以降の同社のアイコンとも言えるエンジン形式、Lツインを搭載したモデルをリリースする。GT、スポーツ、スーパースポーツと次第にスポーツ色を強めたラインナップ構成は、今のドゥカティというブランドの礎にもなった。
 また、750㏄だったそのエンジンと、450㏄クラスまでの単気筒エンジン搭載モデルの間を埋めるべく、当時からミドルサイズモデルを見据えてきた。そのドゥカティの近代史において、おなじみなのはスーパーバイク系の兄弟構成だ。
 916と748、999と749、1098と848、1199パニガーレと899パニガーレ、1299パニガーレと959パニガーレというふうに、プレミアムクラスとミディアムクラスをお互いの存在を使って引き立ててきた経緯もある。
 しかし、2018年にドゥカティがスーパーバイクモデルとしてパニガーレV4をリリースし、ついに2気筒から4気筒へとシフトしたことを踏まえ、兄弟車にもポジショニングに変化の時が訪れたのだ。
 それが先日アンベールされたパニガーレV2である。
 

959パニガーレの事実上後継モデル。
しかし、細かな改良はV2トップの座にふさわしい。

 
 このパニガーレV2の特徴は少なくない。まず、外観の特徴はV4シリーズが持つ意匠に近づけていることだ。燃料タンク、フレームは先代の959パニガーレと同じというが、ノーズ周りや、カウルのサイドパネルやテールエンドなどのスタイルはもちろん、片持ちスイングアームの採用で、一気にトップレンジ風に仕立てられているのが特徴だ。
 
 これまでプレミアムさでドゥカティのスーパーバイクを選択していたユーザーにとって、エンジン排気量はともかく、そうした外観がもたらす「押し出し」も見逃せないポイントだった。それだけに、排気量や最高出力、最高速などの性能面ではV4には及ばないが、V2が持つスタイルは大いに価値観をあげたともいえるだろう。
 
 もちろん、それだけではない。サスペンションの設定や車体姿勢の見直し、またエンジン吸排気系の諸元などを一新しているため、ライダーが受ける印象は、先代959パニガーレと大きく異なるはず。また、2020年モデルのV4シリーズと同等の電子制御をフル装備するV2は、街乗りからサーキットライドまでライダーを楽しませることは間違いなさそうだ。
 この電子制御周り、MotoGP用ワークスマシン、GP18(つまり昨年のワークスマシンだ)が採用していた電子制御をベースに開発されているだけに、6軸加速度センサーからの情報を得ているのはもちろんだが、ロジックも細やかでライダーの感覚に沿うような進化があるという。コーナリングABS、トラクションコントロール、ウイリーコントロール、クイックシフター、エンジンブレーキコントロールなど、ドゥカティ独自の味付けを施している。例えばトラクションコントロールは、制御の細やかさが進化したのと同時に予測制御も入るため、ライダーがその作動で違和感を覚える前にシームレスな走りを提供するという。
 

パニガーレV2は、V4シリーズ同様のスタイルを得たこと。スタジオカットがスタンダードの公道仕様。試乗用はミラー、ナンバープレートホルダー、リアウインカーなど取り外せる保安部品を省いたもの。実はそれだけで相当レーシングライクなスタイルになることもドゥカティらしい。

 

上からV2を見るとドゥカティが採用するモノコックフレームがスリムな車体作りに有利なことが解る。エンジン上部にあるそのモノコックフレームは、エアクリーナーボックスを兼ねていて燃料タンクがエアクリーナーボックスの蓋となる。916の頃からエアボックスの蓋をタンクが兼ねる構造だったが、さらにトレリスフレームを省いたことで、横のボリュームが消えスリムに。959パニガーレから燃料タンク形状は引き継がれている。

 

いわゆる機能説明をするための写真、というより美しさを印象づける作品のような一枚。タンクの形状、シートの黒とシートカウルに見える赤の配分など、細かく計算されたデザイン。トップブリッジの肉抜きなど機能美にも徹底的にこだわった様子が分かる写真だ。

 

このアングルもスーパーバイク系の美しい表情だと思える。今回、プレス試乗会に用意されたパニガーレV2は、OEMがピレリのディアブロ・ロッソ・コルサⅡなのに対し、トレッドパターンはあるがサーキット用タイヤとなるディアブロ・スーパー・コルサへと交換されていた。フロントにソフト、リアにミディアムという組み合わせで、空気圧はフロントが2.0、リアが1.8という温間数値に調整された。この写真で解るように959パニガーレ時代よりも遙かに短い排気系、そして片持ちスイングアームの採用などがパニガーレV2のスタイル上の特徴となる。

 

このトラックがわかりやすい。
だからヘレスにしたんです。

 
 メディアを集めた試乗会はスペイン南部にあるヘレスサーキットで行われた。MotoGPが開催されることでおなじみのコースだ。コントロールラインの真上にUFOのようなVIPルームがあることでおなじみのコースである。
 ドゥカティの開発者がここを選んだ理由は、パニガーレV2の特性を味わい尽くせるトラックだからだという。全長4423m。最も長いストレートは600mほど。全部で13のコーナーがあり、その内訳は右が8、左が5だ。私自身、これまでカタール、バレンシア、もてぎ、鈴鹿、セパン、エストリルなど現役、退役したグランプリコースをメディアテストで体験したが、ヘレスははじめて。
 宿泊したのはサーキットに隣接するホテルで、そこに行くまでに眺めたサーキットの施設はどこかクラシカル。それでもレース人気の高いスペインではここに十万人を超す観客が集まるという。
 
 お断りをさせていただくと、今回のパニガーレV2のテストは、ヘレスサーキット内だけで行われ、タイヤもOEMでは無くサーキット用に履き替えた状態だった。しかし、結論から言えば、このバイクはなるほど、V2スポーツモデルの頂点に値するものを持っている。
 

意外に手強いヘレス。

 
 パニガーレV2は見た目通り、スリムでコンパクトに見える。しかし、840mmあるシート高と、アップライトになったように感じるライディングポジションがあるとはいえ、やはりスポーツマシンらしい車体の成り立ちだ。
 スクリーンの形状が戦闘機のキャノピー的なスタイルになり、ストレートで伏せたらヘルメットを潜り込ませることができそうだが、カウルのショルダーラインなどは低く戦闘的。とにかくかっこいい。スポンサーロゴをはずしたプレシーズンテスト時のMotoGPマシンが、効率最優先でどこかヌルっとしたつかみ所がない造形なのに対し、やっぱりパニガーレV2のスタイルは描かれた画のように美しく官能的。
 

こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。
https://youtu.be/yeBEVwQ9OZ4 ※リンクが出来ない場合はURLを直接ペーストしてください。

こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。https://youtu.be/PK23EXu13JI ※リンク出来ない場合はURLを直接ペーストしてください。

※写真の上でクリックすると足着き状態が見られます。ライダーの身長は183cm。

 
 テストの走行枠は全部で5本。最初の10分は慣熟走行(といっても別に先導があるわけでも無い)として、午前に2本、午後2本、それぞれ15分を走り、合計70分用意されている。途中、2時間のランチブレークをはさみ、撮影もスチール、動画それぞれ行われる予定だ。最初に走り出した印象は、エスケープが狭いということ。鈴鹿にも似た印象だ。セパンのように見渡す限り広大な土地の中をコース貫く印象ではない。途中にあるバックストレッチを境に前半、後半を分けられるが、それぞれに醍醐味と難しさが同居する。
 
 曇り空から時折霧状の雨が落ちてきてコースを濡らす。YouTubeで研究したところ、多くのオンボード映像で縁石部分からコーナーへとアプローチしているが、いきなり試すにはちょっと恐い。
 パニガーレV2はそれでもとても乗りやすい。エンジン特性はトップエンドまでパワー感が一定に加速を続けてくれる。ブレーキとサスペンションのマッチングもよく、フロントフォークがしっとり荷重を受け止める所作など、包容力あるまとまりだ。プロダクト説明の時パニガーレV2の特徴は、ライダーに「自信が持てる。楽しい。」という言葉が何度かでたのを思い出す。なるほど、恐くない。これはスポーツバイクの性能を高める、引き出す上でとても大事なキーワードだ。
 

 
 10分の慣熟を終え、インターバルを置き1本目の走行へ。ライディングモードをスポーツからレースへと切り替える。ストリート、スポーツ、レースという3つあるモードはそれぞれでABSの介入度やエンジンブレーキの作動など電子制御セッティングやエンジンキャラクターが異なる。すべてのモードで最高出力は155馬力を発揮するが、アクセルに対するレスポンスなどでボトムからマックス領域までの出力特性の描き方に変化を与えているのだ。
 
 慣熟で好印象だっただけにペースを上げてみることに躊躇が無い。しかし、1本目はコースとのマッチングを考慮することで時間が無くなった。もてぎが4800m、ヘレスが4423mとその差400m弱だが、ヘレスのほうが断然コンパクトに感じる。それは13あるコーナーのなかに連続性のあるコーナーが多く、まったく退屈しないのだ。
 旋回性は充分に鋭い。しかしそれはクイックという意味ではなく、思った通りにコントロールがしやすい、ということだ。どこか4気筒モデルのような手応えさえある。不慣れなコースでペースを上げれば、アプローチに失敗したり突っ込み過ぎたりもする。それでもだらりとアウト側を曲がっているというより、軌道修正を含めてしやすいのだ。
 
 旋回性云々はタイヤの性格が多分にあるので言えない部分もあるが、それでもベースキャラクターとしてこのパニガーレV2のそれはピーキーとは対局にあり、高性能を綺麗に丸めて手触りよく操作できる印象なのだ。成功も失敗もわかりやすい。だからこそ自信が持てる。
 

 

やめたくない、それほど楽しめる走り。
V2の最上級を語るだけの旨味あり。

 
 2本目。後半にふたたび雨が降ってきた。ヘルメットのシールドに雨粒が付くのが解るが路面はそれほどでもないだろう、と思っていたら、バックストーレート後の左7コーナーあたりでリアがズルリと動いた。3速の高めの回転で旋回するさなかでの動き。セッションの時間も後半だったので無理せずピットに戻ることにした。
 ピットに戻る間、そのリアが横に滑るスムーズさがじつに掴みやすいインフォメーションとして伝わってきたことを考えた。あれはタイヤが滑ったのか、それとも滑った時に介入したトラクションコントロールの技なのか。そうだとしたら相当スムーズ。しかしその段階では積極的に開けて確かめたというより、偶然滑ったという印象で判別がつかなかった。短い瞬間だったが、現象をわかりやすく理解できる。そんな印象だった。
 

 
 午後、天候は晴れ、霧吹きで路面を濡らすような雲は来なかった。コースにも慣れ、パニガーレV2をもう少ししっかり味わおう。まずエンジンの特性はレブリミットまでフラットなトルク特性で、演出的な盛り上がりや山場はない。予想しやすく開けていてわかりやすい。そしてブレーキ周り。レバータッチ、そしてフロントの減速力、フロントフォークの入り方がスピードを調整するような場面から裏ストレートエンドの30Rヘアピンへの進入時でも同様に受け止めてくれる安心感がある。攻めきるほどブレーキングポイントを詰められてはいないが、このトラックで最も速度が乗る状態からフルブレーキングを敢行しても、車体はしっかり受け止めてくれる。午前より自分のペースも上がっている。
 
 一部にモノコックフレームは硬いのではないか、という話もある。たしかに、エンジンの真上にエアクリーナーボックスとステアリングヘッドを組み合わせたような箱が載っている。エンジンもフレームを兼ねていて、スイングアームやサブレームがそこから生える。イメージしてみても、最近、アルミ鋳造で肉厚を適材適所でコントロールし、しかもメインビームが細めに仕立てられたツインスパー系のフレームを見ると、長い距離で剛性バランスを取っているように想像ができる。対するパニガーレV2のそれは、レゴブロックで作ったような構成だ。
 
 なるほど、動きの硬さをそのイメージに纏めることもできる。ただ、今回は知ってみてその動きを見ると、959パニガーレと同じフレームを使いながら、サスの減衰圧特性の変更や車体姿勢変更、ライディングポジションの変更などもあって、やっぱり乗りやすい。
 
 どの段階でも動きは速いのに安定感もあるし、落ち着いている。そんな表現がしたくなるのに、身のこなしは軽い。
 
 そして、パワー。立ち上がりで全開にしながら曲がる10コーナー。ここはその前にある9コーナー(アンヘル・ニエト・カーブと呼ばれる)からアウトに立ち上がり、ワイドな11コーナーへと向かう場所だ。セカンド全開で立ち上がるとアウトでズルっとくるのだが、その滑り方も実にマイルド。車体が硬く、ピキピキ動く感じがない。電子制御がなんらか助けてくれているはずだが、とても自然で違和感がない。
 
 12コーナーは高速コーナーで、クリップ位置を意識してアウトから一気に入る。そして立ち上がりラインに乗せられたとき、これが気持ちよい。そこからタイトな最終を上手く回れて、立ち上がりでアウトにはらんだころ、フロントが軽くなる。気持ちが入りすぎてフロントを強めに残しながら曲がるこの最終でも、よじれて車体がイヤイヤをすることも無くしっかりと減速しつつも旋回してくれる。
 
 短いメインストレートから1コーナーへのアプローチでも同様。フルブレーキングするポイントから1コーナーへは上りで、そこから曲がると2コーナーに向けて緩く下る。菅生のハイポイントからレインボーに行くみたいに見える。しかし、その先は2/3ヘアピンのような30Rが待っている。
 
 つまり、ブレーキングを強めにしつつ曲がるカーブが意外に多い。そのヘレスをしっかり学習させてくれるパニガーレV2は乗りやすいということだ。
 

 
 前夜の夕食時、この春から市販車部門で開発をしているエンジニアと同席になった。彼は以前MotoGPなどのレースマシンでシャーシを担当した車体屋さんだそうで、モノコックフレームやその開発などを含め造詣が深い。彼の言葉を借りれば、タイヤ、エンジン、電子制御。そしてライダーの乗り方などなど、様々なファクターがあるから、ツインスパーやトラスフレーム、あるいはモノコックというような「どれがベスト」とは様々な段階があるから決定づけるのは難しい、と話していた。おそらく959パニガーレと今回のV2を比較しても同様だろう。僕が感じた乗りやすさは間違いないし、自信と楽しさがある。
 
 サーキットだけでバイクの結論を出すのは早計だが、パニガーレV2とのファーストコンタクトはかくもスイートで素敵なものだった。合計70分の走行がこれほど楽しめるとは正直思っていなかったし、プレステでいくら練習してもヘレスはいまいちつかめなかったが、現実のほうが遙かに短時間に習得できた。これもパニガーレV2のパッケージの正しさを表す証左なのではないだろうか。その点でもこのバイクを高く評価したいと思う。
 
(試乗・文:松井 勉)
 

タンクからフェアリングへ下側へと流れるラインと、ノーズからエンジン脇へとメインパネルの下をくぐるようにデザインされたダブルレイヤーを採用。テールエンドやテールランプのカタチも合わせて最新パニガーレファミリーの意匠を身に纏っているのが解る。

 

エンジン真下に抱えるコレクターボックスから短く出されたエキゾースト。ユーロ4を見据え2本出しサイレンサーだった959パニガーレ時代よりも、騒音規制も厳しくなったユーロ5に適合させながらこの形状としたことは素晴らしい。ドゥカティ・パフォーマンスが用意するオールチンタンのフルエキキットに交換すると、最高出力が118Kw、107Nmとなり、ユニット重量が7キロ低減される。トラックデイ専用にする場合、このオプションも気になるところ。

 

パニガーレファミリーと歩調を合わせるようなデザインになったヘッドライト周り。ロー、ハイともLEDライトとなった。また、ライト脇にあるエアインテークからエアボックスに導くダクト形状を変更。これにより圧力損失を低減し、エアフローを効率化した。

 

フロントフォークはショーワ製BPF。フルアジャスタブルタイプの倒立フォークだ。インナーチューブはφ43mm。120mmのストロークの初期から抜群の作動性を示す。フロントブレーキユニットは、ラジアルマウントされるブレンボ製M4.32モノブロックキャリパーと、φ320mmディスクを備える。

ホイールはV字スポークを持つタイプに変更。リアブレーキは、φ245mmのディスクプレートとブレンボキャリパーを組み合わせる。
リアショックユニットは作動ストロークを2mm延長した。ザックス製のそれはリンクを介して搭載される。足との干渉がないよう充分に内側へと追い込まれてマウントされている。コンベンショナルなフルアジャスタブルだが、今回、ヘレスで体験する30Rのタイトコーナーから170km/h程度で旋回する高速コーナーまで十分な性能を発揮してくれた。
アッパークラスはモノアーム、ミドルクラスは左右持ちのアーム、という流れがしばらく続いていたが、パニガーレV2はモノアームを採用。ホイールデザインがバッチリ見える点でも、スタイルアイコンとしてもやっぱり嬉しいディテールだ。

左右のハンドルスイッチは各種TFTモニターに表示されるライディングモードの変更するスイッチともなるが、ウインカーキャンセルスイッチを併用することでシンプルな構造に。オーナー以外は操作が難しいが、スイッチドリルを受ける、もしくはオーナーとなってマニュアルで一度勉強すればその操作は問題無く行える。

4.3インチ、TFTカラーモニターになったダッシュパネル。11500rpmからレッドライン。最大トルクの60%以上を5500rpm以上の領域で発揮するだけに、エンジン特性はとてもフラットなトルクデリバリーとなる。周囲の明るさにより背景が変わるのも特徴。

 

ステップ周りの造りも美しい仕上がり。シフトアップ、ダウン双方に作動するDQS EVO2。操作性の良さはもちろん、高回転まで正確な作動が自慢。タッチは軽すぎず重すぎず、いい線をついていた。また、マフラーや、スイングアームとブーツの踵などが干渉もないレイアウトで、走りに集中ができるものだった。

 

エルゴノミクスを追求することでシェイプをさらに進化させたシート。フォーム厚を5mm増やし、前後長は20mm拡大。身長183cmの大柄な私でも狭さがなく、左右への体を動かす時は、ボディーパーツをしっかりホールドできるため、車体全体とのコミュニケーションが取りやすい印象だった。

 

959パニガーレと比較してテールカウルはコンパクト化した。そしてV字だったテールランプから、ウインドウトンネルを縁取るような形状になったのもV4系パニガーレファミリーとう意匠を統一。正直、かっこいい。

955cc、スーパークアドロエンジン。90度Vツイン(Lツイン)は角度を起こして搭載される。V4パニガーレの登場で、呼称をV2とすることに。高回転側、低中速側で各気筒2本のインジェクターを持つのはこれまで通り。しかし、インジェクターの変更やマップの変更、吸排気レイアウトの変更もありその乗り味は進化されている。バルブスプリングを持たないデスモドローミック(メカニカルにバルブを開閉させる方式)がもちろん取られる。

 

■Panigale V2 Technical Specificaton

 エンジン:スーパークアドロ、水冷L型2気筒、デスモドロミック、4バルブ
 排気量:955cc
 ボア×ストローク:100×60,8mm
 圧縮比:12.5
 最高出力:114kW (155hp)/10,750rpm
 最大トルク:104Nm (10.6kgm)/9,000rpm
 燃料供給装置:電子制御燃料噴射システム、ツイン・インジェクター、フルライド・バイ・ワイヤ、楕円スロットルボディ
 エグゾースト:2-1-2-1システム、触媒コンバーターX2、O2センサーX2
 ギアボックス:6速、ドゥカティ・クイックシフト(DQS)アップ/ダウンEVO2
 1次減速比:ストレートカットギア、減速比 1.77:1
 減速比:1速2.466 2速1.875 3速1.500 4速1.250 5速1.090 6速0.958
 最終減速:チェーン フロント・スプロケット 15T、リア・スプロケット43T
 クラッチ:湿式多板 油圧式 セルフサーボ/スリッパ―クラッチ機構
 フレーム:アルミニウム製モノコック
 フロントサスペンション:ショーワ製フルアジャスタブルBPFフォーク、43mm径クローム・インナー・チューブ
 フロントホイール:軽合金5本スポーク 3.50×17
 フロントタイヤ:120/70 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ・コルサ2
 リアサスペンション:ザックス製フルアジャスタブル・ショック、アルミニウム製片持ち式スイングアーム
 リアホイール:軽合金5本スポーク 5.50×17
 リアタイヤ:180/60 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ・コルサ2
 ホイールトラベル(フロント/リア):120mm/130mm
 フロントブレーキ:ブレンボ製4ピストン・ラジアルマウントM4.32モノブロック・キャリパー、320mm径セミフローティング・ダブルディスク、コーナリングABS EVO
 リアブレーキ:245mm径ディスク、2ピストン・キャリパー、コーナリングABS EVO
 メーターパネル:デジタル・ユニット、4.3インチTFTカラー・ディスプレイ
 乾燥重量:176kg
 車両重量:200kg
 シート高:840mm
 ホイールベース:1,436mm
 キャスター角:24°
 トレール:94mm
 燃料タンク容量:17リットル
 乗車定員数:2名
 安全装備:ライディング・モード、パワー・モード、コーナリングABS EVO、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)EVO 2、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)EVO、エンジンブレーキ・コントロール(EBC)EVO、オート・タイヤ・キャリブレーション
 標準装備:ドゥカティ・クイックシフト(DQS)アップ/ダウンEVO 2、フルLEDヘッドライト、ザックス製ステアリング・ダンパー、ウインカー・オートキャンセル
 オプション設定:GPSモジュール付ドゥカティ・データ・アナライザー+(DDA+)、ドゥカティ・マルチメディア・システム(DMS)

メーカー希望小売価格:2,250,000円(消費税10%込み。保険料、消費税を除く税金、登録等に伴う費用は含まず)

2019/11/22掲載