Facebookページ
Twitter
Youtube

ニュース

中須賀克行、V11チャンピオンに輝く!

2022年9月17・18日(曇り・雨)
全日本ロードレース選手権・第7戦
岡山国際サーキット

 大型台風が近づく中、全日本ロードレース選手権は第7戦が開催されました。台風の進路的に中止も想定されたのですが、帰りの足を考慮して周回数を減算して開催されました。

 今年のJSBクラス、ランキングトップは中須賀克行選手(#1)、2位は3年振りのシリーズ参戦となる渡辺一樹選手(#15)、3位は中須賀のチームメイトのルーキー岡本裕生選手(#27)ですが、渡辺はフランスで開催される世界耐久選手権の最終戦に、タイトルのかかったヨシムラSERTチームから出場することになり今大会を欠場。岡本は第6戦の予選で両足を負傷し、またその際のPCR検査で陽性と判断されレースを欠場、怪我の手術のため今大会も欠場となりました。

 チャンピオン争いに絡む2選手の欠場、これまでの獲得ポイント数から、5位以内でゴールすれば中須賀は最終戦を待たずにこの岡山ラウンドでのチャンピオン獲得の可能性が濃厚となりましたが、実は中須賀サイドも万全の体制ではありませんでした。レースに先駆けて行われた事前テストをYAMAHAは欠席。理由は、チームにとって大変重要な人物が体調不良のため。多くを語りたがらないYAMAHAスタッフから、お察しの空気が漂います。

 準備不足でウィーク入りしたYAMAHAと中須賀は金曜のプラクティスから精力的に周回を重ね、テスト不足の穴を埋めていき、予選ポールポジションを獲得。2位はハルクプロの榎戸育寛選手(#28)が、3番手には予選Q1からジャンプアップした濱原颯道選手(#2)がフロントローの顔ぶれ。また、渡辺の代役としてチームディレクターの加賀山就臣選手(#4)が復活参戦。7番グリッドにマシンを並べました。

 レースは24周のところ、台風接近を考慮してJSBクラスは20周での決勝レース。中須賀のブレないスタートに作本輝介選手(#27)、濱原、榎戸、加賀山が続きます。

 中須賀、作本、榎戸と序盤は等間隔で走行していましたが、1分31秒台前半で周回する中須賀は次第に2位の作本を引き離して行きます。その後方では亀井雄大選手(#6)、岩田 悟選手(#8)が加賀山をパス、中盤に加賀山を抜いた清成龍一選手(#3)もペースアップして2台に追いつきます。後半はそれぞれ単独走行となるなか、3番手の榎戸がペースを上げて作本に接近、最終ラップには後方にピタリとつけて一騎打ちになりますが、作本をパスした直後に痛恨の転倒。中須賀は2位に8秒以上の差でチェッカーを受け、今季ここまで10戦全勝、昨年からの連続優勝記録を20に伸ばし11回目のチャンピオンに輝きました!

欠場選手が続き、決勝16台と寂しい台数での最高峰クラス決勝。※以下、写真をクリックすると大きく、または違う写真を見ることができます。
JSBクラスのシャンパンファイト、中須賀、榎戸との争いを制した作本、濱原。
最終戦を待たずにV11チャンピオンを決めた中須賀。
ラストラップ、作本の背後に榎戸がロックオン、一旦は前に出たかと思われた次の瞬間転倒。3位には作本が入った。
普段は控えめだがスイッチが入ると手がつけられない走りをする作本。
大きな背中に桜井ホンダを背負って走る濱原、開幕以来の表彰台。
少しずつ調子は上向いてるという濱原。最終戦、桜井ホンダは日浦大治朗との2台体制で参戦。
niu
頭角を表し始めたルーキー榎戸。転倒は惜しいが勝負魂をみせた。
スタート直前トラブルでピットスタートになった柳川は11位でチェッカー。
テストで鎖骨を骨折し一旦は出場を諦めた亀井雄大だが、手術のちドクターからOKをもらい出場
「代役は俺」の加賀山。加賀山のライディングスタイルが帰ってきた。
児玉勇太はレース後台風に向かって宮崎県まで下道で帰宅、お疲れ様でした。
niu
テストで鎖骨を骨折急遽手術をして岡山入りした亀井雄大。
TOHOレーシングのホームコースで走り込みを重ねた清成龍一は6位入賞。
加賀山を頭に、岩田、秋吉、清成と続く。
niu
岡山では中須賀サーンのストレートのブレーキングからのスライドが間近で観察できる。
中須賀、テスト不足を挽回するため金曜日はめいっぱい走行、スタッフとのディスカッションにも熱がはいる。


「今回、ランキング2位3位の渡辺選手と岡本選手がいないということで、気持ち的に集中がしづらいというか、ポイント差も開いていて、周りからも、5位までに入ればいいし、という雰囲気もありなかなか集中するのが難しかったのですけど、でも、チームスタッフが一生懸命マシンを整備しているのを見たり、ファンの皆さんに『がんばってね』と応援を頂いて、最終的には勝つことだけに集中することができたし、最終戦の前に決めることができました。

 最終戦は渡辺選手も帰ってきますし、非常に気合をいれて挑んでくると思うので、まずは自分のもちタイム(4秒1)を超えられるように予選を戦っていきたい。マシンも8年目になりますが、今年に入ってやってきたことの集大成を見せられるように頑張りたい!」

 昨年は全勝優勝(第3戦SUGOのレース1は天候不良によりキャンセル)を成し遂げた中須賀。今年もここまで全勝を記録、最終戦鈴鹿の3レースでどこまで記録を伸ばせるか?!

 その他のレースは以下のとおり。


J-GP3 
尾野弘樹選手(#1)の後ろに上原大輝選手(#26)が迫ります。終盤上原が仕掛けていくかと思われたところ、残り3周で転倒者による赤旗中断となり、そのままの順位で終了。尾野は今季3勝目。上原との差を18ポイントに広げ最終戦を迎える。

J-GP3は赤旗で終了し尾野弘樹が優勝。
尾野弘樹を追う上原大輝。


ST1000
スタートで出遅れた渡辺一馬選手(#1)が追い上げ、ラスト3周で2番手の高橋裕紀選手(#10)をパス、続いてトップの国峰琢磨選手(#29)を翌周の1コーナーでオーバーテイクし今季3勝目。ランキングでは渡辺と国峰は同ポイントで首位に、高橋が12ポイント差で追う。

ST1000優勝の渡辺一馬、伊藤監督の表情も晴れやか。
渡辺が国峰を抜いてトップに。
ST1000レースの大半は国峰がリード。後半ペースが上がらなかったのが悔しい。


ST600
最も参加台数の多いクラス。2度の赤旗中断により10周のレース。長尾健吾選手(#4)がウエット路面を制して今季初優勝。

ST600は長尾がトップでチェッカー、ぐっと握った拳で今季初優勝を噛みしめる。
2度の赤旗により、ウェットでのレースになったST600。


(撮影・レポート:楠堂亜希)







2022/09/22掲載