イベントが開催される『はままつフルーツパーク時之栖』の大きな駐車場には、ステージが用意され、オリジナルグッズなどを販売するテントや新型KATANAに関連したパーツサプライヤーのテントなどが並んで、訪れるカタナユーザーやファンを盛り上げる準備は万端。当日は夏がまた戻ってきたような晴天で、気温は上昇。午前9時の開場時には既に多くのカタナが訪れていた。
オープンしてからは、受付を済ませた人が、午前10時から発売開始されるスズキオリジナルグッズの販売ブースの前に並び、すぐに長蛇の列となった。出だしからお祭り気分は上々。
この時点で、駐車場は先代1100カタナ、750カタナ、250や400が並ぶ。新型KATANAも想像したより多く、どこを向いてもカタナだらけ。さらに、係員により誘導されて中に入ってくるカタナも途切れることがない。
最終的に、来場者は約1600名、バイクの来場台数は1123台、内新型KATANAは98台だった。
一方その頃、会場から10kmほど離れた、天竜浜名湖鉄道『天竜二俣駅』ではKATANAのラッピングを施された列車が出発式を迎えていた。
スズキのラッピング列車といえば、『隼』が知られているけれど、新型KATANAでも登場。登録有形文化財になっている施設が並んだ、ノスタルジックな『天龍二俣駅』の駅舎。レトロな雰囲気のある3番線プラットフォームに、モダンスタイルのKATANAが並ぶ姿が大胆にラッピングされた“KATANA号”が停車している。
スズキ株式会社 鈴木俊宏社長、新型KATANAの元になったKATANA 3.0 CONCEPTのスタイリングを担当したイタリア人デザイナーのロドルフォ・フラスコーリ氏、天竜浜名湖鉄道株式会社 長谷川寛彦社長による挨拶とテープカットを終えて、KATANA号が汽笛を上げて颯爽と走り出した。行き先は、1日限りで、『フルーツパーク駅』から改名した『KATANA駅』というニクイ演出。このKATANA号はこの日限りではなく、今後約2年間、毎日運行予定になっている。これはライダーからの注目を浴び、スズキのお膝元である浜松地域の活性化にも繋がる。
メイン会場では、午後11時10分頃から、KATANA号出発式から駆けつけたスズキ株式会社 鈴木俊宏社長が、「やっとカタナを復活させることができました。新旧カタナのファンの皆さん、そしてスズキのバイクのファンの皆さんぜひここで楽しんで欲しいと思います」と開会の挨拶。
その間にも、駐車場には気温35℃を越える中どんどんカタナとそれに乗ってきたライダーが到着。会場は膨れ上がる一方。
集合写真を撮影した後に、お昼12時を過ぎてからステージではトークショーが始まった。第1部は、先代最後のカタナになった、GSX1100Sファイナルエディションの商品企画を担当した西本雄二氏と、その車輌のテストライダーを担当した中島裕一氏による、ファイナルエディションがどういう風に誕生したのか、と裏話的なものも交えたお話。ジリジリと焼け付くように熱い中、ステージ前に多くの人が詰めかけ集中して聞き耳を立てていた。
その後の第2部は、新型KATANAについてのトーク。二輪企画部チーフエンジニアとしてKATANAを開発する責任者を担当した寺田 覚氏、車体設計グループで主にハンドル周りを手掛けた三池翔太氏、そしてテストライダーの中島裕一氏。そう彼は、先代ファイナルエディションのみならず、新しいKATANAも手がけた新旧カタナの橋渡し役と言えるだろう。
この3人に加え、大きな注目を集めたのは、初来日となるデザイナーのロドルフォ・フラスコーリ氏。イタリアの二輪専門誌の企画でやったスタイリングが、スズキの製品になる、若いころに憧れたカタナの新しいバージョンになると初めて聞かされた時にどれだけ驚いたかを語った。
次はお待ちかねのいろんな商品がもらえるじゃんけん大会でヒートアップ。大成功と言える盛況となった『KATANA meeting 2019』の締めの挨拶として壇上に立ったスズキ二輪代表取締役社長の濱本英信氏の口から、「第2回として来年もやりたい」と出て拍手が起きた。イベント終了後、濱本氏は、スタッフと一緒に駐車場出口に立ち、帰路につくライダーを見送った。新旧カタナ乗りだけでなく、他のスズキ車で訪れた人、他社のバイクで訪れた人、別け隔てなく手をふる姿が印象的だった。来年、またKATANA meetingでお会いしましょう。
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