2023MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ
第５戦・もてぎ2×4レース
（モビリティリゾートもてぎ：決勝日8900人 予選5200人）
全日本ロードレース第５戦もてぎ2×4レースは、４輪のスーパーフォーミュラとの併催でJSBクラスのみの開催。鈴鹿８時間耐久ロードレースから２週間という、８耐参戦チーム、選手にとってはインターバルの短い強行日程のレースとなりました。
お盆休み明けのモビリティリゾートもてぎの決勝日の最高気温は35度。オーバルで囲まれた独特のコースレイアウトにより、熱が溜まり体感温度は非常に高く、また気温とともに路面温度も上昇。８耐より暑い、選手にとってかなり過酷なコンディションでの決勝。
津田拓也のホールショットで幕開けとなりましたが、１コーナーでのクラッシュにより３周目に赤旗が提示されレース中断。
16周でのレース再開後、勢いよくスタートを切ったのは津田。中須賀克行、岡本裕生、水野涼、岩田裕巨、名越哲平と続きます。トップで戻ってきた津田の後方では３番手の岡本が中須賀をパスしようとするも中須賀が阻止、その先のV字コーナーの立ち上がりで中須賀は津田を抜いてトップに立ちます。津田はその後も中須賀に仕掛けるも至らず、背後に岡本、水野が迫り、トップグループは４台に絞られました。
８周目に水野が岡本をパスし３番手に上がると、９周目には津田を抜いて２位に浮上。水野の勢いは止まらず、ヘアピンで中須賀に仕掛けてトップを奪取。しかし90度コーナーでは中須賀が前に。
ところが水野は再度アタックして中須賀の前に立ち、残り５周。中須賀は５コーナーで水野をオーバーテイクし、中須賀、水野、岡本の接戦となりましたが、接近し過ぎた岡本のフロントタイヤと水野のリアタイヤが接触し、岡本は転倒リタイア。16周のレースは中須賀が制し、水野が２位、３位に津田となりました。４位に作本輝介、５位にはラストラップで亀井雄大を抜いた名越が入りました。
中須賀克行選手のコメント
「猛暑のなかでホントに厳しいレースになりました。途中きつかったですが、タンクが軽くなってからのほうが自分のバイクのバランスがよかったので、そこまで我慢をしていました。ところどころ危ないシーンもありましたが、その中でも最後までしっかり踏ん張ることが出来た。自分は８耐には出ていなかったのですけど、この３か月の間自分で考えながらトレーニングなどやってきたことが間違いではなかったというのが確認できました。後半戦の最初ということで開幕戦の気持ちでいたのですけど、しっかり勝ち切ることができ、なおかついいバトルも出来て良かったです」
水野涼選手のコメント
「金曜の走行を走ることが出来ず、昨日の予選からだったので、レースをつかってセットアップしているくらい自分自身も余裕がなかったし、本来なら最後に仕掛けるのが展開的には普通かもしれませんが、自分たちの今回の仕上がり的には、後ろについて仕掛けられるタイミングがあったらとにかくいくという事しか出来ませんでした。４番手から追いついて前の３台を抜けたのはよかったですが、自分のペースもなく、このシチュエーションで前を走るプレッシャーを感じてしまいミスするところもあり、リズムを崩してしまったのが中須賀さんに抜かれてしまったひとつの要因ではあります。前半戦３戦を考えると、この暑いもてぎで、中須賀さん、津田さんとバトルをできたことは自分たちアステモにとっても成長です。でもやっぱり勝ちたいので、後半戦のレースもまたいいバトルが出来るように頑張りたいです」
津田拓也選手コメント
「最初は中須賀さんの前に出ることが出来ました。ペースがないのも分かっていたのでなんとかくらいついていこうと頑張っていたのですけど、水野選手、岡本選手に抜かれたときに離されていく屈辱を我慢するしかなかった。最後は苦しかったので防戦一方になってしまったのは残念ではありますけど、今期から立ち上がったチームとして表彰台は重要ですし、スポンサーやみんなに勇気を与える結果になった。これを機にさらにステップアップしていきたいと思います」
＊本大会の1週間前に行われたアジアロードレース選手権でのアクシデントにて、埜口遥希選手がかえらぬ人となりました。埜口選手は2021年ST600クラスチャンピオンを獲得、アジア選手権1000ccクラスでランキング2位につけ、また初出場の鈴鹿8耐でSDGホンダレーシングの2位表彰台に貢献しました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
（撮影・レポート：楠堂亜希）