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VT大全2 VT一族

1984年2月11日発売 初心に戻ってフルモデルチェンジ

1982 VT250F(E)

VT250FEホワイト ●撮影─鈴木広一郎 VT250FEカタログ

 初代登場1年8ヶ月後の1984年2月、初のフルモデルチェンジが行なわれた。

 1982年、1983年とベストセラーを獲得した大ヒットモデルながら「長所を伸ばし短所をなくす」という堅実な方法ではなく「原点に帰ってすべてを見直す」という、ニューモデル開発の手法が採られた。

HIP

 エンジンレイアウトこそ変更ないが、構成パーツを全て見直し、特にピストン、コンロッド、カムチェーン、バルブといった運動系パーツは全面的に手直しされている。

 新たにデジタル式フルトランジスタ点火や吸気ディバイスHIP(Hi・Inertia・Port)等の採用により、5馬力のパワーアップを果たした。フレームも角断面(アルミではない)となり、全体的なフォルムもシャープなイメージとなった。

 攻めの果敢なフルモデルチェンジは見事成功、初代を上回る36186台(1984年)登録台数を記録した.

●エンジン型式:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ●総排気量(内径×行程):248cm3(60×44mm)●最高出力:40ps/12500rpm●最大トルク:2.3kg-m/11000rpm●圧縮比:11.0●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2015×730×1155mm●軸距離:1385mm●車両重量:167kg●燃料タンク容量:14L●タイヤ前・後:100/90-16 54S・110/90-17 60S●発売当時価格: 449,000円 

ファイティングレッド
スターライトシルバーメタリック
ブラック

1984年9月14日発売 VTシリーズ初のノンカウルモデル

VT250Z

VT250Z
シャスタホワイト
VT250Zブラック
ブラック
VT250Z

 1984年といえばRG250ガンマが登場した翌年で、レーサーレプリカブームが燃え上がり始めた時期に、なぜノンカウルを?と思うかもしれないが、初心者、女性、業務用からスポーツユースまで、多岐にわたる幅広いユーザー層から支持されていたVTは、「普通のバイク」としての需要も高く、軽快で身軽なイメージのバリエーションモデルとして、ノンカウルモデルが追加された。

 当時、増えつつあったバイク便の御用達となり、リアに大きなボックスを付けたおなじみの姿を街中でよく見かけるようになった。

 カウルレスとなったことにより、タンク形状が少々変更され、ヘッドライトは丸形に。ホーンはダブルに変更されている。

●エンジン型式:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ●総排気量(内径×行程):248cm3(60×44mm)●最高出力:40ps/12500rpm●最大トルク:2.3kg-m/11000rpm●圧縮比:11.0●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2015×730×1050mm●軸距離:1385mm●車両重量:167kg●燃料タンク容量:14L●タイヤ前・後:100/90-16 54S・110/90-17 60S●発売当時価格: 429,000円 

1985年4月15日 累計10万台、3年連続ベストセラー記念モデル

VT250Fインテグラスペシャルエディション
VT250Fリミテッド

VT250Fインテグラスペシャルエディション
VT250Fインテグラスペシャルエディション
シャスタホワイト/ブラック
VT250Fリミテッド
VT250Fリミテッド
シャスタホワイト/ブラック

 VTシリーズが軽二輪クラスで日本初の販売累計10万台達成と、3年連続ベストセラーを記念した特別仕様車。

 VT250Fウイングスペシャルは、新デザインのインナーポケット付きフルカウルを装着し、フロントブレーキはインボードディスクではなく、一般的なアウトボードタイプのダブルディスクを装着。

 また、VTシリーズでは唯一となったブレーキトルク応答型のアンチノーズダイブ機構TRACも装備した変わり種で、諸元では全高1185mm、車両重量170kg、価格469000円となっている。

 T250Fリミテッドは、VT250FEをベースにイエローラインの入ったスペシャルグラフィックモデルで5000台の限定車だった。諸元に変更はなく、価格は1万円アップの459000円。

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