VTR帯下

VTR見出し2

「起きてる~? もうヒデ君家の前だよ~!」
 はいはい、珍しく起きてますよ、あとは嫁の支度待ちっす。

……つ~か、朝8時で猛暑。もうしょ~がない、とか言ってる余裕もないほどに。

「はい、これ着てこれ被ってこれ装着してね~!」
 ……わ~い! 素敵な長袖ウェア着て、素敵なジェットヘルメット被って、素敵な皮のグローブ装着ですね!

まぁ、東名インターは“すぐですしね”。乗ってしまえば意外と涼しいに違いない。
 ……はは~ん。“すぐDEATH氏ね”でしたか。

あの……バイク乗りって確実にドMですよね、再確認。

しかし、暑さを除けばビックリするほど快適な乗り心地。高速でもしっかり安定、それでいて面白味がないという訳ではなくちゃんと“自分で操ってる感”があって楽しめるバイクですね。これならネイキッドでもロングツーリングできそう。

何度か水分補給をしながらのんびり走るも、意外とあっさり静岡IC。
 出口付近で中尾さんと合流して、早速予定していた一軒目のおでん屋さんへ。

……と、ここで中尾さんがおかしなことを口走る。

「そこの看板にさ、“登呂遺跡”って書いてあるよ!」
 ええ、書いてますね。

住宅街の中にある登呂遺跡……ん? 登呂遺跡の周りを住宅地にしたのでしょうか? と、ガイドのオジサンみたいに疑問符になっちゃったよ。で、登呂遺跡には囲いがない、入場料は無料。遺跡を突っ切る道(未舗装)は、近隣住民の生活道路でもあるのだ。
住宅街の中にある登呂遺跡……ん? 登呂遺跡の周りを住宅地にしたのでしょうか? と、ガイドのオジサンみたいに疑問符になっちゃったよ。で、登呂遺跡には囲いがない、入場料は無料。遺跡を突っ切る道(未舗装)は、近隣住民の生活道路でもあるのだ。
白装束姿のガイドさんにしっかりと説明を受ける込山夫妻。「柱と床のつなぎ目にある、この四角い板はなんでしょうねぇ?」とガイドさん。「ネズミ返しでしょ!」と、ヒデ君きっぱり! ※写真をクリックすると、熱心に聞き入る二人の姿が見られます。
白装束姿のガイドさんにしっかりと説明を受ける込山夫妻。「柱と床のつなぎ目にある、この四角い板はなんでしょうねぇ?」とガイドさん。「ネズミ返しでしょ!」と、ヒデ君きっぱり! ※写真をクリックすると、熱心に聞き入る二人の姿が見られます。
竪穴式住居の内部。「この天井からぶら下がっている木のイカダみたいなものはなんだったんでしょうねぇ」とオジサンの疑問符攻撃を、「燻製を作るためでしょ」と瞬時に交わすてんちょ~。
竪穴式住居の内部。「この天井からぶら下がっている木のイカダみたいなものはなんだったんでしょうねぇ」とオジサンの疑問符攻撃を、「燻製を作るためでしょ」と瞬時に交わすてんちょ~。

「まだ時間も早いことだし、ちょっと見ていこうよ」
 遺跡をですか? いやぁ、面白いこと多分ないと思うんですが。

「絶対楽しいって! うん、近いし行こう行こう!」
 竪穴式住居とか弥生人の生活とか稲作とかを楽しいと言いきれちゃう中尾さん。素敵すぎる。

「ほら、近いじゃん。あれじゃない? タテアナ」
 住宅地を挟んだ駐車場らしきスペースに停めて歩くこと3分。
 我々の眼前に現れたのは……数軒のタテアナシキジュウキョ。水田。照りつける日差し。

そして……次の瞬間、嫌な予感が。
 そう、タテアナから弥生人らしき人が現れたのだ。

「こっち見てるよ!」
 つ~か、完全に向かって来てるぢゃないですか! 身構える3人。あまり目を見ないようにしとこう。

「ようこそいらっしゃいました! 登呂遺跡です」
 わわわ、喋った! ていうか、老眼鏡かけた60過ぎのおじさんなんだが。

弥生時代を忠実に再現している。これはガマ。因幡の白ウサギにつけたのが、“ガマの穂綿”だと学校唱歌にも歌われている、と思う、てか昔は“大黒さま”を習ったぞ、ゆとり教育でどーなったかは知らんが。
弥生時代を忠実に再現している。これはガマ。因幡の白ウサギにつけたのが、“ガマの穂綿”だと学校唱歌にも歌われている、と思う、てか昔は“大黒さま”を習ったぞ、ゆとり教育でどーなったかは知らんが。
田んぼも充実している。近くの小学生たちが植えた赤米。古代米の一種だが、現在ではほとんど作られていないという。ちなみに現在、水田も復元拡張工事中だ。リニューアルの博物館も含め、今秋にはオープン予定。
田んぼも充実している。近くの小学生たちが植えた赤米。古代米の一種だが、現在ではほとんど作られていないという。ちなみに現在、水田も復元拡張工事中だ。リニューアルの博物館も含め、今秋にはオープン予定。
お祭りに使っていたと思われる祭殿。その床下(高床だからね)に何人かのヒトが……。火おこし体験できるのだ。「どうぞどうぞ」と促されるままに床下へ。涼しい。
お祭りに使っていたと思われる祭殿。その床下(高床だからね)に何人かのヒトが……。火おこし体験できるのだ。「どうぞどうぞ」と促されるままに床下へ。涼しい。

「私、こちらでボランティアのガイドをしております、○○です」
 はい、こんにちは。でも僕たちあまり時間ないのでサックリ見て帰ろうかと……。

「こちらへどうぞ」
 ……全然聞いちゃいないよ、弥生さん。そこから小一時間、弥生さんの独壇場@炎天下ですよ。

「登呂遺跡はですね、鹿の骨は見つかってるんですが、人骨は見つかっていないんです、どうしてでしょうねぇ?」

「この住居の柱は、杉の木を鋭利な鉄器、もしくは青銅器で削って作ったことは間違いないんですが、鉄器も青銅器も発掘されてないんですよ、どうしてなんでしょうか?」
 ……こちらが疑問に思うことをすべて疑問形で説明される感じが、3人の心を鷲掴みでしたけどね。

「あちらで是非、火おこしを体験してみてください」
 と、おいらと嫁さんを見て、
 「ね、若い人も」

中尾さんに視線を移して、
 「そしてお父さんも、ね?」

……中尾さんが暴れそうになったのを初めて見たよ。

火をおこすまで帰らせてもらえない雰囲気の中、嫁さんがやってくれました、ナイス嫁。

やっとのことで弥生時代から解放された一行は、いよいよ本来の目的地へと向かう。

これが弥生時代に使われていたという火おこしの道具。「舞切り式」と言われる方法だ。二人とも必死だ。ガイドのオジサンに見守られているからね。熱くなって暑くなった。
これが弥生時代に使われていたという火おこしの道具。「舞切り式」と言われる方法だ。二人とも必死だ。ガイドのオジサンに見守られているからね。熱くなって暑くなった。
火種が出来る。もぐさに火種を移し、さらに竹の中に入れたシュロで包み込む。でもって、フーッと息を吹きかけ続ける。おにーさん、期待してるのが顔に出てます。ヒデ君は「火が点いたら解放される」と。がんばれ、嫁。※写真をクリックすると、ナイス嫁、が現れます。
火種が出来る。もぐさに火種を移し、さらに竹の中に入れたシュロで包み込む。でもって、フーッと息を吹きかけ続ける。おにーさん、期待してるのが顔に出てます。ヒデ君は「火が点いたら解放される」と。がんばれ、嫁。※写真をクリックすると、ナイス嫁、が現れます。

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